レビュー by yosshiさん
大学のときに読んで以来だから10年以上ぶり。あの頃は主人公を同世代として読めたのかなあ。
今読んでみると、若さ故の自由さと不自由さの両方を感じることが出来る。自分はまだ若く、今とは違う自分になることが出来る、自分の前には広大な未来が広がっていてなんだって可能なんだという一方で、未熟さ故に取り返しの付かないことをしてしまうことだってある。
自分がどこから来たのかを知ったときにはもうその場所は失われてしまっているという状況を、偶然に重なる偶然の物語で巧みに語ってみせるあたりはオースターらしい。マーコが新しい自分になるためには一度すべてが失われなければならなかったのか。両親も叔父も祖父も洞穴も恋人も。そしてアメリカ大陸を横断しなければならなかったのか。
ふたたびひとりになったマーコは、でも今度は自分の力で生きていけるのだと思った。
登録日 : 2010年08月06日 15:26:07


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