家にある本の覚え書きとして活用(予定)
朝倉海人さん
ファンタジー (2008-12-10)
中国の古代史をベースとした話が多い酒見氏の珍しい西洋(イギリス)を舞台にした奇書。 作品の登場人物の一人である「語り手」の語りによって物語はすすむ。登場人物は性の妄想により自己意識を肥大化させたいわゆる「変態」な人々だ。 作品内容は性的な描写も多...
その他 (2008-12-09)
「ローマ人の物語」の副読本。 この本を全巻持っている人また、もっとローマ帝国の世界観を知りたいという人におすすめ。 単行本や文庫本とは違うビジュアルを重視して作成されているため、小説を読んでいない人、苦手な人でも楽しめる。
歴史 (2008-12-09)
ローマ帝国の興亡史。 塩野七生氏による新たな視点を持った壮大なローマ人の物語。 2千年以上の歴史を持つ帝国が「なぜ滅んだのか?」をテーマに物語は時系列に沿って進んでいく。 1巻は神話時代から王政ローマ誕生など創世記が書かれている。そのため、内容的...
エンタメ (2008-12-09)
エスパー七瀬にまつわる連作短編。 時系列で並んでおり、文章の軽妙さとは似合わない人間の業の部分がきちんと描かれている。 また、「特殊な」人間の持つ悩みなどにも深く入り込んでいる人間を描いた一冊。
ファンタジー (2008-12-09)
追記予定
歴史小説にファンタジーの要素を取り込んだ新感覚小説。 (追記予定)
未読
検索社会をテーマに描かれた作品。 本書は「魔王」の続編として描かれているが、魔王を読んでいなくても問題はない。 特別版は挿絵が入っている上に二段組みとなっている。 通常版で読んだ方が読みやすい
検索社会をテーマにした作品。 テーマとしては目新しくないが、そこをきちんとエンタメにし、週刊連載の形式で盛り上げようとしていたのが読み取れる。魅力的な人物の登場や劇的な場面転換、読み手に持たせ続ける謎という部分はとても丁寧に描かれており読み応えが...
SF (2008-12-09)
エンタメ (2008-05-03)
「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の四つの短編からなる。 「ポテチ」のみ書き下ろし。以前の作品に登場した人物を主役に持ってきた作品など比較的初期の読み切りで雑誌に掲載された作品がまとめられている。作品としては...
連作短編の群像劇。 世界の終わりの迎え方を視点と時間を変えて様々な角度から描く。伊坂ワールドが随所に見られ、重苦しさを打ち消している。 読後感としては、「あぁ、なんか良かったな」という感じ。
青春小説。 ストレート。「あっと驚きたい」という従来からの伊坂ファンには物足りないかもしれないが、物語性としては十分楽しめるレベルだと思う。仕掛けではなく、登場人物たちの魅力で引っ張っていこうという意欲がうかがい知れる作品。
ミステリという壁を取り払って、書けばどれだけ素晴らしい作品が書けるのかを証明した作品だと感じた。 主人公の2人の設定が特殊だという「伊坂らしさ」はあるものの、作品全体を通しての「読み手をあっといわせたい」というところが、ミステリ的な「仕掛け」...
ファンタジー (2008-05-03)
「死」という比較的重いテーマを子供にも取っつきやすいように、変身させている秀作。 主人公の心情の変化や家族との関わりについて、丁寧に描かれているあたり絵本作家の力量発揮といったところ。 読みやすさからして、この作家の作品として入りやすい作品。
短編を集めた作品。 子供向けに書かれた作品ということで、1作品2ページほどで完結しており、ユニークなアイデアで書かれた作品が多い。 が、短編の作り方が非常に雑に感じてしまうことがある。作品によって完成度がバラバラなのは、残念。
歴史 (2008-05-03)
時代小説というよりも、「人間チンギスカン」の話だ。合戦の描写はそれほどなく、ほぼあっという間にチンギスカンはアジアを征服していく。その点、合戦を読みたいという人には向いていないかもしれない。 なによりもこのページ数でチンギスカンの一生を描くの...
SF (2008-05-03)
メタ・フィクションの真骨頂を見せつける小説だった。この作品が朝日新聞連載だったということがまず驚きである。新聞に連載される「小説」という概念の破壊を試み、パソコン通信や投書(その数23,805に及ぶ)による読者の提案によって話が変化していく。恐らくそ...
