\2023年本屋大賞/大賞は凪良ゆうさん『汝、星のごとく』に決定!

こんにちは、ブクログ通信です。

今年で20回目を迎える「2023年本屋大賞」の結果発表が、4月12日に行われました。
今年「いちばん!売りたい本」と全国書店員が選んだ大賞タイトルは、

凪良ゆうさん『汝、星のごとく』です!

おめでとうございます!

その他のランキング順位は、以下でご紹介いたします。
各作品のレビューも掲載していますので、併せてチェックしてみてくださいね。

2023年本屋大賞作

凪良ゆう『汝、星のごとく』
安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』
一穂ミチ『光のとこにいてね』
呉勝浩『爆弾』
青山美智子『月の立つ林で』
小川哲『君のクイズ』
夕木春央『方舟』
町田そのこ『宙ごはん』
寺地はるな『川のほとりに立つ者は』
結城真一郎『#真相をお話しします』
クリス・ウィタカー『われら闇より天を見る』
ソン・ウォンピョン『プリズム』
キム・リゲット『グレイス・イヤー: 少女たちの聖域』
田辺聖子『おちくぼ姫』

大賞 凪良ゆう『汝、星のごとく』

汝、星のごとく
凪良ゆう『汝、星のごとく
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内容紹介

その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
瀬戸内の島で育った高校生の暁海と、自由奔放な母に振り回され島に転校してきた櫂。互いに心に孤独と欠落を抱える二人は、惹かれ合い、すれ違い、成長してゆく——。

凪良ゆうさんの作品一覧

櫂と曉美のどちらも好きなのにのすれ違いが起きてる感が非常にもどかしく感じ、最後は切ない。。。でも、櫂の病気がなければ2人は、一生、すれ違ったままだったんだな、と思い、病気に感謝すべきなのかなんなのか。。。サクサク読めてすごく面白かった!

きーうぇいさんのレビュー

2位 安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

ラブカは静かに弓を持つ
安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ
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内容紹介

幼い頃、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇した橘は、それ以来、深海の悪夢に苛まれてきた。ある日、上司の塩坪から音楽教室への潜入調査を命じられた橘。その目的は、「演奏権」侵害の証拠を掴むというもの。身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める橘だったが、次第に音楽を奏でる歓びを覚えてゆく。そんな中、法廷に立つ時間が迫り……。

安壇美緒さんの作品一覧

“音楽×スパイ”小説。この文字だけで期待値高めでしたが、とても良かった!主人公と先生、チェロ仲間との関係、深海魚ラブカ、チェロの音色、信頼…主人公の心情が丁寧に描かれていて辛い場面は、一緒に辛くなるし、楽しい場面は楽しくなった。音楽の著作権についてもなるほど〜と考えた。

ぱなさんのレビュー

3位 一穂ミチ『光のとこにいてね』

光のとこにいてね
一穂ミチ『光のとこにいてね
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内容紹介

古びた団地の片隅で出会った”彼女”。彼女と私は、着るものから食べるもの、住む世界も何もかもが違う。でも何故か私は、彼女が笑うと嬉しく、彼女が泣けば悲しかった。彼女に惹かれてゆく私は、この一瞬の幸せが永遠になることを祈った。彼女でないと、なぜ私は幸せでないのだろう。

一穂ミチさんの作品一覧

間違いなくいい本。読み手を引き込む試練と奇跡の展開。二人の周りの人を考えると(特に二人のできた夫),少し心痛む事もあるが、素直に心温まるラストです。

かっちんやまさんのレビュー

4位 呉勝浩『爆弾』

爆弾
呉勝浩『爆弾
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内容紹介

ある傷害事件で「タゴサク」という中年男が逮捕された。住所不定で、酔っ払いにしか見えないタゴサクは、取り調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言。その直後、秋葉原の廃ビルが爆発した。動揺する警察をよそに、続けて「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と予言して——?

