ウォーレン・バフェット

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2011年11月4日発売)
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感想 : 19
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私が勤務している会社の米国本社が、今年の9月にこの本の主人公であるバフェット氏が率いる投資会社に買収されました。

最近、バフェット以外の米国で有名な投資家であるソロス氏との比較をしている本を読んだことがありますが、バフェット氏の投資方針は「Buy and Hold=買ったら保有する」というものであったので、少し安心しました。

この本には、バフェット氏が巨富を生み出した7つの法則が、彼に関する書籍から引用する形で説明されています。関連文書を何冊も一気によんだようなメリットが得られた本でした。

以下は気になったポイントです。

・株を購入する理由として、「値上がりしているから」「人気銘柄だから」「権威者が奨めているから」というのであれば、購入は中止である(p19)

・バフェットは「どこで働けばいいか」という学生からの質問に対して、1)職種は好きなこと、2)会社は、最も尊敬している人のところで、と回答していた(p25)

・バフェットの株購入判断基準は、1)株価がその企業の価値より安いか、2)その企業に優れた経営者がいるかどうか(p31)

・戦うなら自分が最も得意とするトップに立てる分野のみ、一番手ならば自分の進む道を決めることができるから(p43)

・リスク回避方法として、1)市場を理解するのではなく企業の理解に絞る、2)理解は、価格が適正か、経営陣を好きになれるか、である(p58)

・バフェとは、多角化せず一つの事業に集中したことで成功した例であれば、際限なく上げることができるとコメントしている(p61)

・自分のストライクゾーンでない球に手を出すかどうかが、並の投資家と本当の投資家を分ける(p82)

・時間を無駄にしない生き方(バフェットの相棒であるマンガー氏)として、1)約束には早めに出向く、2)遅れてしまったら謝るのみ、3)電話は直ちに折り返す、4)ノーの結論は5秒で(p92)

・ビジネスに成功している要因としては、ビジネスを始めた年齢が関係する(p93)

・バークシャーは買収したときの繊維企業としての成長ではない、1985年に繊維部門を閉鎖、設備は売却、敷地は賃貸、400人の従業員は解雇(p104)

・米国の航空業界はかつて規制により価格競争から守られていたが、USエアーの高収益は規制によってもたらされていた(p113)

・リスクを負わない小作人は、自分が耕して得た利益は手にできるが、土地の売却代金の分け前はもらえない(p120)

・本を読むだけでは成功できない、読書後に、1)自分から始める、2)すぐに始める、3)徹底してやり続ける、のが大投資家への道(p136)

・自分にとっても最も大事な顧客は自分自身、毎日1時間を自分のために使うこと(p147)

・バークシャーの本社には社員は10人足らず、バフェットもマンガーも年間10万ドルの給与のみ(p171)

・2006年6月に、バフェットは自分が保有するバークシャーの株の85%(370億ドル)を複数の財団に寄付する(ゲイツ財団には6分の5)ことを決断した(p178)

・ビジネスで大事なのは尊敬・信頼できる人と仕事をすること、人は誰と付き合うかで人生が大きく変わる(p197)

・バフェットは、傘下の企業や経営者に逐一指示を出すことも、定期的にトップを集めてグループの全体会合をすることもない、これは極めて異例だが、バフェットはこれがうまくいくやり方と信じている(p211)

2011年12月18日作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資産運用・保全
感想投稿日 : 2011年12月18日
読了日 : 2011年12月18日
本棚登録日 : 2011年12月18日

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