第164回芥川龍之介賞・直木三十五賞(2020年下半期)の候補作が発表されました!受賞作を決める選考会は1月20日に東京で行われます。今回ノミネートされた話題の著者・候補作を一挙ご紹介いたします。
芥川賞候補作
宇佐見りんさん「推し、燃ゆ」(『文藝』秋季号掲載)
本作は9月10日に単行本化されています。
著者:宇佐見りん(うさみ・りん)さんについて
1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生、21歳。2019年、『かか』(河出書房新社)で第56回文藝賞、第33回三島由紀夫賞を受賞。芥川賞は初のノミネート。
尾崎世界観さん「母影(おもかげ)」(『新潮』12月号掲載)
『母影(おもかげ)』は1月29日に単行本化される予定です。
著者:尾崎世界観(おざき・せかいかん)さんについて
1984年生まれ。クリープハイプのボーカル・ギター担当で、作詞作曲、バンドのフロントマンも務める。2016年には半自伝的小説『祐介』(文藝春秋)を刊行し、小説家としてもデビュー。ほか、日記的エッセイ集『苦汁100%』『苦汁200%』(文藝春秋)を刊行している。2019年7月26日、雑誌「ダ・ヴィンチ」連載エッセイを元にした『泣きたくなるほど嬉しい日々に』(朝日新聞出版)を刊行。2020年には対談集『身のある話と、歯に詰まるワタシ』の刊行、(朝日新聞出版)『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(左右社)への寄稿などがある。芥川賞は初のノミネート。
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木崎みつ子さん「コンジュジ」(『すばる』11月号掲載)
『コンジュジ』は1月20日に単行本化される予定です。
著者:木崎みつ子(きざき・みつこ)さんについて
1990年大阪府生まれ。デビュー作「コンジュジ」が第44回すばる文学賞を受賞。芥川賞は初のノミネート。
砂川文次さん「小隊」(『文學界』9月号掲載)
著者:砂川文次(すなかわ・ぶんじ)さんについて
1990年生まれ。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、第121回文學界新人賞を「市街戦」で受賞。2018年、「戦場のレビヤタン」で第160回芥川賞候補になる。著書に両作を収録した『戦場のレビヤタン』(文藝春秋)、『臆病な都市』(講談社)がある。芥川賞は2度目のノミネート。
乗代雄介さん「旅する練習」(『群像』12月号掲載)
『旅する練習』は1月14日に単行本化される予定です。
著者:乗代雄介(のりしろ・ゆうすけ)さんについて
1986年、北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年、『十七八より』で第58回群像新人文学賞受賞。2018年、『本物の読書家』(講談社)で第40回野間文芸新人賞受賞。2020年、『最高の任務』(講談社)で第162回芥川賞候補。芥川賞は2度目のノミネート。
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直木賞候補作
芦沢央さん『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)
著者:芦沢央(あしざわ・よう)さんについて
1984年、東京生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』(KADOKAWA)で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。『罪の余白』は2015年に映画化された。その他代表作に、2016年版「週刊文春ミステリーベスト10」第7位、「このミステリーがすごい!」2017年版第5位、第38回吉川英治文学新人賞候補『許されようとは思いません』(新潮社)、そして第32回山本周五郎賞候補および本屋大賞ノミネート作となった『火のないところに煙は』(新潮社)など。ほかに、『カインは言わなかった』(文藝春秋)『僕の神さま』(KADOKAWA)などを刊行。直木賞は初のノミネート。
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伊与原新さん『八月の銀の雪』(新潮社)
著者:伊与原新(いよはら・しん)さんについて
1972年大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』(KADOKAWA)で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』(新潮社)で新田次郎賞を受賞した。著書に『磁極反転の日』(新潮社)『蝶が舞ったら謎のち晴れ――気象予報士・蝶子の推理――』(新潮社)『博物館のファントム 箕作教授の事件簿』(集英社)『ブルーネス』(文藝春秋)『ルカの方舟』(講談社)『梟のシエスタ』(光文社)など。直木賞は初のノミネート。
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加藤シゲアキさん『オルタネート』(新潮社)
著者:加藤シゲアキさんについて
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWSのメンバーとして活動するかたわら、2012年に『ピンクとグレー』(KADOKAWA)で作家デビュー。同作は2016年に映画化された。以降『閃光スクランブル』(KADOKAWA)『Burn.-バーン-』(KADOKAWA)『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』(扶桑社)『できることならスティードで』(朝日新聞出版)などを刊行。直木賞は初のノミネート。
西條奈加さん『心淋し川』(集英社)
著者:西條奈加(さいじょう・なか)さんについて
1964年、北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を受賞。15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『御師 弥五郎』『六花落々(りっかふるふる)』(以上祥伝社)、『猫の傀儡』(光文社)『わかれ縁』(文藝春秋)『心淋し川』(集英社)など多数。直木賞は初のノミネート。
坂上泉さん『インビジブル』(文藝春秋)
著者:坂上泉(さかがみ・いずみ)さんについて
1990年、兵庫県生まれ。東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻。会社勤めと並行して執筆を始め、2019年「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」で第26回松本清張賞を受賞。同作を改題した『へぼ侍』を刊行し、第9回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。直木賞は初のノミネート。
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長浦京さん『アンダードッグス』(KADOKAWA)
著者:長浦京(ながうら・きょう)さんについて
1967年埼玉県生まれ。法政大学経営学部卒業後、出版社勤務などを経て放送作家に。その後、難病指定の病にかかり闘病生活に入る。退院後に初めて書き上げた『赤刃』(講談社)で、第6回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2017年、デビュー二作目となる『リボルバー・リリー』(講談社)で第19回大藪春彦賞を受賞。他の作品に『マーダーズ』(講談社)がある。直木賞は初のノミネート。
発表が楽しみですね!気になる作品は、ぜひ今からチェックしておきましょう!