東京飄然 (中公文庫 ま 35-5)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年11月24日発売)
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感想 : 22
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飄然者たらんとして飄然なる風を装いながら飄然と読みたい本。とか言いながら、「うひゃひゃひゃ」とか「あきゃきゃきゃ」とかいう笑いを堪えきれなかったり、無闇矢鱈と誰かれかまわずふれ回りたくなったり。いかん、ひょひょ、飄然としなければ……。「初文庫化」ありがたや。個人的にもほとんどの「旅」の場所に心当たりがあるだけに、却って見事な観察眼に驚かされて「マッタクもって飄然としてないじゃん!」って突っ込みたくなりますが、それまた飄然と受け流されそう。…六根清浄。筆致も内容も違うかもしれないけれど、すぐに思い出されるのは内田百鬼園(同じ匂いが)。「阿房列車」を読み返そう、っと。それから、写真には「写し手」の様がそのままあらわれるものだなぁ、とあらためて感じ入った次第。写真好きの方は、ここに載せられた写真を見るだけで、作者のことがわかるかも。そんなことも考えました。(ついでに言えば、私はこれらの写真、どれもみな「好き」になったのだった、書を捨ててカメラを携えて町に出たならば、自分もこんな写真を撮ってみたいものだ…とも)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本男児
感想投稿日 : 2009年12月22日
読了日 : 2009年12月22日
本棚登録日 : 2009年12月22日

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