中学生の男子駅伝メンバーの心情を綴ったもの。陸上部顧問の上原や異動してしまって登場しない前任者の満田の描き方は、自分の中高時代の先生や周りの大人を思い出させる巧さ。私は前半、部長の舛井君の不調をメロドラマのストーリーを予想してしまった。本やドラマや映画の見過ぎと苦笑する羽目に。
個性豊かで魅力的な6人のランナー。私は設楽と渡部タイプだな思いつつ読み進める。そしてジロータイプの友人に今でも憧れてなりたいと思う自分を苦々しく思う。みんなそれぞれ良いんだよって作者言いたいのだろうけれど、50を過ぎてなお、明るさと気負わない面倒くさくない人になりたいと思っている。
でも、本作を読むと救われる自分もいる。きっと自分の心に振舞わされている中学生にも救いのひとつになりだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
中学生
- 感想投稿日 : 2016年9月1日
- 読了日 : 2016年8月31日
- 本棚登録日 : 2016年8月31日
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