\2025年本屋大賞/大賞は阿部暁子さん『カフネ』に決定!

こんにちは、ブクログ通信です。

今年で22回目を迎える「2025年本屋大賞」の結果発表が、4月9日に行われました。
今年「いちばん!売りたい本」と全国書店員が選んだ大賞タイトルは、

阿部暁子さん『カフネ』です!

おめでとうございます!

その他のランキング順位は、以下でご紹介いたします。
各作品のレビューも掲載していますので、併せてチェックしてみてくださいね。

阿部暁子『カフネ』
早見和真『アルプス席の母』
野崎まど『小説』
山口未桜『禁忌の子』
青山美智子『人魚が逃げた』
恩田陸『spring』
一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら』
朝井リョウ『生殖記』
金子玲介『死んだ山田と教室』
宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』
レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫』
クラフト・エヴィング商會『ないもの、あります』

2025年本屋大賞作

1位 阿部暁子『カフネ』

カフネ
阿部暁子『カフネ
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内容紹介

法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まってゆく。

著者:阿部暁子(あべ・あきこ)さんについて

岩手県生まれ。『陸の魚』で雑誌「Cobalt短編小説新人賞」に入選。『いつまでも』で2008年度「ロマン大賞」受賞。集英社オレンジ文庫に『鎌倉香房メモリーズ』シリーズ(全5冊)、『どこよりも遠い場所にいる君へ』コバルト文庫に『屋上ボーイズ』、ノベライズ『ストロボ・エッジ』『アオハライド』シリーズ、他の著書に『パラ・スター 〈Side 宝良〉』などがある。

阿部暁子さんの作品一覧

薫子さんが最初少し嫌いだったけど、読み終えた後はそのおせっかいさや優しさが、好きになってた。ラスト、電車の中なのにウルウルしながら読んでた。そしてお腹すいた笑

ぴよぴよさんのレビュー

2位 早見和真『アルプス席の母』

アルプス席の母
早見和真『アルプス席の母
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内容紹介

秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?

著者:早見和真(はやみ・かずまさ)さんについて

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

早見和真さんの作品一覧

子を持つ親として、親目線で描かれているのには感情移入してしまいました。ちょうどセンバツがTV放送されている時に読んだのでまたまた気持ちが。リアル感ある描き方に感動しました。高校野球ファンとしてステキな作品に出会えて嬉しかったです。

モコモコさんのレビュー

3位 野崎まど『小説』

小説
野崎まど『小説
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内容紹介

5歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。12歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしてゆく。しかし、その屋敷にはある秘密があった。

著者:野崎まど(のざき・まど)さんについて

1979年生まれ。2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』は第34回「日本SF大賞」や「大学読書人大賞」にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズは、2019年よりアニメが放送された。

野崎まどさんの作品一覧

本を読み続けているからといって高尚な人間になれるわけでもないしほとんどの人は何かになれるわけでもない。では私たちは何のために本を読むのか。本を読む者が何度も問い続けてきたこの疑問を読み解く物語。小説を題材にすると何となくこじんまりとした印象になりそうなものだか本作は壮大な一本の超大作映画を観たあとのようなしばらく席を立てなくなる余韻がある。全本読みにぶっ刺さる本だと思った。

munyanyanさんのレビュー

4位 山口未桜『禁忌の子』

禁忌の子
山口未桜『禁忌の子
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内容紹介

救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは——。

著者:山口未桜(やまぐち・みお)さんについて

1987年兵庫県生まれ。神戸大学卒業。現役医師として活躍する傍ら、執筆活動をする。2024年に『禁忌の子』で第34回「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。

山口未桜さんの作品一覧

救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体…この帯の文を見て、どんな展開が待ち受けているのだろう?と興味を惹かれる。ひとたび読んでみれば、先が気になりページを捲る手が止まらない。医療関連の専門用語が多くミステリーが久々な私でも読みやすく、なるほどこういう着地点なのかと一気に読めた。寝不足必至の作品。次回作もとても気になる。

maicocoaさんのレビュー

5位 青山美智子『人魚が逃げた』

人魚が逃げた
青山美智子『人魚が逃げた
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内容紹介

ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め——。そしてその「人魚騒動」の裏では、五人の男女が「人生の節目」を迎えていた。

著者:青山美智子(あおやま・みちこ)さんについて

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

青山美智子さんの作品一覧

読了後、ほわっと穏やかな風が包み込んでくれるような優しさがあった。同じ出来事でも視点を変えると様々な見え方があるんだなぁ。最後の3行にはっとさせられ、じわっと涙が出てしまった。人生をもっと楽しめるのかもしれないと前向きな気持ちにさせてくれた本でした。

saさんのレビュー

6位 恩田陸『spring』

spring
恩田陸『spring
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内容紹介

「俺は世界を戦慄せしめているか?」少年は8歳でバレエに出会い、15歳で海を渡った。一人の天才を巡る4つのspring。構想10年、待望のダンサー小説!

