DNA鑑定のはなし: 犯罪捜査から親子鑑定まで (ポピュラー・サイエンス 255)

著者 :
  • 裳華房 (2003年3月1日発売)
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感想 : 2
3

[DNA鑑定の基礎から鑑定例まで易しく解説]   

専門用語頻出ですが、基本的に平易な科学系よみもの。実際の鑑定例がたっぷりと盛り込まれているので用語が分からなくても十分楽しめます。特にミステリ大好きな人には、絶対おすすめ。   


読了日:2005.10.01   
分 類:科学   
ページ:130P   
値 段:1500円   
発行日:2003年3月発行   
出版社:裳華房   
評 定:★★★+   


●作品データ●
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ジャンル : 科学
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 専門用語も頻出だが易しい
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---【100字紹介】----------------
DNA鑑定って何だろう?どうやってやるのかな?と思ったら読んでみよう。予備知識のある人は専門的な概要を、ない人も鑑定例を交えてDNA鑑定の雰囲気を味わえる。刑事事件に関する法医学者の視点が新鮮な1冊。
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平易な科学系よみものです。なかなか面白い構成でして結構、専門用語頻出です。一方で実際の鑑定例がふんだんに盛り込まれており(いやむしろそちらがメインくらいの勢いで)、「よみもの」としてのウエイトも高くなっています。

つまり、専門用語がある程度分かって、ついていける人には専門的な概要を知ることが出来るでしょう。だからと言って、まったく予備知識がなく、言葉がわかんない!という人でも、この本はよみものとして十分、興味深くなっています。どんな読者を相手にしても、その人のレベルに合わせた読み方が出来る構成になっているのですね。面白い、面白い。ちなみに菜の花は中級レベルってとこですね。全部は分からないけど、まあまあ分かる、ってとこで。一応、バイオ系もやってる研究室の子だしなー。

しかし、それにもましてお勧めしたい相手がいます。それは…、推理小説まにあな方々へ!この本には法医学者のネタがいっぱい詰まってます!これからのハイテク捜査には欠かせないDNA鑑定も分かっちゃうし、刑事事件に関する話題も、「お!そうなんだ!」みたいな楽しげな発見をもたらす可能性もありです。

…まあ、本っ気で完っ全にマニアな人だったら、これくらいは知ってるかもしれませんが…。(菜の花は十分面白かったですけど。)例えば?そうですね…、ああ、あれ!

日本では、頭部のある遺体じゃないとその個人の死として認められないらしいです。つまりバラバラ死体が見つかったとき、頭部以外の一部が発見されて、DNA鑑定で個人が特定できたとしても、それはその人の死亡にならない。まあ、確かに腕1本くらい落ちてても、持ち主が死んでいるかどうかは
ちょっと分からないかもしれないですけどね。でも、本作の中で出てきた実際の例はなかなか凄かったです。背骨の白骨が見つかって、DNA鑑定で被害者が判明したんだとか。それでもその人の死にはならないのですって。えー!!!背骨なしで生きられる人間がいるかいな!ったく、お役所仕事だねー、融通が利かない法律だ!…みたいな。


なかなか興味深い1冊でした。


●菜の花の独断と偏見による評定●
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文 章 :★★★
描 写 :★★★
展 開 :★★★
独自性 :★★★★
読後感 :★★★
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般教養
感想投稿日 : 2005年10月1日
読了日 : 2005年10月1日
本棚登録日 : 2005年10月1日

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