\第20回このミステリーがすごい!/大賞・受賞作発表!

こんにちは、ブクログ通信です。

第20回を迎えた「このミステリーがすごい!」の受賞作が発表されました!
受賞作には、以下の2作品が選ばれました。おめでとうございます!

「大賞」:南原詠さん『バーチャリティ・フォール(仮題)』
「文庫グランプリ」:鴨崎暖炉さん『館と密室(仮題)』

それに伴いまして、今回ブクログでは過去の大賞作を10選ご紹介いたします。
これを機に、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

「このミステリーがすごい!」過去大賞受賞作

第19回 新川帆立『元彼の遺言状』

内容紹介

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」との遺言を残し亡くなった、大手製薬会社の御曹司・森川栄治。森川と昔付き合った過去のある弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人に代わり、森川家の主催する「犯人選考会」に参加する。多額の財産の分け前を獲得するべく、依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する麗子。さらに麗子は、元カノとして軽井沢の屋敷を譲り受けることになるが、何者かが森川の遺書が盗み、栄治の顧問弁護士・町弁を殺害したようで——。

著者:新川帆立(しんかわ・ほたて)さんについて

アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身。ミステリー作家、弁護士、元プロ雀士。2021年『元彼の遺言状』で、第19回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞。2021年1月より弁護士を休職し、作家業に専念する。ボストンを経て現在はシカゴに在住している。

新川帆立さんの作品一覧

第17回 倉井眉介『怪物の木こり』

内容紹介

自分に不都合な人間を日常的に殺害してきたサイコパスな弁護士・二宮彰。ある日、仕事を終えて帰宅した二宮は、怪物マスクを被った男に突如斧で殺されかけた。その男に復讐することを誓う二宮だったが、ちょうど同じくして、頭部から脳味噌を持ち去る連続猟奇殺人のニュースが世間を騒がした。発端は、26年前に起きた「静岡児童連続誘拐殺人事件」で——。

著者:倉井眉介(くらい・まゆすけ)さんについて

1984年神奈川県生まれ。帝京大学文学部心理学科卒業。学生時代より社会心理学、発達心理学などに興味を持つ。2019年『怪物の木こり』で、第17回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞。

倉井眉介さんの作品一覧

第15回 岩木一麻『がん消滅の罠 完全寛解の謎』

内容紹介

呼吸器内科の夏目医師は生命保険会社勤務の友人から、かつて余命宣告をした肺腺がん患者が生前給付金を受け取った後も生存し、病巣も消え去っていると指摘される。同様の保険金支払いが続く状況下、不審に感じた夏目は同僚の羽島と調査に乗り出した。連続する奇妙ながん消失の謎とは一体……?

著者:岩木一麻(いわき・かずま)さんについて

1976年埼玉県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科分子集合科学専攻修了。2017年『がん消滅の罠 完全寛解の謎』で、第15回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞。国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事し、現在は医療系出版社に勤務する。

岩木一麻さんの作品一覧

第13回 降田天『女王はかえらない』

内容紹介

小学三年生のぼくのクラスには、スクール・カーストの頂点に立つ女王のマキがいた。だが、東京から転校してきた美少女・エリカの出現により、教室内のパワーバランスが崩れ、クラスメイトを巻き込む権力闘争が勃発してしまう。そして夏祭りの日に、衝撃的な事件が起こる——。張りめぐらされた伏線による、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。

著者:降田天(ふるた・てん)さんについて

小説家、推理作家。ペンネームの降田天は、萩野瑛と鮎川颯の二人による小説で用いられる名前のひとつ。その他に、鮎川はぎの、高瀬ゆのかの名義がある。早稲田大学の元同級生で、共同生活をしながら執筆活動を行っている。

降田天さんの作品一覧

第11回 安生正『生存者ゼロ』

内容紹介

北海道根室半島沖の石油掘削基地で、死体となった職員たちが発見される。それに伴い、政府から被害拡大の阻止を命じられた陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らだったが、北海道本島ではすでに同様の惨劇が起きているようで……。

著者:安生正(あんじょう・ただし)さんについて

1958年京都府生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業。建設会社勤務。2012年『生存者ゼロ』で、第11回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞。2013年に同作で作家デビューし、2014年に文庫化されると、わずか3ヶ月で発行部数55万部を突破するベストセラーとなった。

安生正さんの作品一覧

第9回 乾緑郎『完全なる首長竜の日』

内容紹介

植物状態になった患者と話ができる「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂で意識不明となった弟の浩市と対話を続けるが、自殺を図った理由についての回答は得られず月日は過ぎていた。弟の記憶を探る内に、淳美の周囲では不可思議な出来事が起こり始める——。

著者:乾緑郎(いぬい・ろくろう)さんについて

1971年東京都生まれ。小説家、劇作家、鍼灸師。漫画家。10代の頃から演劇を志し俳優活動を行う傍、小説も執筆し各文学賞に投稿する。36歳で鍼灸師の資格を修得し鍼灸師となる。また劇作家として脚本を手掛け、2008年、「SOLITUDE」が第14回「劇作家協会新人戯曲賞」の最終候補に残り、『優秀新人戯曲集2009』に収録された。2010年『完全なる首長竜の日』で、第9回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞する。

乾緑郎さんの作品一覧

第8回 中山七里『さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿』

内容紹介

玄太郎は、下半身不自由の「要介護」認定を受けながらも、不動産会社の社長を務めていた。だがある日、玄太郎の分譲した土地の建設中の家で死体が発見された。お上や権威が大嫌いなため、介護者・みち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出した玄太郎は、数々の難事件に挑むのだった。

著者:中山七里(なかやま・しちり)さんについて

1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で、第8回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞し、デビューを果たす。2020年に作家デビュー10周年を迎え、12ヶ月連続での新作刊行を達成した。

中山七里さんの作品一覧

第7回 柚月裕子『臨床真理』(角川文庫)

内容紹介

臨床心理士の佐久間美帆は、二十歳の青年・藤木司を担当することになった。同じ福祉施設で育った少女の自殺で心を閉ざす司だったが、根気強く向き合う美帆にある告白をする。それは、司の持つある能力から自殺した少女の死は他殺であると推測するものだった。信じられずも司の治療のため調査に乗り出した美帆は、警察官の友人・栗原久志の協力で福祉施設を探り始めるが……。

著者:柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)さんについて

1968年岩手県生まれ。2008年『臨床真理』で、「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞し、デビューを果たす。2013年『検事の本懐』で、第15回大藪春彦賞を受賞し、2016年『孤狼の血』では、第69回日本推理作家協会賞を受賞。丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、今もっとも注目されるミステリ作家の一人。

柚月裕子さんの作品一覧


このミステリーがすごい!とは

「このミステリーがすごい!」とは、ミステリー&エンターテインメントの分野で渾身の一作を世に問いたいという人や、自分の作品に関して書評家からアドバイスを受けてみたいという人を、インターネットを通して読者・書評家・編集者と結びつけるために作られた賞です。