こんにちは、ブクログ通信です。
書店員をはじめ、さまざまな職業のマンガを愛する方々が「今一番フレッシュなマンガ」を選ぶ「マンガ大賞2022」。その結果発表と授賞式が、3月28日に都内で行われました!今年で15回目を迎えています。
今年、栄えある大賞に輝いたのは……
うめざわしゅんさん『ダーウィン事変』でした!おめでとうございます。
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マンガ大賞2022大賞作
大賞 うめざわしゅん『ダーウィン事変』(アフタヌーンKC)
内容紹介
テロ組織の「動物解放同盟(ALA)」が、生物科学研究所を襲撃した。その際に、保護されたメスのチンパンジーが出産したが、生まれてきた子供は、半分ヒト・半分チンパンジーの「ヒューマンジー」だった!人間の両親に育てられた彼(チャーリー)は、高校に入学して頭脳明晰な陰キャ・ルーシーと出会い……?
本屋で1話だけの試し読みをした。一瞬で読み終えてしまった。即購入し、家で3巻まで一気読み。ここまで現実世界から漫画の世界に引きずり込まれたのはいつぶりだろう。漫画を読んででついスマホを触ってしまうなんてこともないくらいズブズブに浸かってしまった。チャーリーは何にも染まっていなくて、羨ましくなるくらいのヒューマンジー。
2位 藤本タツキ『ルックバック』(ジャンプコミックス)
内容紹介
クラスでお絵描き上手ともてはされ、自分の才能に自信を持つ藤野と、藤野より高い画力を持つ引きこもりの京本。そんな二人が、次第に漫画を通じて心を通わせてゆき——。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって……?
ジャンプ+でも読みましたが紙媒体でも欲しくて購入しました。藤本先生は画面の使い方、構図がとにかく素晴らしく、台詞の無いコマや後姿、ただの背景でも登場人物が今どんな状況でどんな心情でいるのかがヒシヒシと伝わってきて1本の映画を見ている様でした。「視覚的」表現力が圧倒的な作家さんだと思いました。チェンソーマンより読み易い作品だと思いますし一見の価値はあると思います。
3位 真造圭伍『ひらやすみ』(ビッグコミックス)
内容紹介
将来の不安を持たず、自由に生きる29歳のフリーター・生田ヒロトはある日、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえからタダで一戸建ての平屋を譲り受け、そこで18歳の従姉妹・なつみちゃんと2人暮らしを始めることに。彼の周りには、次第に様々な“悩み”を抱えた人々が集まってきて……?
アマゾンでこの漫画本とは全く別のものを検索していたのだが、この漫画を見つけた。興味を持ったので、近所の本屋さんあったら買ってみようと思い、外出ついでに本屋に寄ったら、あったのだ。平屋に住むことが憧れの一つであった私は2巻セットで購入した。人柄の良い主人公が、平屋で暮らす日常を描いている。悪い人があまり出てこないのも、気に入った。新巻が出るたびに、手にする作品に出会ったのである。続けて、2巻を読むことにする。買っておいてよかった。
4位 和山やま『女の園の星』(フィールコミックス)
内容紹介
とある女子校の教師・星先生の日常は、生徒たちの絵しりとりに翻弄されたり、教室で犬の世話をしたり、漫画家志望の生徒にアドバイスしたりと、実に賑やかだ。そんななんて事もない日常なのに、どうしてこうも笑えて愛おしいのであろうか!?
ほんわかして面白い。女子高にはこんな中性的なふわっとした先生が望ましいと思う。暑苦しく介入してくるのではなく、なんとなくふわりふわりと受け止め、受け流してくれる先生。筆者のインタビューを読んだことがあるが、柔道物語やWhat’sマイケルの小林まことのファンだという。思わぬ源泉に、なるほど、そうなのかーと。独特のリズム感から出る面白さにそのテイストを感じました。
5位 魚豊『チ。―地球の運動について―』(BIG SPIRITS COMICS)
内容紹介
舞台は、異端思想が火あぶりにされた15世紀のヨーロッパ。神童・ラファウは、飛び級で入学予定の大学で「神学」を専攻することを期待され、ラファウにとってもそれは当然の選択と思われていた。だがある日、ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」で……?
