リリーと海賊の身代金 上 ~魔法の宝石に選ばれた少女~

  • ゴマブックス (2009年1月30日発売)
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感想 : 9
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コンピューターなどの文明機器がほぼ廃れてしまった未来社会。
貧しい魚村に住むリリーたちは海賊の焼き討ち合い、彼女はたった一人の肉親を奪われ13歳で天涯孤独の身の上となってしまう。
海賊たちの目的は村に住む首相の妹が預かっていた一人娘。
本当は他のものも狙っていたのだがそれは果たせず退却。
残された村人たちの多くは首相により徴兵され、好きでもない男との縁談を整えられそうになった彼女は事態を打開するため村を出て首相の娘を救い出そうとする---

リリーの勇敢で向こう見ずなところが勇ましくて良いです。
国内外を問わず最近元気な女の子が主人公の物語が多いような。
肉食女子、じゃないけど運命を自分で切り出すってのは裏を返せば男の子にそれを期待するのが難しくなってきたからなのか・・・
文明機器を知らない人間が携帯電話を見たらどう思うか、さらに人工知能をもったコンピュータの保有者となったとなれば驚きの連続でしょう。
コンピューターの能力はまだまだ解明されてませんが後半はどう繋がるんだろ。先が楽しみです
近未来ロンドンの描写に18世紀のロンドンが重なりました(汚泥に囲まれた薄暗い、猥雑な街)機械に縁のない生活ってそんなもんなのかも。
イギリスの作品らしく、『ハリー・ポッター』が「歴史マニア垂涎の古典」として作品の小道具に使われているのが微笑ましかった。
海賊<ファミリー>の設定が良く判らないけどマフィアと考えていいのかな。それともヴァイキングなのか?


それにしてもシーキャットが可愛い。
作者の創作の猫なのか、それとも昔からこういう守り猫はいたのかな。

映画化したら面白そうです。
少なくともマルヴァ姫よりどきどきします

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー(海外)
感想投稿日 : 2009年11月7日
読了日 : 2009年11月7日
本棚登録日 : 2009年11月7日

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