舞城王太郎の作品を初めて読んだが、本作は初めて舞城作品を読む人にはあまりお薦めをしない。作品自体は三部構成になっていて、伝統的な主題が描かれているのだが、舞城らしく表現されているというところだろうか。一部と二部三部で評価が分かれる。ただ二部以降...
純文学 (2008-05-03)
不思議な話だった。読み終わった後、不快感が残るわけでもなく爽快感が残るわけでもないそんな話だった。章ごとに、というべきだろうか、転換される場面、時間は読み手を迷わせる。それは地下室へと進む螺旋階段を一段ずつ降りているかのようで、読み続けていくう...
安部公房の初期短編集。初期の頃らしく、それぞれの短編にて様々な「実験」が行われている。無機物と人間の逆転やその後の主要テーマとなった共同体における個など、それぞれ趣向を変えた作品が楽しめる。ただ、「砂の女」以降しか読んだことのない人にはあまり馴...
入り組んだ世界と「黒乙一」と言われる世界観が混じった作品。構成としては3つ(もしくは4つ)から成り立っており、ミステリー的でもある。童話というタイトルからもわかるとおり、童話的な文体で全体の空気を作っている。女性の主人公を書かせると上手いなと思...
フランス占領下のウィーン。フランス軍工兵隊のパスキ大尉は一人の貴族と出会うことから始まる物語は、一言「壮大」という言葉に尽きる。 それはまず、圧倒的な世界観の深さにある。ヨーロッパ中世の中で、「工兵」というところにスポットを当てたところからも...
ミステリ (2008-05-03)
多分、ミステリー読者からは評価が低いと思われる作品だが、個人的には好きだ。まずS&Mシリーズの中で唯一の一人称小説であること。もう一つはこの作品自体の発想というよりも緻密さにある。(この発想自体は昔からあるものだが、森博嗣が自分の文体を活かしてこの...
イラハイという国に住む屋根穴職人ウーサンの物語。独特な文章、登場人物たちが魅力的に描かれており、歴史書のような感じでもある。風俗や風習、行為などが現実離れしていることもあって、不思議な話だというのが最初から感じる。「物語が始まったので、ウーサン...
私小説 (2008-05-03)
父と子供、「岳」との親子愛の物語である。優しい文体で書かれており中学生や小学生にも読みやすい。<また、私小説である今作品はかつて子供であった大人が、自分に重ね合わせて読むことも出来る。場面場面に出てくる時代の雰囲気は70年代80年代生まれの人間に...
社会問題をうまく絡ませたミステリー。クレジットや自己破産という問題の本質をミステリーの謎部分で上手く組み込んでいるのが上手い。92年発表ということもあって、現代とは法律が少々違ったりするが気にすることなく一気に楽しめる良作だと思う。 ラスト部...
司馬文学の中で一番好きな小説。幕末の混迷期に運命を左右された人物、大村益次郎(村田蔵六)の物語。その恐ろしいまでの合理主義、生まれながらの実務家としての才能のために非業の死を遂げる。幕末に興味のある方には是非読んでもらいたい一冊である。歴史の教...
80年代終わりから90年代初頭にかけての雰囲気が溢れる作品だ。それが良いことか悪いことかは別にしても、この作品はちょっとした遊び心に満ちている。つまり文章の言い回しであったり、改行の使い方であったりという部分にだが。話の内容としては極有り触れた...
気がつくと石川五右衛門であった表題作「家族場面」は、ページをめくるという行為がこれほど興奮させる行為だったのだということを我々に再認識させる。 死刑制度について深くえぐった作品である「天の一角」、妻の反乱をユーモラスに描いた「妻の惑星」、「猿...
安部公房の出世作であると同時に芥川賞受賞作である。 芥川賞受賞作である「S.カルマ氏の犯罪」、安部公房の世界をよく表している「バベルの塔の狸」、そして初期短編を集めた「赤い繭」の三部構成となっている。 特に「バベルの塔の狸」は、安部の社会に対...
導入部分から中盤にかけては、童話的な感じを読み手に与える。読み進めていくうちに、徐々に深い場所へと読み手を誘う感じである。「かめくん」というレプリカメの視点を使って、現実社会の疑似世界を読み解いていくという印象だ。文章自体は話している感じであり...
