本を読むこと、まごまごと日常を送ること。
そうして過ぎていく時間の中に、在りし日のセイシュンの姿を重ね合わせる。
「こういうよろこびをいったい何というのだろう。「ささやかな幸せ」というやつだろうか。青春と呼ばれる時代にはあんなにささやかな幸せを忌み嫌ってきたのに、人間変わるものだなあと思いを致した夏でもあった。人間変わるものだ、などという感慨も、そういえば昔は忌み嫌っていたっけ」(P.48)
教訓を引き出さず、ただ楽しみのために本を読み、幾つもの場面に、逐一日常の面白さを見出すことができるとしたら、、「生きることは歓びなんだよ」(P.150)という、著者がためらって言えなかった言葉も、いつか言えるようになるのだろうか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月6日
- 読了日 : 2013年5月6日
- 本棚登録日 : 2013年5月6日
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