神曲 天国篇 (河出文庫 タ 2-3)

  • 河出書房新社 (2009年4月3日発売)
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天国篇では当時のスコラ哲学の神学議論を前提としたダンテの宗教観が最も直接的に表れている分、やはり読み進めるのに苦労するのは否めない。それにしても全篇に渡って挿入されているギュスターヴ・ドレの荘厳な挿絵と平川祐弘による読みやすくリズム感のある素晴らしい日本語訳、そして各歌ごとの丁寧な前文と詳細な解説がなければ、この全3篇100歌14233行からなる叙事詩を読み切ることはとても叶わなかっただろう。3の数字を基底とする、幾何学的に構築されて無限へと向かおうとするこの世界観にボルヘスが夢中になるのも無理はない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2013年3月19日
読了日 : 2013年3月19日
本棚登録日 : 2013年3月19日

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