人間機械論 第2版 新装版: 人間の人間的な利用

  • みすず書房 (2007年6月1日発売)
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感想 : 8
5

結構お勧めの本。

本書は、ギッブスの見解が近代生活へ与えた衝撃を、それが現実の科学にもたらした具体的な変化と、世界全般に対するわれわれの態度に間接的にもたらした変化との両面にわたって論ずるものである。したがって本書の諸章は、われわれが実際にしていることと、われわれが直面している信施愛に対してわれわれがいかに対処すべきであるかということとの、技術的な議論と哲学的な議論とを含む。

本書の多くの部分は、固体の内部間および固体相互間のコミュニケーションの限界を扱う。人間は自己の感覚器官を通じて知覚する環境の中にひたされている。人間が受け取る情報は、脳と神経系を通じてコーディネート(整合)され、貯蔵や照合や選択からなる適当な過程を経てのち、行動器官―ふつうは筋肉―を通じて外へでていく。これらの行動器官は外界に作用を及ぼし、さらにまた自己運動感覚を持つ末端器官のような感受器を通じて中枢神経系へ反作用を及ぼす。そして、これらの自己運動感覚が受け取った情報が、当人のすでに貯蓄された貯蔵情報と組み合わされて、将来の行動を決定する。

p95?
全世界を見て、全世界に命令を下すことは、いたるところに存在するのとほとんど同じことである ―技術への問いから

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ノーバート・ウィーナー
感想投稿日 : 2010年3月9日
本棚登録日 : 2010年2月19日

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