同時代に生きた太宰治と同じような「美意識」、それに伴う「罪悪感」や「孤独感」を感じるが、ベクトルが違う。端正な文章は言葉ひとつひとつにまで気が配られている。日記もしくは報告という手法による主人公の性への告白は、その文体と見事にマッチしている。著...
安部公房という作家の世界観を理解するのは困難である。しかし、その困難の中で自分が何を感じるのか、そして安部公房は何を伝えたかったのか? という想像をすることは面白い。 寂れた田舎町で疎外されたよそ者たちの集団「飢餓同盟」は革命のための秘密結社...
題名の通り原則として質疑応答で話が進んでいく。明確なジャンル分けは出来ないだろうが、敢えて言えばホラーサスペンスだろうか。連作短編だが、章分けがされているわけではなく質問者、解答者が入れ替わっていく。質疑応答のみで進むということは、言い換えれば...
「イン・ザ・プール」の続編。精神科医「伊良部」のとんでも日記、という感じである。何はともあれ、あまり深く考えず読めるということで、この作品は真のエンターテイメント作品だと思う。 各章に登場するそれぞれの精神病を患った人たちは、よくよく考えれば...
「袈裟と盛遠」「奉教人の死」「枯野抄」「邪宗門」「毛利先生」「犬と笛」などの短編が表題作の他に掲載されている。芥川が創作意欲が盛んな頃に書かれた作品なだけに、童話から明治物、江戸期物、王朝物などの様々なジャンルを様々な手法で描いている。芥川とい...
こういう話を書かせたら今、この作家の右に出る者が果たしているのだろうか。難点は三人称。三人称になることで、感情移入がしにくくなっている。どちらかというと劇画的というのだろうか。第三者としてゆっくり読めるとも言える。 登場人物の職業が現実世界の...
銀行強盗団の争いの話と言ってしまえば、身も蓋もないがチームの一人が強奪した金を持ち逃げすることから話は流れていく。 カバーには「徹底してクールな主人公と、どこかファニーな悪党たちの闘いを痛快に描く、超娯楽小説」と書いてある。ファニー(というか...
唐突に終わったな、というのが読み終わった最初の感想。題名は「グランド・フィナーレ」だが、話の内容では本当にグランドフィナーレなのかはわからない。続編が出るのではないだろうか? とすら思う。 中身は時折出てくる不可解な比喩と掴みにくい文章のリズ...
Vシリーズ第一作。シリーズの第一弾ということで、登場人物の説明をしなくてはならないのだが、前半部分が限りなく重い。登場人物も奇想天外な人物(女装や関西弁や元金持ち)が、奇想天外すぎて人間描写が薄っぺらくなっている上に、キャラ立ち小説であるのにキ...
デビュー作。テンポが無茶苦茶良い。この作家の主題はデビュー作からぶれていないのだなと思わせる作品だった。ノベルズから出ている作品は恐らくこの作品から読んだ方が良いのだろう。これ以降の作品に出てくる人物関係がよくわかるようになる。 ミステリーの...
この作品は次作の「夏のレプリカ」と二つで一組(同時並行の事件)で、この作品には奇数章だけある。 マジシャンの話なのだが、トリックの質云々というよりも話のテンポが重い。おそらく「夏のレプリカ」との帳尻あわせでスピード感が失われていると思う。この...
「ファンタジー」が「剣と魔法」であるというのが、日本人の大体思うところではないだろうか。ファンタジーとはそれほど狭い範囲のものではない。この本はその概念を打ち壊してくれる一冊である。 「腹上死であった、と記載されている」という冒頭から、一度も...
歴史小説の醍醐味は何と言っても、「歴史が動いている」と読み手に感じさせるスペクタクルとロマンである。ここではビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルがトルコの若きスルタン、モハメッド2世によって陥落されるまでの話が描かれている。 この小説の面...
前作に比べて、ミステリーというより人間模様の交錯を描いたという感じを受ける。元々、このS&Mシリーズと言われている一連の作品は時間が作品の中でも流れており、登場人物たちも徐々に成長していく。しかし西之園萌絵という女性に苛立ちを覚え始めるのもこれくら...
R-18文学賞受賞作「ねむりひめ」に表題作「しゃぼん」、「いろとりどり」、「もうすぐ春が」の三作を加えた全部で四つの短編。 表題作が良かった。全体を通して、「女の子とは何だ?」というテーマだと思うのだが、それについて真正面から答えているのが表題作...