呉勝浩さんの作品一覧

爆発を予知するスズキの語りに思わず引き込まれた。スズキの極論を聞いて登場人物それぞれに湧き上がる思いを読んでいるうち、自分自身も、普段は心の奥底に沈められている、偽善、無関心、諦念、欺瞞、利己、あらゆる醜い感情がえぐり出される。「爆発したって、べつによくないですか?」自分の気持ちがどこにあるのかわからなくなる。おもしろかった〜!

Lillyさんのレビュー

5位 青山美智子『月の立つ林で』

月の立つ林で (一般書)
青山美智子『月の立つ林で (一般書)
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内容紹介

『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子さんが放つ、心震える傑作小説。似ているようで似ていない、新しい一日を懸命に生きるあなたへ。最後に仕掛けられた驚きの事実と、読後に気づく“見えない”繋がりに胸打たれる——。

青山美智子さんの作品一覧

タケトリ・オキナのポッドキャスト「ツキない話」を聴いてること以外、共通点の無い登場人物達が、竹林のように、実は根っこで繋がり支え合っている。短編集のようで、みんなの繋がりが見え隠れするのが面白いし、中でも1番好き名場面は、頑固なバイク修理屋の高羽さんが雨の日に宅配ボックスから受け取った濡れてない荷物。「本田ぁお前どうやって運んできたんだよ」顔も見えない宅配業者から感じ取れる気遣いに心を打たれる場面。実はそれを運んだのは、宅配のバイトをしている、売れない芸人のポン。みんなの繋がりをもう一度見たくて、すぐに2巡目突入。面白かったし、泣けた。

逸遊日和さんのレビュー

6位 小川哲『君のクイズ』

君のクイズ
小川哲『君のクイズ
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内容紹介

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり——。

小川哲さんの作品一覧

不思議な偶然で出会った作家さん、店頭に向かうとずらっと並んでいて圧巻だった…即購入即読み、面白すぎる!!!いつも触れないジャンルだったけれどスイスイっと読めた

yamamiyaさんのレビュー

7位 夕木春央『方舟』

方舟
夕木春央『方舟
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内容紹介

大学時代の友達と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築で夜を越す。だが翌朝、地震の発生で扉がふさがれ、さらに流水が。その矢先で起きた殺人。誰かを犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまで1週間、生贄にすべき殺人犯は見つかるのか?

夕木春央さんの作品一覧

なるほど、本書は素晴らしい。あえて301頁という短い頁数にしたのも何度も読んで、その都度新しい発見をしてほしいからだろう(これは当方の考えすぎかもしれないが)。閉鎖空間に閉じ込められた人々が選択する手段とは何なのか。本書は一歩間違えばホラーになってしまうが、そこをミステリとして維持しているのは夕木の筆以外の何物でもない。ネタバレを踏む前に読んで欲しい傑作だ。

しんたさんのレビュー

8位 町田そのこ『宙ごはん』

宙ごはん
町田そのこ『宙ごはん
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内容紹介

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった——。

町田そのこさんの作品一覧

すごい作品を読めたと思いました。感謝です。宙を通して色々な人達がしっかり悩み妥協し解決していく、多分僕もそうしてきたし、これからもそうなるんだろうな、だけど笑っていたいと…思う とにかくいい作品でした! 好きな作家さんは「町田そのこ」さんです!って言える本になりました。

えぃじさんのレビュー

9位 寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

川のほとりに立つ者は
寺地はるな『川のほとりに立つ者は
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内容紹介

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに——。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

寺地はるなさんの作品一覧

静かにポツポツと感動があって、物語から離れたくなくなった。清瀬がいろんな事気付けたように私もそうだった。松木が、心が曲がらなくて良かった。品川さんも居場所ができて良かった。一人一人に救われた気がする。

hikaruさんのレビュー

10位 結城真一郎『#真相をお話しします』

#真相をお話しします
結城真一郎『#真相をお話しします
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内容紹介

家庭教師の派遣バイトをする大学生が、とある家族で見た”異変”とは。不妊の末ようやく子供を授かった夫婦の元に、「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る“娘”が現れて……?子供が4人しかいない島で、iPhoneを手に入れた僕らは「ゆーちゅーばー」になろうとするが——。現代日本の〈いま〉とミステリが融合した、珠玉の5篇!

