佑学社(絶版)の方で読みましたが、現在は新潮社から出版。
自然のなかの光、影、音、匂いなど、在りのままの自然を感じる文章です。
年老いたレイチェルとまだ幼いロジャーとで夜の海辺を歩き回り、その荒々しい波の音を全身で感じたり、夜行性の生物を見たりしている姿が、なんと楽しげで生き生きしていることか。
何気ない、ごく当たり前に身の回りにあることでも、対象にじっくりと向き合って、見つめたり、耳を澄ましたり、触ったり、匂いを感じたりすると、新しい発見がやってくる。当たり前のようでも、文明に依存した現代の人々が見落としてしまっている大切なことなのかなと思います。
よく、虫の声を欧米の人は脳で雑音として処理していると言われますが、レイチェルはその数々の虫の声にも自然を感じ味わっています。この虫の声の話を読んだときに、日本人の自然を感じ、暮らしに密着している部分があることがしみじみと良く思えてきました。
大切だけど、忘れがちな自然の有り難さを、この本を繰り返し読むことで思い出したい、そんな気分です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
生活
- 感想投稿日 : 2013年11月7日
- 読了日 : 2013年11月7日
- 本棚登録日 : 2013年11月7日
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