光圀伝 角川文庫合本版

著者 :
  • KADOKAWA (2015年6月20日発売)
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感想 : 11
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光國にならされた。その理由が分からず、歴史の波に流されていく。そして、光圀になる。運命に逆らえず、ふらふらとしている様子にも見えるが、いろんな人と邂逅する中で、光國は大義を成就すべき生き、人を育てる。生きるということは死を意識することでもあり、出会いもあれば別れもある。儒学者の読耕斎との邂逅、藤井紋太夫との邂逅など、光國の大義に大きく関わる。水戸光國といえばテレビドラマの水戸黄門を想像する人は多いだろう。本作品は、諸国漫遊記ではない。大日本史の編纂の物語でもない。光國(光圀)の生きざまを語る大河ドラマである。また、天地明察の安井算哲(渋川晴海)も登場する。冲方丁の別の作品と繋がるところも歴史の面白さを感じる。テレビドラマしか知らない人は、本当の光國の姿を知ることになるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2017年8月28日
読了日 : 2017年8月24日
本棚登録日 : 2017年8月18日

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