水鏡推理

著者 :
  • 講談社 (2015年10月9日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 26

ようやく新シリーズに手を付けられることに。
こちらも人の死なないミステリーであり、起こった事件はすっきりと片付くのであまりストレスもないです。
文科省に一般職入省した水鏡瑞希。ノンキャリアであることから総合職の言いなりになることを求められますが、阪神淡路の震災被災を過去に持つ瑞希には、研究費用を不正に請求される事態に黙って見過ごすことができずに自ら調査に出向きます。
実際に中途半端で成果の出ない研究をさも役立つように見せて費用を請求するようなこともあるのでしょう。
この話の舞台がそういう研究の不正を暴くタクスフォースという部署で、最初は上に言われるがままに処理していたキャリア組も徐々に瑞希に感化され、本来のタクスフォースとしての機能を取り戻すのです。いずれも瑞希の探偵業で養った知識と機転で寸でのところで不正を暴きます。
そりゃ適当に処理しておこぼれを預かりたい不当な輩にとっては瑞希の存在はかなり邪魔。あの手この手で追い込もうとするのですが、全てあえなく失敗。
不正を暴く過程は面白いのですが、実際人間扱いされないとかいうノンキャリア対ふんぞり返っているキャリアの構図はあまり好きではないなぁ。もちろん正義は報われるというお花畑思考を持っているわけではないのですが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017/03
感想投稿日 : 2017年4月2日
読了日 : 2017年3月3日
本棚登録日 : 2017年2月28日

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