著者:恩田陸(おんだ・りく)さんについて

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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「蜂蜜と遠雷」では、音が文章から聴こえてくるという体験をした。そして今回本作では、バレエダンサーが文章の中で華麗に舞っていた。バレエには詳しくない。そんな私でも、踊る彼ら彼女らの姿を、思い浮かべざるをえない筆力。恩田陸さんは本当にすごい。芸術家や表現者の苦悩や努力、神に愛され抗えない運命を感じた。素晴らしい小説でした。

ankoさんのレビュー

7位 一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら』

恋とか愛とかやさしさなら
一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら
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内容紹介

プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしてゆく。

著者:一穂ミチ(いちほ・みち)さんについて

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が「直木賞」候補、「山田風太郎賞」候補に。同書収録の短編『ピクニック』は「日本推理作家協会賞」短編部門候補になる。その他著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』等がある。

一穂ミチさんの作品一覧

2編の構成で彼女サイド、彼氏サイドとなっていて後編の彼氏サイドが想像の斜め上のストーリーである意味斬新だった。自分が彼女と同じ立場だったらどう振る舞っていただろうか…なんて考えてしまう。

moeさんのレビュー

8位 朝井リョウ『生殖記』

生殖記
朝井リョウ『生殖記
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内容紹介

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。「体組成計を買うため」ではなく「寿命を効率よく消費するため」に。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積。

著者:朝井リョウ(あさい・りょう)さんについて

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

朝井リョウさんの作品一覧

今までに、深くて難しいジェンダーの事をこんな風に小説にできるのは、朝井リョウさんだから?
語りかけるような文章で、ユニークに進められる主人公の生き様が、時にコミカルに、時に真面目に書かれている。「ここまで、ついてこれてます?」と、朝井さんに話しかけられてるような気分だった。朝井さんが主人公で、バカリズムさんがナレーションで、映像化されたら、うれしい。

みーばさんのレビュー

9位 金子玲介『死んだ山田と教室』

死んだ山田と教室
金子玲介『死んだ山田と教室
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内容紹介

夏休みが終わる直前、二年E組の人気者・山田が飲酒運転に轢かれて死んだ。二学期初日の教室、悲しみに沈むクラス。すると、教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた——。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしく——。

著者:金子玲介(かねこ・れいすけ)さんについて

1993年神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業。2024年『死んだ山田と教室』で第65回「メフィスト賞」を受賞し、小説家デビュー。同年に第2作『死んだ石井の大群』と第3作『死んだ木村を上演』と刊行を続ける。

金子玲介さんの作品一覧

最初は山田はなんて慕われているんだろうと、ほのぼのしながら読んでいた。が、だんだんと切なくなってきた。人は自分の気持ちを人には言わない、人の気持ちのほんとうは人には分からないものなんだなと思いました。考えさせられる本でした。

しげさんのレビュー

10位 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』

成瀬は信じた道をいく
宮島未奈『成瀬は信じた道をいく
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内容紹介

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?

著者:宮島未奈(みやじま・みな)さんについて

1983年静岡県生まれ、滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒業。2018年、宮島ムー名義の『二位の君』で、第196回「コバルト短編小説新人賞」を受賞する。2021年『ありがとう西武大津店』で第20回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞、「読者賞」「友近賞」をトリプル受賞。同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』で、デビュー。

宮島未奈さんの作品一覧

成瀬と関わった人たち目線で物語が進みます。私たちが成瀬に対して抱く感情を代弁してもらいながら、それでも成瀬のように行きたいなぁと思わせられる瞬間が何度もありました。何になるかではなく、何をするかが大切という成瀬の言葉が胸に刺さって、印象的でした。今作の成瀬の方が、成瀬の良さが色々な視点から見られて面白かったです。

しもしもさんのレビュー

翻訳小説部門

1位 レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫』(上)

フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫 (上)
レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫 (上)
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内容紹介

20歳のヴァイオレットは、竜の騎手となるため軍事大学に入学する。だがそこは、入学者の大半が命を落とす危険な場所だった!そんな中彼女は、所属する【第四騎竜団/フォース・ウィング】の冷酷な団長ゼイデンに強く惹かれてゆくことに。

著者:レベッカ・ヤロスさんについて

アメリカ出身の作家。 2014年にデビュー。2023年に初のファンタジー作品『Fourth Wing』を発表し、世界的ベストセラーとなる。

レベッカ・ヤロスさんの作品一覧

ハリーポッターに次ぐヒットと聞いて読んでみました。次々と変わる場面、人との関係、竜や力を与えられる時の高揚…映画を観ているようで久しぶりにどハマりしたファンタジーです。素晴らしい、おすすめです。

ねこえみさんのレビュー

発掘部門/超発掘本!

クラフト・エヴィング商會『ないもの、あります』(ちくま文庫)

ないもの、あります (ちくま文庫)
クラフト・エヴィング商會『ないもの、あります (ちくま文庫)
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内容紹介

「転ばぬ先の杖」、「堪忍袋の緒」。こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、クラフト・エヴィング商會は、この世の様々なる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元にお届けします!

著者:クラフト・エヴィング商會(しょうかい)さんについて

グラフィック・デザイナー、著作家。吉田篤弘さんと吉田浩美さんの二人ユニット。装幀の仕事も数多く手がける。著書に『クラウド・コレクター雲をつかむような話』『すぐそこの遠い場所』『おかしな本棚』などがある。

クラフト・エヴィング商會さんの作品一覧

ないもの、あります。ないものは、いっぱいあるのだと、文章を読み感じさせてくれた。ことわざを言っているのではない、という言葉もあり、自分もないものから想像をふくらませたい。

syuulouさんのレビュー


本屋大賞(ほんやたいしょう)とは

「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。

https://www.hontai.or.jp/index.html