企業コンサルタントでビジネス書を出している著者による、読書法やお勧め本紹介の本。
書かれている読書法は、読む本を効率的に選ぶために、ビジネス・非ビジネスの横軸と、基礎・応用新奇の縦軸の4象限(読書ポートフォリオ・マトリクス)で考える、というもの。具体的には以下の4分類をバランス良く読む(自分の場合)。
1.ビジネス基礎(カメ)
・IT・生産管理・プロジェクト管理・論理思考に関する古典、ビジネス小説
2.ビジネス応用(ウサギ)
・最新IT・ビジネススキル・ 企業事例・自己啓発書
3.非ビジネス基礎(リュウ)
・小説(歴史・SF・文学古典)
・ノンフィクション(歴史・科学・教養)
4.非ビジネス新奇(トリ)
・はやり物・人からのお勧め・書評から・本屋で偶然見つけた本
ここまでストイックにならなくても、好きな本だけ読めば良いのではという考えもあるけど、一方で、知識・教養を広げたいという欲求が年々強くなっている自分もいる。なので今後は、これまであまり読んでいなかった、ビジネス書や、古典文学もたまには読んでいきたい。
もう一つ、この本を読んで納得したことは、広い視点を持つ上で 、歴史小説とSF小説が特に重要だと述べている点。
歴史小説は、過去に実際に生きた人たちの成功・失敗体験であり、組織管理・人心掌握・処世術・生き様などを追体験して自身の人生に活かすという考え方は昔からある。
それに対し、SF小説は、未来に起こりうること。つまり、IT・医学の発達や、異星人・超能力者という地球一般人と違う価値観の存在、という"IF"を描くことにより、現代社会に生活して、その中だけを見ていたら気付きにくいことを浮き彫りにしてくれる。そんな効果があると、以前から思っていた。つまり、著者曰く、SF小説の名作は『ヒトやコトの本質を描いている』のだ。
その「本質」を抽象化して、自分の思考の棚に保管しておき、仕事やプライベートで課題があった時にひっぱり出してきて道具として使う。そのために、SF小説の名作を大人ももっと読むべきだ、という意見に同意。
つまり、歴史小説は「過去」、SF小説は「未来」というそれぞれの舞台を通して、頭の中の棚を豊かにしてくれる、対になる存在なのだ。みたいな、ここ数年間、僕が考えていたことを「腹落ち」させてくれた。
- 感想投稿日 : 2017年2月16日
- 読了日 : 2016年3月6日
- 本棚登録日 : 2016年3月4日
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