幸せの条件 (中公文庫 ほ 17-9)

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年8月22日発売)
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<印象に残った言葉>
・本当に必要とされる人間なんて、その役がその人でなくちゃいけない理由なんて、実際には、大してありゃしないんだ。

・大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か…それを自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ。

<感想>
受動的な姿勢で何かを待ち望んでいる状態ではなく、能動的に自分から動きたくなるような状況を見つけることが、生きていく上での幸せの条件の一つ。
バイオエタノールのための米を作付してくれる農家と契約を結ぶため、嫌々ながら「あぐもぐ」に住み込んで農業を学んでいた主人公の梢恵だったが、東日本大震災をきっかけに、作物を育てて人々に届けたいという思いを持つようになり、農業に本格的に取り組むようになった。最終的には、以前の会社を退職し、自分の生きていく道として農業を選んでいく。
仕事を含め、いろんなことに対して、自分が必要だと思って能動的に取り組んでいるのか、常に自分に問いかけたい。
米を作るまでの過程が除雪から収穫まで詳細に描写されていて、知識ゼロの読者にもわかりやすい内容だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年3月20日
読了日 : 2015年11月30日
本棚登録日 : 2016年3月20日

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