峠(中) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年10月25日発売)
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本棚登録 : 2284
感想 : 112
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藩のためでも徳川のためでもない、長岡に新たなオルタナティブをつくろうぜおい!と、熱いロックンロール魂を内に秘めている河井継之助。
譜代の一家老という立場からのジレンマ・哲学的思考の巡らし方・ハンパじゃない行動力が、ストーリー以上の大きなうねりとなって心に響くのである。

どっちかというと福沢諭吉のほうにシンパシー感じるのが正直なところだが、捨てきれないものを抱えながらほふく前進していく継之助の泥臭さのほうが、多くの人にとって魅力的に映るのでしょう。

予備知識ゼロで読んでるが、 パイオニア・先行者は粛清されるというセオリーからも、なんとなく悲壮な最期を遂げるんじゃないでしょうか。
内田樹が言うには、生き延びる力とは、集団をひとつにまとめる力とのこと。そのあたり下巻でどう描かれるのか(描かれないかもしれんが)楽しみである。

はじめての司馬遼太郎。いいテンションを保ちながらいよいよ最終巻へ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年7月29日
読了日 : 2013年7月29日
本棚登録日 : 2013年7月29日

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