こんにちは、ブクログ通信です。
第168回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が行われ、芥川賞に井戸川射子さん『この世の喜びよ』、佐藤厚志さん『荒地の家族』(新潮2022年12月号)、直木賞に小川哲さん『地図と拳』、千早茜さん『しろがねの葉』が選ばれました!
芥川賞受賞作
井戸川射子『この世の喜びよ』
内容紹介
幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う——。表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。
著者:井戸川射子(いどがわ・いこ)さんについて
1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。本書で2021年、第43回野間文芸新人賞を受賞。他の著書に、『遠景』(思潮社)『する、されるユートピア』(青土社)『この世の喜びよ』(講談社)。
「2022年 『ここはとても速い川』 で使われていた紹介文から引用しています。」
佐藤厚志『荒地の家族』(新潮2022年12月号)
内容紹介
40歳の植木職人の坂井祐治は、あの災厄の2年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。
著者:佐藤厚志(さとう・あつし)さんについて
小説家。宮城県生まれ。東北学院大学文学部英文学科卒業。2017年、『蛇沼』で第49回「新潮新人賞」を受賞。2020年、『境界の円居(まどい)』で第3回「仙台短編文学賞」大賞。2021年、『象の皮膚』で第34回「三島由紀夫賞」候補。
参考リンク
直木賞受賞作
小川哲『地図と拳』
内容紹介
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
著者:小川哲(おがわ・さとし)さんについて
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で 第3回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞しデビュー。『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『嘘と正典』がある。
「2021年 『Voyage 想像見聞録』 で使われていた紹介文から引用しています。」
千早茜『しろがねの葉』
内容紹介
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女・ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されたウメは……。
著者:千早茜(ちはや・あかね)さんについて
1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。
「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」
参考リンク
受賞作と併せて、ノミネート作もチェックしてみてくださいね。