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yukaritterさんの本棚 > 妃は船を沈める


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レビュー by yukaritterさん

小説   読み終わった  読了日 : 2009年08月30日  3

有栖川有栖さん、はじめてまともに読みました。たぶんいろんな作家さんmixの短編集でいちどお名前と短編に触れたくらい。新刊コーナーで装丁とタイトルに惹かれたから。内容は。。。うーん、エラリー・クイーンっぽい。エラリーが書いてるのにエラリーが出てくる探偵モノってあたり。ひとつの事件、後日談 みたいな、それぞれ独立しても読めるような中編を、大人っぽい(色のほうでなく落ち着きのほうで)幕間がつなぐ。先の物語だけでは、妃沙子が妖艶な妖怪のような非現実的な存在だけど、後日の物語のほうで、ああ、、、かわいそうな女だ、、、、共感と同調がぐいっと寄せてくる。最後のお願いはほんとに、ありふれた、ささやかな女の願い。そんなことをしなくても手に入ったかもしれないのに。猿の手に願ってしまったことで、負わなくてもいい負の運命ごと纏ってしまうんだね。不幸な巡りあわせだね。薄幸の佳人。どのくらい口が大きいのか全く挿絵がないから空想が膨らむ。有栖川さんの作品には、いつも「作家、有栖川&火村准教が出てくるのんかな。きっと作家の人格が投影されてるのは火村のようだよね。もっとほかの作品も読んでみたいな。妃沙子の話し口調が好きだった。生き方が反映された口調、こういう人現実にはひと握りしかいないんだよな。ウイリアム・ジェイコブズの「猿の手」という古典(?)は私知らなかったな。どちらの解釈も面白いね。でも私はゾンビのほうの解釈がやっぱしっくり来る。息子が悪人になってしまうから嫌だもの、火村(=著者本人)の意見のほうはね。

1回でたまんないというほど惹かれはしなかったけど、なんか、なんか気になる、もういちど逢いたい、そういう感触の作家さん。ぜひ次も気にかけて探してみようっ( ´艸`) 登録日 : 2009年08月30日 00:00:01


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