「フリー投票」部門は、2017年5月1日~2018年7月31日の間に読んだ本の中で、最も人に勧めたい書籍を投票する部門です。たくさん投票していただいた作品の中から、投票数と推薦コメントを元にブクログスタッフが1冊を選びました。

フリー部門大賞
メダル

ボクたちはみんな大人になれなかった

新潮社

燃え殻さんからのコメント

燃え殻 驚きました。注目していただいた皆さま、本当にありがとうございます。
この小説の連載はWebメディア『cakes』から始まりました。
そこからたくさんの皆さんとの出会いがあって、想像もしていなかったこのような素晴らしい場所まで、たどり着くことできました。
仕事が終わった午前2時過ぎのネットカフェで、この小説の1行目を打ち込み始めました。
あまり誇らしいことが起こらない人生を生きてきたのですが、あの時の暗闇の中に飛び込むような気持ちだった自分を、今は褒めてやりたいと思います。
この小説に光を当てて頂いたすべての皆さまに、心から感謝致します。

燃え殻

燃え殻

ブクログ大賞スタッフからのコメント

「大人」として忙殺されているボクが、17年前に別れた元カノにFacebookの友達申請を送ってしまったことから呼び起こされる「あのとき」の記憶。ていねいにつづられる記憶から読者に共有されるのは、胸をかきむしりたくなるような感情です。誰の心の中にも、昇華できない「あのとき」はあり、それに蓋をして生きています。けれど、燃え殻さんの言葉を目で追っているうちに「あのとき」の感情が「あのとき」のまま生々しく胸によみがえってくるようです。忘れたくて、忘れたくなかった感情を呼び起こしてくれる作品でした。受賞、おめでとうございます!

投票してくれた皆さんからのコメント(一部)

  • 心の隙間を埋めるために、刹那的に誰かと関わりながらも、そのときの記憶がどこかにずっと沈んでいる感覚がとてもリアル。読みながら昔つきあっていた人のことを思い出しました。(枯れない泉さん)
  • これは泣いちゃいます。あのときにもう一度だけ戻りたくなりました。(ゆんゆんさん)
  • 夢を見ているみたいだった。全体が無声映画のように、静かにうつくしく流れていくのに、そこで生まれる感情や感覚はやけに生々しく迫ってくる。(canocoさん)
  • 僕が燃え殻さんと同世代なせいか痛切なノスタルジーが襲ってきて朝までYoutubeを聴いて飲んだくれてしまいました。(はなぢさん)
  • バブルを経験したことがない私でもその匂いを感じて、胸が痛くなった。「大人」になったからこそこの作品の良さを感じることができたのだと読み終わって思いました。私も「ダサいものは嫌い」だったけど、今は子供にキャラものを着せるし、自分の服も楽なものばかり選んでいる。それを後悔はしないし、悪いことだとも思ってないけれど、昔の自分が見たら笑ってしまうだろうなとこの本を読んで思いました。最高に面白かったです。(ayaさん)
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