EU騒乱: テロと右傾化の次に来るもの (新潮選書)

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  • 新潮社 (2016年3月25日発売)
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本書では、まず、2014年から2015年にかけて起きたエポックメーキングな事件を追う。すなわち、欧州議会選挙での「欧州懐疑派」の台頭と、難民移民、格差問題。そしてギリシャ債務問題をめぐるチプラス政権と債権者の確執。
この観察は、原点から、EUの歴史と思想を振り返ることに導いた。
2005年にフランスやオランダで欧州憲法条約の批准が国民投票で否決されたとき、欧州の統合は終わった、といわれたが、果たしてそうなのだろうか?
この問いの先には、「民主主義」が待っていた。
役所でも劇場でも、パリの街を歩けば、いたるところにEUの青い旗がはためいている。大統領や首相の演説でもバックには国旗と並んで必ずEU旗がある。工事現場にはEUの補助議場と書いてある。第一、毎日ユーロを使っている。それなのにEUは、つねに人々の不満の対象であり、「民主主義の赤字」と批判され、不変の課題となっている。

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感想投稿日 : 2017年10月20日
本棚登録日 : 2017年10月20日

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