本書には多数の学術論文が収録されている。論じられているのは、固有名を挙げるなら、ベルクソン、ルソー、カント、ニーチェ、スピノザ、ヒューム等々、テーマを挙げるなら、無人島、本能と制度、差異、ドラマ化、構造主義等々。それらを読むと、ドゥルーズがいかなる意味において優れた哲学者であったかがよくわかる。
これからドゥルーズを読もうとしている人は、一冊のモノグラフィーに挑戦する前に、本書に収められた短い学術論文のどれか関心のあるものをじっくりと読むところから始めるのがよい。但し、一本でよいから、参禅する気持ちで、フランス語を一言一句追いながら、「誰に聞かれても全て説明できる」あるいは「ここだけがどうしても分からない」と断言できるまで読み、参考文献の全てに目を通すこと。そうすれば著作の読解がずっと楽になる。
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ジル・ドゥルーズ
- 感想投稿日 : 2010年10月4日
- 本棚登録日 : 2009年12月14日
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