貯金が1000万円になったら資産運用を考えなさい

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  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2013年8月13日発売)
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品川の新幹線ホームの本屋さんでのぞいていた時にタイトルに惹かれてこの本を買ってしまいましたが、貯金1000万円の定義が書いてあり、現有の金融資産から、生活費3か月分及び10年以内に使う予定のある貯金を引いたモノ(P241)とありました。二人の娘の教育が終了していない私は対象読者から外れるなと思いましたが、来るべき日のために読み続けました。

私がこの本から得たメッセージは、「とにかく貯金1000万円までは貯めなさい、それができたら、不動産とワイン(ワインファンド含む)を軸に資産を大きく増やすこと」というものでした。

そのためには自分で英語ができることは前提として、それに加えて、良きアドバイザーを見つける、自分で足で稼いで良いと思うものを選らず、人任せにはしない、自己責任でやる、いうところでしょうか。

ワインを資産運用と考えるというのは、面白いものですね。思うように資産運用ができなかったとしても、ワインが好きなら飲んで楽しむことができますからね。ワインの勉強だけはしてみても良いなと思いました。

また、この本において、レバレッジ25倍のリスクの説明(持っている資金の25倍の取引ができるというのは、4%マイナス方向に動けが元本が全てなくなる、p49)は、私には今まで最も分かり易いものでした。

さらに、老後に必要な資金のガイドライン(2000万円プラス自分のライフスタイルに必要な金額、P85)を示してくれていて嬉しかったです。

以下は気になったポイントです。

・1990年代から続いてきた「円高・株安・デフレ」の3点セットが安倍政権の経済政策によって変わりつつある(p8)

・資産運用とは、リスクをどのようにしてどこまで取るのかを決めて、リターンを狙う行為(p32)

・FXのレバレッジは、規制によって25倍までに制限されているが、それでも持っている資金の25倍の取引ができるというのは、4%マイナス方向に動けが元本が全てなくなるという、かなりのリスク(p49)

・金融資産が1000万円を超えたら、年間10万円程度のコンサルティング料であれば、失敗しないための保険料として支払ってもよいだろう(p58)

・資産運用をする前にやるべきことは、「自分の資産の現状を把握すること」と「自分に必要な資産を予想すること」である、後者で必要なのは、資産運用の目標とその到達方法を考えること(p72)

・ビジョンとは、自分が人生で実現したいと思っている具体的な目標、その先にあるものが「ミッション」であり、人生の根本的な夢・目標を示す言葉で、抽象的な価値観や根本的な考え方である(P83)

・老後資金は「2000万円プラス自分のライフスタイルに必要な金額」である(P85)

・資産配分の仕方として、株式・債券型資産を80%、残りをその他資産、株式型資産を全体の40%、外貨資産比率を40%にして、6つの資産配分を決定する(P114)

・資産運用は3段ロケット、1段目:インディックスファンドか積立、2段目:金融商品、3段目:実物資産(海外不動産、ワイン等)(P135,173)

・海外資産で狙い目は、人口が増えるエリア・賃金の高いホワイトカラーが集中しているエリア・空室率が低く、利回りが良いエリア(P194)

・ワイン投資のやり方として、現物ワインに投資する方法と、ワインファンドに投資する方法がある、イギリスのワイン商(ベリー・ブラザーズ&ラッド、2008年から日本にも支店あり)もある(P221)

・現物ワインは、売却するのではなく、倉庫から日本へ取り寄せ、自分で消費することもできるのが株とは異なる(P223)

・資産運用は、ペーパアセットを使って資産形成を早く進め、ある程度まとまったら、インカム収入が期待できるリアルアセットして将来の定期収入(キャッシュフロー)の安定化を目指すのが最も安心できる方法(P259)

・外貨の割合は、極端な円高を予想するのでなければ、資産全体の50%が目安(P261)

・個人投資家として成功するには、1)情報と知識の収集、2)目先ではなく長期で考える姿勢、3)自分の置かれた環境に柔軟に対処できる力、である(P267)

・セミナーに参加する場合に重要なのは、有料のものを選ぶこと(P269)

・継続するには、仲間を作る、手間をかけない方法を作る、習慣化する、メンターを作るといった方法がある(P272)

2013年9月1日作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資産運用・保全
感想投稿日 : 2013年9月1日
読了日 : 2013年9月1日
本棚登録日 : 2013年8月31日

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