コ-リング (第1巻) (白泉社文庫 お 4-1)

  • 白泉社 (2009年9月15日発売)
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本棚登録 : 74
感想 : 16
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原作以上を引き出すって夢だなー…と脱帽するしか無い、というか。陰陽師にしろ、岡野先生はその側面からも最高峰だなと思います。

表現の媒体を変えるとき、その異なる表現文法のためにあらゆる“翻訳”が必要になるわけですが、それが成功している/成功した事例というのはそう多くないと思い、またそれがいかに難しいかと言うことにも想いを馳せます。

パロディではなく、しかしある種のパロディとすべきライン、直訳ではなく意訳にすべきラインをよく見抜き、さらにそれだけでなく、深部を重ねたり引き出したりしてしまうこと。一人の表現者という翻訳家を通した時に起こる、これはもはや消化ではなく昇華なのだろうなと、美味しく頂きました。

愛について十分に辛辣で、十二分にロマンチックな一作でもありました。自己愛も含め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月31日
読了日 : 2011年12月31日
本棚登録日 : 2011年12月29日

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