楽しみの社会学

  • 新思索社 (2001年1月1日発売)
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本棚登録 : 171
感想 : 11
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かの有名な「フロー体験」についてのチクセントミハイの本。
極めてアカデミックに内発的動機付けを定義し、検証している。
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フロー体験は
「始まりと終わりが明確」で
「自己効力感が持てる行動」で
「結果と自分の行動のつながり感のフィードバック」があって
「"適度に"難しい」
という行動、という感じ。
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あくまで行為自体が報酬になる、というのがフロー体験。
果たして仕事にこの考えが適用可能なのか?というのは
自分の中では結論が出せなかった。
仕事におけるフロー体験として、チクセントミハイは
外科医の手術を例示している。

外科手術は「時間が限られる」「成果が分かりやすい」など
仕事内容としては少し特殊。
企業において満たしづらいのは特にこの二つの点だろう。
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フロー体験には「構造化・パターン化」されている
共通の前提条件があることが大切らしい。
安心して没頭できるためにはパターンがあることが必要。
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マイクロフローという概念は面白かった。
端的に言うと「クセ」。
詳しく言うと「非生産的で自己目的的な行動」。
平たく言うと「分かっちゃ居るけど止められないこと」。
研究としては突っ込みが不十分だけれど、
概ねの方向としてはマイクロフローを強制的に止めさせると
非創造的で不快感が募る方向にある、ということ。
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2012年2月22日
読了日 : 2012年2月22日
本棚登録日 : 2012年2月22日

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