第160回芥川龍之介賞、直木三十五賞(2018年下半期)の選考会が1月16日に行われ、芥川賞に上田岳弘さん「ニムロッド」(『群像』2018年12月号)と町屋良平さん「1R1分34秒」(『新潮』2018年11月号掲載)の同時受賞、直木賞に真藤順丈さん『宝島』(講談社)が選ばれました!
【関連リンク】
第160回芥川賞・直木賞候補作が決定!候補作11タイトルと著者情報を一挙紹介![2018年12月17日]
第160回芥川賞受賞作(2作同時受賞)
芥川賞受賞作 上田岳弘さん「ニムロッド」(『群像』2018年12月号)
「ニムロッド」は1月26日に単行本化が決まっています!ぜひ刊行をお待ちくださいね。
内容紹介
システムエンジニアの中本は、社長の指示でビットコインを採掘する新規事業を任された。彼は、中絶と離婚のトラウマを抱える外資系証券会社勤務の恋人、田久保紀子と逢瀬を繰り返す。中本は業務に励むなか、会社の先輩ニムロッドから送られてくる「駄目な飛行機の歴史」の物語が記されたメールを読み続ける。あらゆるものが情報化する社会の中で、各個々人の生が露わになっていく―至りつくのはどこか?新時代の仮想通貨小説。
著者:上田岳弘(うえだ・たかひろ)さんについて
1979年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。2016年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。2018年、『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞(平成29年度)受賞。「惑星」、「異郷の友人」に続き「ニムロッド」は3度目の芥川賞候補作だった。
参考リンク
小説家・上田岳弘さんに聞く――文学✕テクノロジー✕シンギュラリティ(2018年1月25日)
上田岳弘さんインタビュー | BOOK SHORTS(2015年7月22日)
インタビュー 上田岳弘 | 日本経済新聞(2016年12月12日)
芥川賞受賞作 町屋良平さん「1R1分34秒」(『新潮』2018年11月号掲載)
「1R1分34秒」は2019年1月25日に単行本化が決まっております!
内容紹介
四回戦ボクサーの「ぼく」はデビュー戦をKOで勝利して以降、勝ち星がない。全てを考えすぎてしまう―当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。けれども変わり者のウメキチとの練習を通じて、心身、そして世界が変わる。
著者:町屋良平(まちや・りょうへい)さんについて
1983年東京都台東区生まれ。埼玉県立越ヶ谷高校卒。2016年『青が破れる』で第53回文藝賞受賞。2017年、同作で第30回三島賞候補。2018年、『しき』で第159回芥川龍之介賞候補、第40回野間文芸新人賞候補。本作が芥川賞2度目のノミネートだった。
参考リンク
第53回文藝賞受賞受賞作『青が破れる』刊行記念 町田康×町屋良平 特別対談(前編) | Web河出 [2016年11月28日]
第53回文藝賞受賞受賞作『青が破れる』刊行記念 町田康×町屋良平 特別対談(後編)& 試し読み | Web河出 [2016年12月1日]
第160回直木賞受賞作
真藤順丈さん『宝島』(講談社)
内容紹介
英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり―同じ夢に向かった。超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩!!
著者:真藤順丈(しんどう・じゅんじょう)さんについて
1977年、東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。著書にはほかに『バイブルDX』『畦と銃』『墓頭』などがある。土地の声から物語を紡ぐ稀有な作家として業界内で注目を浴び続け、最新刊『宝島』では五大紙と数々の文芸誌で絶賛を受け、第9回山田風太郎賞を受賞。本作が初の直木賞ノミネート。
参考リンク
4つの文学賞に入選、注目のデビューを果たした真藤順丈さん「作家の読書道」インタビュー | WEB本の雑誌/ブクログ通信(2018年8月1日)
「小説における語り」を探求し続ける稀代の物語作家が辿り着いた最高到達点 『宝島』 | カドブン (2018年8月9日)
あらためまして、受賞おめでとうございます!