太宰治という個性が輝いている作品。ただ、今読むと時代背景が掴みにくく、作中に登場する人々の生き方が古臭いと思うのは当然だろう。しかし、太宰の独特なセンスで語られるまるで自分自身の心情を代弁するかのような作品である。
これを、「時代小説だ」とは断言できない。確かに時代小説の王道的な「人生の教え」のようなものも作品の中には出てくる。たしかに、漫画の「封神演義」のようなSF的ファンタジーな作品ではない。 野心に満ちあふれる太公望は生々しく、また、若さゆえの苦しみ...
「伊坂幸太郎の最高作」という声も高いのだけれども、個人的には「ラッシュライフ」などの方が面白いのではないかと思う。というのは、「ラッシュライフ」に登場する「あの人」(書いても支障はないと思いますが、敢えて書きません)を登場させたり、「オーデュボ...
「椎名誠らしさ」というのは、昭和中期のノスタルジーな時代を書かせると鮮明に表れる。この物語もそういう話である。「白い手」の少女と少年たちの友情を描いた作品。40代以上の大人が読むと懐かしい子供時代に浸れるのではないだろうか。
短編集。中でも「闖入者」が秀逸。「民主主義」という不可侵的な概念に対する強烈なアンチテーゼとして描かれており、戦後間もなくの作品ながら、現代社会の方がより感じさせられる部分があるのではないかとも思える。 他にも、神話を元にした「ノアの方舟」、...
簡単に言うと、「森博嗣の遊び心」で書かれた作品。それ以上でもそれ以下でもないと思う。 結局、「模型」というものに関心のない人やこの作品に出てくる人々のキャラに嫌悪感を持つ人などには苦痛な作品にならざるを得ないのだが、話として取り立てて詰まらな...
芥川賞候補作となった表題作と、「ファウスト」に掲載された作品の二作が収録されている。表題作については、「世界の中心で愛を叫ぶ」へのアンチテーゼであると世間が言うように「愛」についてのストレート且つ舞城らしい捻くれた(褒め言葉)書き方がされている...
フランスにおいて最優秀外国文学賞を受賞した安部公房の名作。 砂の防壁に囲まれた中に閉じ込められた男の話。男は初めこそ砂の穴からの脱出を試みるが、失敗や一緒に暮らす女とのやりとりの中で徐々に彼自身が変化していく。生きることへの切望。行間から感じ...
新本格第二世代とも言われる森博嗣の傑作。個人的には今まで読んだことのないタイプのミステリー小説だった。いわゆる「理系小説」と分類されることがあるが、僕は扱っているモノそのものよりも真賀田四季と犀川創平、西之園萌絵という主要人物の描き方、背景描写...
「最近は純文学寄りだ」という声をたまに聞くのだけれども、この作品を読んで少なくとも舞城という作家は潜在的な「純文学的な作家」だったのだということが判った。この作品はミステリーとしてジャンル分けされるのだろうが、それは目的ではなく手法である。中学...
1975年日本海側のN県が突如独立を宣言したその中に翻弄された一人の少年の話だ。この主人公の「自伝」のような形態を取り、回顧録的な内容になっている。正直、読む前は悪い意味での「ファンタジー・SF」のような話だと思っていたが、その考えは見事に裏切...
ジャンルとしてはSFになるのだろうか。読み始めると、グイッと引き込まれる。別に「引き込ませる」という力が働いているようには感じないのだが、知らない間に読み進んでいて気がついたら数十ページ読み終わってるという感じだ。 ストーリーは著者自身も「天空...
事故により顔を失った主人公が、失われた妻の愛を取り戻すために「他人の顔」をプラスチック製の仮面に仕立て、妻を誘惑する男になり回復を目指す。 安部公房作品の中でもこの作品は文体が非常に判りやすく書かれている。その理由としては恐らく、主人公である...
題名が不思議でいいじゃないか。というのが初めの感想だった。恐らくはとてもファンタジーっぽい話なのだろうと思っていたのだが、その予想は見事に裏切られた(もちろん良い意味でだが)。 幼い子供相手の挿話(それがダックスフントがワープする話)と主人公...
山田詠美というと、「女性心理描写が上手い」というイメージがあったのだが、実はそうではないことが読み終わって判った。彼女は「男性心理描写」が上手いのである。彼女の主人公(多くは)「私」は、心の中で自分を「他者化」している。つまり女性の心の内面とい...
