こんにちは、ブクログ通信です。
今年で20回目を迎える本屋大賞!2023年ノミネート作品が発表されました!
今回の本屋大賞は、2021年12月1日から2022年11月30日までの間に刊行された日本の小説(判型問わずオリジナルの小説)が対象作です。全国の書店員が実際に読んで「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本の上位10作品が選ばれています。
現在、大賞を決める二次投票が始まっています。大賞の発表は4月上旬に行われます。大賞発表前に、各作品この機会に手にとってみてはいかがでしょうか?
2023年本屋大賞ノミネート作
寺地はるな『川のほとりに立つ者は』
小川哲『君のクイズ』
町田そのこ『宙ごはん』
青山美智子『月の立つ林で』
凪良ゆう『汝、星のごとく』
夕木春央『方舟』
結城真一郎『#真相をお話しします』
呉勝浩『爆弾』
一穂ミチ『光のとこにいてね』
安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』
寺地はるな『川のほとりに立つ者は』
内容紹介
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに——。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
著者:寺地はるな(てらち・はるな)さんについて
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。
小川哲『君のクイズ』
内容紹介
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり——。
著者:小川哲(おがわ・さとし)さんについて
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で 第3回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞しデビュー。『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『嘘と正典』がある。
町田そのこ『宙ごはん』
内容紹介
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった——。
著者:町田そのこ(まちだ・そのこ)さんについて
1980年生まれ。福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で、第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に『ぎょらん』『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。
青山美智子『月の立つ林で』
内容紹介
『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子さんが放つ、心震える傑作小説。似ているようで似ていない、新しい一日を懸命に生きるあなたへ。最後に仕掛けられた驚きの事実と、読後に気づく“見えない”繋がりに胸打たれる——。
著者:青山美智子(あおやま・みちこ)さんについて
1970年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務後、帰国。雑誌編集者を経て執筆活動に入り、2017年に『木曜日にはココアを』でデビュー。『お探し物は図書室まで』、『赤と青とエスキース』で本屋大賞第2位に選ばれる。今年で作家生活5周年を迎え、10作目となる『月の立つ林で』を刊行した。
凪良ゆう『汝、星のごとく』
内容紹介
その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
瀬戸内の島で育った高校生の暁海と、自由奔放な母に振り回され島に転校してきた櫂。互いに心に孤独と欠落を抱える二人は、惹かれ合い、すれ違い、成長してゆく——。
著者:凪良ゆう(なぎら・ゆう)さんについて
京都市在住。2007年に初著書が刊行されデビュー。BLジャンルでの代表作に21年に連続TVドラマ化された「美しい彼」シリーズなど多数。17年に『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。19年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は22年5月に実写映画が公開された。20年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。最新作の『汝、星のごとく』は約2年ぶりの長編となり、第168回直木賞候補、2022王様のブランチBOOK大賞、キノベス!2023第1位などに選ばれている。
夕木春央『方舟』
内容紹介
大学時代の友達と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築で夜を越す。だが翌朝、地震の発生で扉がふさがれ、さらに流水が。その矢先で起きた殺人。誰かを犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまで1週間、生贄にすべき殺人犯は見つかるのか?
著者:夕木春央(ゆうき・はるお)さんについて
2019年、「絞首商會の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。同年、改題した『絞首商會』でデビュー。近著に『サーカスから来た執達吏』『方舟』がある。
結城真一郎『#真相をお話しします』
内容紹介
家庭教師の派遣バイトをする大学生が、とある家族で見た”異変”とは。不妊の末ようやく子供を授かった夫婦の元に、「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る“娘”が現れて……?子供が4人しかいない島で、iPhoneを手に入れた僕らは「ゆーちゅーばー」になろうとするが——。現代日本の〈いま〉とミステリが融合した、珠玉の5篇!
著者:結城真一郎(ゆうき・しんいちろう)さんについて
1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、19年に同作でデビュー。20年『プロジェクト・インソムニア』を刊行。21年「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。22年、『救国ゲーム』が第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出。近刊は『#真相をお話しします』。
呉勝浩『爆弾』
内容紹介
ある傷害事件で「タゴサク」という中年男が逮捕された。住所不定で、酔っ払いにしか見えないタゴサクは、取り調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言。その直後、秋葉原の廃ビルが爆発した。動揺する警察をよそに、続けて「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と予言して——?
著者:呉勝浩(ご・かつひろ)さんについて
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞。2020年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞及び第73回日本推理作家協会賞を受賞。2021年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補作品になる。他の著作に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。
一穂ミチ『光のとこにいてね』
内容紹介
古びた団地の片隅で出会った”彼女”。彼女と私は、着るものから食べるもの、住む世界も何もかもが違う。でも何故か私は、彼女が笑うと嬉しく、彼女が泣けば悲しかった。彼女に惹かれてゆく私は、この一瞬の幸せが永遠になることを祈った。彼女でないと、なぜ私は幸せでないのだろう。
著者:一穂ミチ(いちほ・みち)さんについて
BLを主題とした作品を多数発表。2008年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場版アニメ化もされ話題の『イエスかノーか半分か』。2021年『スモールワールズ』に収録されている「ピクニック」が第74回日本推理作家協会賞短編部門候補作品、『スモールワールズ』で第165回直木賞候補になる。
安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』
内容紹介
幼い頃、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇した橘は、それ以来、深海の悪夢に苛まれてきた。ある日、上司の塩坪から音楽教室への潜入調査を命じられた橘。その目的は、「演奏権」侵害の証拠を掴むというもの。身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める橘だったが、次第に音楽を奏でる歓びを覚えてゆく。そんな中、法廷に立つ時間が迫り……。
著者:安壇美緒(あだん・みお)さんについて
1986年、北海道出身。早稲田大学第二文学部卒業。2017年『天龍院亜希子の日記』で第30回「小説すばる新人賞」を受賞する。2022年『ラブカは静かに弓を持つ』で、第6回「未来屋小説大賞」大賞を受賞する。
本屋大賞(ほんやたいしょう)とは
「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。