結城真一郎さんの作品一覧

ちょっとした違和感の全てに意味がある。5つの短編のうち4つで殺人があるが、血なまぐささは感じない。どの作品も過不足ない描写で読みやすく、展開に驚かせたされた。最後の#拡散希望が一番好きかもしれない。

momoさんのレビュー

翻訳小説部門

1位 クリス・ウィタカー『われら闇より天を見る』

われら闇より天を見る
クリス・ウィタカー『われら闇より天を見る
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内容紹介

自称「無法者」の少女ダッチェスと、過去に囚われた警察署長ウォーク。彼女たちの町に、かつての事件の加害者ヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱しダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が起こり……?

クリス・ウィタカーさんの作品一覧

最初は主人公が可哀想でなかなかのれなかったが、途中からは一気に読んだ。素晴らしい作品で評価が高いのも頷ける。

持杉ドラ夫さんのレビュー

2位 ソン・ウォンピョン『プリズム』

プリズム
ソン・ウォンピョン『プリズム
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内容紹介

ひとつの恋が終わると、すぐに次の「愛する人」を見つけてしまうイェジン。「いい人」とよく言われるものの、他人と一定の距離を保つドウォン。離婚した元夫と、不毛な逢瀬を重ねつづけるジェイン。自らを危険人物とみなし、恋愛とは無縁な人生を歩んできたホゲ。同じ建物で働くイェジンとドウォンは、休憩時間に互いを知るようになり、ジェインのベーカリーでアルバイトをするホゲは、オフ会でイェジンと知り合った。偶然四人が出会ったとき、ドウォンとジェインが10年ぶりの再会を果たし……。

ソン・ウォンピョンさんの作品一覧

本作を読まれた方は、ぜひレビュー投稿をお願いいたします!

3位 キム・リゲット『グレイス・イヤー: 少女たちの聖域』

グレイス・イヤー: 少女たちの聖域
キム・リゲット『グレイス・イヤー: 少女たちの聖域
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内容紹介

ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説。

キム・リゲットさんの作品一覧

女には魔力が存在していると信じられていて、少女達は16歳になる男から結婚相手を選ばれ、1年間森の奥のキャンプに送り込まれる。現実社会における女性の生き辛さを描く寓話で、訳者あとがきでも言及されていたけど、確かに読んでいて想起したのは『侍女の物語』と『蝿の王』。間違ったシステムに抗う主人公の強さと、ラストで今まで見えていなかったものが見えるようになる世界への視野が広がる展開が好み。全くあらすじを読まずに借りてしまって、読み始めてからこれ自分はターゲット読者から外れてるなと気付いたのだけど、最終的には読んで良かった。

がらがらさんのレビュー

発掘部門「超発掘本!」

田辺聖子『おちくぼ姫』(角川文庫)

おちくぼ姫 (角川文庫)
田辺聖子『おちくぼ姫 (角川文庫)
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内容紹介

貴族のお姫さまなのに意地悪い継母に育てられ、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられている、おちくぼ姫と青年貴公子のラブ・ストーリー。千年も昔の日本で書かれた、王朝版シンデレラ物語。

田辺聖子さんの作品一覧

読みやすい本、ずっと手元に置いておきたい。シンデレラ好きだからこの本も当然好きになったし、平安時代ってこんな感じなんだ、と知れて嬉しい。私も大学卒業の袴の色を、この本参考にして選ぼうかしら、、。昔の人も今の人も、悩む事柄は対して変わらないというフレーズが気に入った。

いさんのレビュー


いかがでしたか?みなさんの予想は当たったでしょうか?まだ読んだことのない作品がありましたら、ぜひ手にとってみてくださいね。

本屋大賞オフィシャルページはこちらから

本屋大賞(ほんやたいしょう)とは

https://www.hontai.or.jp/

「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。

http://www.hontai.or.jp/about/index.html