現実世界においても、本人の意図しないところで世の中が動いていくことは実際にあるわけだが、この作品の主人公はまさにそのような立場に置かれる。ある日届いた自分の妻「最高指導者」からの手紙、民衆国家の建設、肥大化する組織、暴走する民衆そして没落と、政...
S&Mシリーズの第二弾。正直に言うと、第一弾の「すべてがFになる」の印象(それは真賀田四季という登場人物の印象が主なのだが)が強すぎて、物足りなさを感じてしまうのではないだろうか。 しかし、相変わらず文章の組み立て方、人物や風景描写は森博嗣らしい...
こっくりさんにより余命が僅かであることを教えられ、その運命から逃れようと自分の体をこっくりさんに捧げた「夜木」のその後を綴った表題作。この作品は日本的なホラーと言ったらいいのだろうか。 もう一作の学校のトイレの匿名の落書きのやり取りを題材とし...
ラストの衝撃。展開の妙。とても面白かった。若手キャリアの捜査一課長における身辺と連続する幼女誘拐という二つの軸を中心に話が進む。ミステリーということもありあまり細部まで感想が書けないのが悔やまれる。解説に、「解説を読む前に一刻も早く本編を読め」...
無邪気な子供が死体を隠すというだけではない表題作「夏と花火と私の死体」は、乙一のデビュー作でありながらも光るモノを私たちに見せつける。スティーブン・キングの「スタンドバイミー」とよく言われるが、話の内容や書きたい主題は違う感じである。 また、...
「幻惑の死と使途」と同時並行に起こった事件の話で偶数章だけである。 ミステリーだと期待して読むとつまらないと思う。ただ単に普通の小説の中にミステリーも出てくるという感じで受け取った方がこの作品は楽しめる。森博嗣の中では革命的な作品なのだが、何...
ドラマ化された原作。石田衣良と株というあまり関連するイメージには思えないが、話の内容はこの作家の得意とする「成長」もしくは「脱皮」「脱却」である。株式の知識が無くても別に困らない。主人公自身が元々プータローであり、そこに相場の感覚を覚えさせてい...
文体が難解である=読みにくいということではない。難解な文章であるとき、文章のリズムが重要である。近代文学にはそれがあるが、当該作品にはない。論文を読んでいるような平板な文章は読むのが苦痛にすらなる。 錬金術の話だが、それを生かしきれていないよ...
想像していた話とはひと味違った。主人公は盲目的であるし、その執着心、唯我独尊的自己弁解などは主人公を上手く表現できていたのではないだろうか。 自らの名前に「鴇」という字があることから一方的に関心を持った「トキ」と「本木桜」へ対する一方的で身勝...
太宰文学で最高傑作だと思う作品。表現の耽美さもさることながら、テーマの深さも素晴らしい。若い頃に読み、年を取ったらもう一度読みたい本である。 鋭い人物描写は太宰らしい。
「自称」火星人がある日、ラジオの脚本家のもとにやって来た。彼は自分のことを火星人であると「こんにちは火星人」の脚本家に告白する。内心では火星人の存在を信じている人間を馬鹿にしていた脚本家は、「自称」火星人の男の言葉に翻弄されていく。 男はただ...
全3巻の3部構成。第一部ではどこにでもある(もしくはありそうな)ありふれた情景の中に潜む異常事態(と言うのは言い過ぎだろうか)、何気ない出来事を綴っている。妻クミコの背景が時折見え隠れしたり、笠原メイという不思議な少女、消えた猫、そして最後に出...
評価の難しい作品だという印象。作品自体は全体を通じて「面白くなくはない」という感想を持った。漫画的な話ではあるけれども、文章のリズムは悪くなく会話文の合いの手などは、ライトノベルを読んでいるような錯覚させ持つ。が、ラストはいただけない。作者とし...
安部公房の作品の中でその不思議さは群を抜いている。読めば読むほど深まる謎、誰が誰であるのか、なぜそうなっていくのか、全てが複雑に絡み合っていく箱を被った男、「箱男」の記録。 淡々と進められる箱男の手記は、読み進めていけば読み進めた分だけ私たち...
単なる西洋史を基調とする小説だと思って読み始めると、おかしな所に気づく。そのおかしな所を「ははぁ、こういうことだな」と見当を付けようとし始める頃に驚きの種明かしがされるのだ。 この小説自体は貴族であったバルタザールとメルヒオールの没落の記録で...
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