今年で18回目を迎える「2021年本屋大賞」の結果発表が4月14日に行われました。今年「いちばん!売りたい本」と全国書店員が選んだ大賞タイトルは、
町田そのこさん『52ヘルツのクジラたち』です!
おめでとうございます!
2021年本屋大賞ついに決定!大賞は町田そのこさん『52ヘルツのクジラたち』(中央公論社)
内容紹介
「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。
著者:町田そのこ(まちだ・そのこ)さんについて
1980年生まれ。福岡県在住。「カルメーンの青い魚」で、第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュ。他に『ぎょらん』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。
2021年本屋大賞2位 青山美智子さん『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)
内容紹介
人生に悩む5人が、意外なきっかけで訪れた町の小さな図書室で、不愛想だけどなぜだか聞き上手な司書さんに、それぞれの本音や願いを打ち明けます。話を聞いた司書さんは、風変りな選書と「可愛い付録」で相談者の背中を押してくれます。明日へのエネルギーが湧いてくる物語。
著者:青山美智子(あおやま・みちこ)さんについて
1970年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2021年本屋大賞3位 伊吹有喜さん『犬がいた季節』(双葉社)
内容紹介
1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く青春小説の傑作。
著者:伊吹有喜(いぶき・ゆき)さんについて
1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。
2021年本屋大賞4位 伊坂幸太郎さん『逆ソクラテス』(集英社)
内容紹介
敵は、先入観。世界をひっくり返せ!伊坂幸太郎史上、最高の読後感。デビュー20年目の真っ向勝負——。書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。
著者:伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)さんについて
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。
2021年本屋大賞5位 山本文緒さん『自転しながら公転する』(新潮社)
内容紹介
結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか?東京のアパレルで働いていた都は母親の看病のため茨城の実家に戻り、アウトレットのショップで店員として働き始めるが、職場ではセクハラなど問題続出、実家では両親共に体調を崩してしまい……。答えのない問いを生きる私たちのための傑作長篇。
著者:山本文緒(やまもと・ふみお)さんについて
1962年11月13日横浜生まれ。 神奈川大学卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。 99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞、 2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。
2021年本屋大賞6位 伊与原新さん『八月の銀の雪』(新潮社)
内容紹介
耳を澄ませていよう。地球の奥底で、大切な何かが静かに降り積もる音に——。不愛想で手際が悪い——。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた真の姿とは(「八月の銀の雪」)。会社を辞め、一人旅をしていた辰朗は、凧を揚げる初老の男に出会う。その父親が太平洋戦争に従軍した気象技術者だったことを知り……(「十万年の西風」)。科学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
著者:伊与原新(いよはら・しん)さんについて
1972年大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』で新田次郎賞を受賞した。著書に『磁極反転の日』『蝶が舞ったら謎のち晴れ——気象予報士・蝶子の推理——』『博物館のファントム 箕作教授の事件簿』『ブルーネス』『ルカの方舟』『梟のシエスタ』など。
2021年本屋大賞7位 凪良ゆうさん『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社)
内容紹介
「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか——。圧巻のラストに息を呑む。
著者:凪良ゆう(なぎら・ゆう)さんについて
小説「花丸」冬の号『恋するエゴイスト』(白泉社)でデビュー。『雨降りvega』(イラスト:麻々原 絵里依)、『365+1』(イラスト:湖水 きよ)などの作品を手がける。主にボーイズラブ系で活動。作品多数。主な作品に、『積木の恋』『未完成』『美しい彼』『ショートケーキの苺にはさわらないで』『おやすみなさい、また明日』『2119 9 29』『雨降りvega』など。『悩ましい彼 美しい彼3』がBLアワード2020 BEST小説部門第1位を獲得。『流浪の月』が2020年本屋大賞の大賞を受賞。
2021年本屋大賞8位 加藤シゲアキさん『オルタネート』(新潮社)
内容紹介
高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、3人の若者の運命が、鮮やかに加速していく——。恋とは、友情とは、家族とは、人と“繫がる”とは何か。悩み、傷つきながら、〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を端正かつエモーショナルに描く。
著者:加藤シゲアキ(かとう・しげあき)さんについて
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。同作は16年に映画化され、大ヒットした。以降『閃光スクランブル』『Burn.-バーン-』(以上、渋谷サーガ3部作)と年1作のペースで執筆を続ける。最新刊は『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』。NEWSのメンバーとして芸能界でも活躍の場を広げ、近年はドラマやバラエティ、情報番組などに出演し、アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。
2021年本屋大賞9位 宇佐見りんさん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)
内容紹介
逃避でも依存でもない、誰かを推すということ。アイドル上野真幸を推すことに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しがファンを殴り炎上し——。
著者:宇佐見りん(うさみ・りん)さんについて
1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生、21歳。2019年、『かか』で第56回文藝賞を受賞。2021年、『推し、燃ゆ』で第164回芥川賞受賞。
2021年本屋大賞10位 深緑野分さん『この本を盗む者は』(KADOKAWA)
内容紹介
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。本の呪いの発動、街の変化、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて。
著者:深緑野分(ふかみどり・のわき)さんについて
1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年に刊行した長編小説『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞7位、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』では第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞第3位、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補となった。
翻訳小説部門1位
発掘部門「超発掘本!」
本屋大賞(ほんやたいしょう)とは
「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。
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