地動説を巡る歴史的スペクタクル。読んでみて、本当に面白いと思った。宗教や社会的枠組みと、何かを知りたいという知識への渇望。科学的態度とは何か、信仰とはなにか、常識とは何か、人に託すとは何か、人の生きる姿勢を問う作品。地動説に纏わるフィクションだが、リアリティのある物語に、感動を覚える。自分の世界観に捉われずに、真実を追求することの困難と勇気を描ききる。
6位 池上遼一『トリリオンゲーム』(ビッグコミックス)
内容紹介
1,000,000,000,000$稼いで、この世の全てを手に入れろ!世界一のワガママ男・ハルと真面目なガクの最強コンビが、ゼロから起業し、大企業を喰うミラクルを巻き起こす!
梨泰院クラスを観た時も思ったけど、トップへ駆け上がっていく起業家は、リスクの取り方がすごい。リスクをリスクとは思わない、ちょっとネジがぶっ飛んでいるのと、自分を信じて疑わないぶれない信念を持っている。とても真似できないけど、こういう漫画は読んでて気持ちいい。
7位 龍幸伸『ダンダダン』(ジャンプコミックス)
内容紹介
幽霊を信じる女子校生・綾瀬桃と、同級生で怪奇現象オタクのオカルト君。二人は互いに否定するUFOと怪異を信じさせるため、桃はUFOスポットの病院廃墟へ、オカルト君は心霊スポットのトンネルへ足を運ぶのだったが……?
面白い。ギャグとシリアス、ホラーやオカルトとセクシーのバランスがすごくバランスが良い。背景の描き込みもとても丁寧で、世界にグッと引き込まれる。続刊をすぐ読みたい。
8位 赤坂アカ『【推しの子】』(ヤングジャンプコミックス)
内容紹介
地方都市の産婦人科医・ゴローには、アイドルの星野アイという推しがいた。そんなある日、活動休止中のアイが双子を孕ってゴローの産婦人科にやって来た!アイの出産に立ち会うはずのゴローだったが、その直前、彼は命を落としてしまう。目を覚ますと、ゴローはアイの子供「星野愛久愛海」として生まれ変わってしまい……!?
テンポが良い!「推しが尊い」ことを振り切って描いてるのも潔い。でも「尊い」から全部OKで済ませないところがこの作品の良い点だろう。ネット社会に支配された現代社会も上手く描けているし、SNSの使い方や在り方を考えさせられる一面もある。
9位 たらちねジョン『海が走るエンドロール』(ボニータコミックス)
内容紹介
夫との死別を経験した65歳のうみ子は、数十年ぶりに映画館を訪れた。そこで映像専攻の美大生・海(カイ)と出会ったことをきっかけに、自分が「映画が撮りたい」側の人間だったと気づいたうみ子は、心を騒ぎ立てる波に誘われ、映画の海へとダイブするのだった——。
ブクログで紹介されていて、気になってたのに売り切れてた作品。今日本屋さんに入荷されてたので即買い!主人公のうみ子さんのやりたい事に突き進んで行く姿や、歳を気にして思ってもいない事言っちゃう気持ちとか、もう若くない私にはそうだよね!そうだよね!と、共感出来ちゃう所が多々あった。年齢的な事や色んな事情でやりたい事を諦めていた事、あると思う。そんな人に是非読んで貰いたい1冊だとおもいました。
10位 松虫あられ『自転車屋さんの高橋くん』(torch comics)
内容紹介
強引な年下ヤンキーと、人付き合い下手なアラサーOL。不器用なふたりのピュアラブストーリー!
最新刊まで一気読み!凪のお暇の凪ちゃんに似ている、他者に合わせることに重きをおくパン子。私も、母として社会人として生きていく上で、自分の言葉を何度のみこんできただろう。パン子程では無いけれど、パン子6〜7割で生きている気がする。そんなパン子を受け止めてくれる髙橋くんの言葉や行動に、私まで心が洗われました。
マンガ大賞とは
マンガ大賞実行委員会によって主催されるマンガ賞。「面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい!」で選ぶことをコンセプトにしている。発起人はニッポン放送アナウンサーの吉田尚記。2008年3月末に第1回マンガ大賞が発表され、今年で15回目を迎える。有志によるマンガ賞。マンガ大賞の選考対象は、その年の1月1日から12月31日に出版された単行本の内、最大巻数が8巻までの作品から、その年の一推し『マンガ大賞』を決定する。