いまこそ、日本、繁栄の好機! (WAC BUNKO 133)

著者 :
  • ワック (2010年9月1日発売)
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もう何年も読み続けているので、日下氏の場合は、書店で新作本を見つけるやすぐに手に取ってしまいます。

民主党政権になってから、国防面においても米国を始め、アジア周辺諸国と上手くいっていないような気がしますが、民主党政権が数年後に退陣した後には、その揺り戻しとして、日本の軍備増強が一気に進む可能性があるかも知れません。

日下氏の国防に関する論調(核兵器を保有すべきなど)は、一貫してぶれていませんが、あと何年かしたら多くの人は自然に受け入れるかも知れないと思いました。

以下は気になったポイントです。

・日本がシャンとする処方箋として、1)男は18歳になったら6ヶ月の短期兵役にて集団生活、2)女も6ヶ月の社会奉仕、3)35歳までは1年に1度体力テストを受けて不合格者は合格になまで帰れない、である(p17)

・日本人は差別されるので外国へ出ても日本へ帰る、イギリスの頭脳はアメリカへ行くと差別されないので流出したまま戻ってこない(p31)

・中国は軍事費増大には、失業者対策兼教育訓練という意味合いがある、日本なら自動車学校、専門学校に言って個人負担でやることを軍事費で賄っている(p39)

・海軍を増強する国は、20~30年後に必ず潰れている、歴史的には、スウェーデン、オランダ、スペイン、フランス、イギリス、ソ連、日本、アメリカだけは日本を財布にしているので、まだ健在(p43)

・保有する軍艦の3分の1は修繕か兵器の整備、3分の1は演習中、従って有事即応兵力は全体の3分の1しかない(p46)

・ノモンハン戦において、突撃する第一線部隊の後方にいる督戦隊を叩いた、すると第一線の兵は逃げるので日本は有利に戦えた(p53)

・日本核武装の16階段の第一歩は、首相が靖国神社の4月の例大祭に参拝する、国民は51社ある各県の護国神社に参拝すること(p61)

・地方の観光開発政策において、わざとらしいものは失敗、そのまんまのものは成功している、例えば「大和ミュージアム」(p88)

・浮動株主による一時的な株高は「市場価値」といって、ホントの「企業価値」とは別のものであると考える経営者は昔は多くいた(p118)

・日本がこれから投資すべきは、海水や工場排水からレアメタルを回収する技術開発で、その有力手段はバイオ(p120)

・最近のハーバード大学のビジネススクールの卒業生が選ぶ旅行先は中国から日本に変わった、理由は「ピカチュウ世代」(p124)

・2008年4月、定員割れの私立4年制大学は、565校中266校(47%),その対策として広告費の投入とは情けない(p133)

・中央工学校(専門学校)の就職人気は凄い、卒業生600人に対して、求人5000社、求人数は8000人、大学に入りたければ4大の編入試験で3年生になれる(p134)

・戦後カネのない日本は世界銀行の融資を受けて東名高速道路を建設した、アメリカは道路を作るので石油の輸入を一部許可した、一方で鉄道開発にも余念がなかった(p136)

・日本人は金利よりも安心を選択する、なので利息よりもはるかに高い手数料で自分の貯蓄を引き出す(p138)

・今の所得税は、戦時体制下において所得が高いものに対して重税をかけて、給料から天引で徴収したもの(p142)

・国際常識では債権者は債務者よりも立場が弱い、「返せないからどうぞ担保を処分してください」と言える債務者が強い(p150)

・値段だけで選ぶのは必需品、豊かになると贅沢品の割合が増える、安さや多さだけでは勝負できない時代である(p155、157)

・アメリカの戦争権限法は、60日間は議会の承認ナシで大統領の意思で軍隊(5軍:陸海空、海兵隊、コーストガード)を動かすことができる(p165)

・トヨタ自動車は福岡において4年間で正社員を2100人増やしたところ、結婚ブームが起きて2007年の福岡県の出生率の伸びは日本一となった、正社員が増えれば結婚が増えて少子化は消える(p169)

・8%以上が金利の常識だった時代に、中国には1~2%で貸している、償還期間は10年の措置期間を含む30年、これは贈与と同じ(p174)

・現在、国際社会は中国の残虐なチベット支配に非難の声を挙げているが、過去の歴史を見れば、欧米も同じことをしている、中国はいまだに古代のまま(p184)

・トリウムはウランの3倍もの量が自然界に存在、インドの埋蔵量が世界一、放射性廃棄物もウランの約半分(p188)

・岸首相以降、日本の首相が突然変わるのはアメリカの力が背後で働いたときのみ(p192)

2010/12/5作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年8月16日
読了日 : 2010年12月5日
本棚登録日 : 2011年8月16日

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