以前読んで面白かった、「閉鎖病棟」と同じ作者の作品です。「閉鎖病棟」のときも書いたのですが、この作者の作品は、なんでもないような日常生活を積み重ねることで、物語に厚みを作っていく感じですね。今回の作品は舞台設定が、修正直後の中国・日本で、B級戦犯となってしまった主人公の逃亡を描いています。ストーリー的には主人公が戦犯として逃亡している場面と、そのときに思い出す戦争中の憲兵としての戦場での活躍で描かれているのですが、どちらも淡々とドキュメント的に描かれているだけで、そこに謎があるわけでも特別なつながりがあるわけでもないです。「閉鎖病棟」の時には舞台設定が割合身近だったこともあり、その構成が物語に厚みをもたらしたんですが、今回は舞台設定事態が終戦直後という正直実感のない設定のせいかいまひとつ自分の中では盛り上がりませんでした。
まあ、この作者の作品は舞台設定がある程度自分の身近なもの出ないといまいちなのかなあという感じです。
トリックとか、ミスリーディングとかの作品に疲れたときにはいいかもしれないですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2009年2月22日
- 読了日 : 2009年2月22日
- 本棚登録日 : 2009年2月22日
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