夜を徹して読了。涙がこみ上げてくる力作評伝小説。太宰治とともに入水自殺を遂げた山崎富栄さんの生涯を軸にして描かれている。ファンではあるけれども作中の太宰には腹が立って仕方がない。視点は客観的で、その上胸がキュンとなるくらいロマンチック。富栄が亡き夫とデートしたシーンには涙した。太宰と富栄の距離が縮まってゆくシーンも臨場感がありかなりドキドキ。富栄さんを亡くされたお父様の寂寥感には涙がとまらない。きちんとした家庭に生まれた優秀なお嬢さんであった富栄さんが天才作家と情死するとはやりきれない結末だ。名作です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2015年12月1日
- 読了日 : 2015年12月1日
- 本棚登録日 : 2015年12月1日
みんなの感想をみる