カラフル (文春文庫 も 20-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年9月10日発売)
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本棚登録 : 35499
感想 : 3242
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⚪︎リズム、テンポが良く非常に読むやすい。ページ数も多くなく、集中して読めば数時間で読破出来るだろう。軽いどんでん返しもある。

⚪︎天使が出過ぎず、主人公を助けすぎないのがいい。あくまでガイド役として見守るだけ。これにより基本的には主人公が1人で苦難を乗り越えていくことになる。

⚪︎会話の間を作るのがうまい。文章なのに会話の時のリズムがよく見える。例えば真と父の釣りのシーンで弁当食べながら話す時、2人の会話の間に もぐもぐ などの擬音が入っている。これにより2人の微妙な距離感が伝わってくる。

⚪︎登場人物全員に光と闇の部分があるのが面白い。一概に良い人、悪い人と呼べる人が1人も登場しない。人は誰しも明るい部分と暗い部分を持っていて、それはまた見方によっても良し悪しが変わる、そんなことを思わせてくれる。

⚪︎生きる希望を与えてくれる後味のいい話だった。終盤のぷらぷらのセリフの、人生を長いホームステイだと思えば気が楽になる、みたいな台詞にはすごく心に響いた。自分もそう思えば真のように大胆に、そして心の思うままに自由に生きられると思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2016年3月10日
読了日 : 2016年3月10日
本棚登録日 : 2016年3月10日

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