2011.12.9-2011.12.16
冒頭に出てくる「日本の盛り場の原型は縁日」といふ多田道太郎の言葉が一番印象に残つてゐる。
本の題名からも分かるやうに、著者は日本の現状に批判的で、
1 ゴミ溜めのような街
2 欲望自然主義
3 奴隷的サービス
4 言葉を信じない文化
5 醜と不快の哲学
と続く各章では、街の乱雑さや騒音に鈍感な日本人の多数派に対する怨嗟の念が、独特の調子で繰り広げられてゐる。
繊細な感受性を持つて今の日本に生きる著者の不幸にはご同情申し上げるが、多数派の鈍感を分かち持つ者としては、不平不満に付き合ふのは一度で充分だ。
唯一、哲学者らしい第5章は、余り理解出来なかつた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年12月10日
- 読了日 : 2011年12月16日
- 本棚登録日 : 2011年12月10日
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