\新書大賞2025発表!/大賞から上位10タイトルの内容と著者情報を一挙紹介!

こんにちはブクログ通信です。

今年で18回目を迎える「新書大賞2025」が決定しました!
「新書大賞」は、中央公論新社が主催する1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。

今回の「新書大賞2025」では、2023年12月~2024年11月に刊行された1100点以上の新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など新書に造詣の深い方々100人が投票した結果、

三宅香帆さん『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が大賞に輝きました!

それでは、上位10作品をご紹介してゆきます。話題の新書が目白押しですので、ぜひ手にとってみてください!

オフィシャルページはこちらから

新書大賞2025

三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
麻田雅文『日ソ戦争』
松沢裕作『歴史学はこう考える』
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
勅使川原真衣『働くということ 「能力主義」を超えて』
萬代悠『三井大坂両替店』
近藤絢子『就職氷河期世代』
今井むつみ『学力喪失』
梶原麻衣子『「”右翼”雑誌」の舞台裏』
岡野八代『ケアの倫理』

第1位 三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書 1212)
三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書 1212)
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内容紹介

「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか?自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作!

著者:三宅香帆(みやけ・かほ)さんについて

1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院博士前期課程修了(専門は萬葉集)。京都天狼院書店元店長。IT企業勤務を経て独立。著作に『人生を狂わす名著50』『妄想とツッコミでよむ万葉集』『妄想古文』『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない——自分の言葉でつくるオタク文章術』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』など多数。

三宅香帆さんの作品一覧

第2位 麻田雅文『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』

日ソ戦争 帝国日本最後の戦い (中公新書 2798)
麻田雅文『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い (中公新書 2798)
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内容紹介

日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。短期間ながら両軍の参加兵力は200万人を超え、玉音放送後にソ連軍が侵攻してくるなど、戦後を見据えた戦争でもあった。これまでソ連による中立条約破棄、非人道的な戦闘など断片的には知られてきたが、本書は新史料を駆使し、米国によるソ連への参戦要請から、満洲など各所での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。

著者:麻田雅文(あさだ・まさふみ)さんについて

1980年東京生まれ。2010年北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻スラブ社会文化論専修博士課程単位取得後退学。博士(学術)。専門は東アジア国際政治史。現在、岩手大学人文社会学部准教授。著書に『中東鉄道経営史—ロシアと「満洲」1896-1935』『シベリア出兵』『日露近代史』などがある。第8回「樫山純三賞」受賞。

麻田雅文さんの作品一覧

第3位 松沢裕作『歴史学はこう考える』

歴史学はこう考える (ちくま新書 1815)
松沢裕作『歴史学はこう考える (ちくま新書 1815)
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内容紹介

史料の山に埋もれ、ひたすら解読している?過去の出来事の是非を論争する?このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかしたいのは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。

著者:松沢裕作(まつざわ・ゆうさく)さんについて

1976年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。博士(文学)。東京大学史料編纂所助手・助教、専修大学経済学部准教授をへて、慶應義塾大学経済学部教授。専門は日本近代史、史学史。著書に『明治地方自治体制の起源』『重野安繹と久米邦武』『自由民権運動』『日本近代村落の起源』『日本近・現代史研究入門』などがある。

松沢裕作さんの作品一覧

第4位 渡邉雅子『論理的思考とは何か』

論理的思考とは何か (岩波新書 2036)
渡邉雅子『論理的思考とは何か (岩波新書 2036)
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内容紹介

論理的思考法は世界共通ではない。思考する目的をまず明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る。論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ、価値に紐付けられた4つの思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分ける、多元的思考を説く。不確実なこの世界で主体的に考えるための一冊。

著者:渡邉雅子(わたなべ・まさこ)さんについて

コロンビア大学大学院博士課程修了。Ph.D.(博士・社会学)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。主な著書に、『「論理的思考」の文化的基盤——4つの思考表現スタイル』『「論理的思考」の社会的構築——フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』『納得の構造——日米初等教育に見る思考表現のスタイル』等がある。

渡邉雅子さんの作品一覧

第5位 勅使川原真衣『働くということ 「能力主義」を超えて』

働くということ 「能力主義」を超えて (集英社新書 1219)
勅使川原真衣『働くということ 「能力主義」を超えて (集英社新書 1219)
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内容紹介

他者と働くということは、一体どういうことか?なぜわたしたちは「能力」が足りないのではと煽られ、自己責任感を抱かされるのか?教育社会学の知見をもとに、著者が経験した現場でのエピソードをちりばめながら、わたしたちに生きづらさをもたらす、人を「選び」「選ばれる」能力主義に疑問を呈す。

著者:勅使川原真衣(てしがわら・まい)さんについて

1982年横浜生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム勤務を経て独立。2017年に組織開発を専門とする「おのみず株式会社」を設立し、企業はもちろん、病院、学校などの組織開発を支援する。

勅使川原真衣さんの作品一覧

第6位 萬代悠『三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦』

三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦 (中公新書 2792)
萬代悠『三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦 (中公新書 2792)
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内容紹介

元禄四年に、三井高利が開設した三井大坂両替店。元の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして栄えた。本書は、三井に残された膨大な史料から信用調査の技術と、当時の法制度を利用した工夫を読み解く。そこで明らかになるのは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観だ。三井はいかにして日本初の民間銀行創業へとつながる繁栄を築いたのか。

著者:萬代悠(まんだい・ゆう)さんについて

1987年大阪府生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程文化歴史学専攻日本史学領域単位取得退学。博士(歴史学)。三井文庫研究員。

萬代悠さんの作品一覧

第7位 近藤絢子『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』

就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差 (中公新書 2825)
近藤絢子『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差 (中公新書 2825)
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内容紹介

バブル崩壊後の不況期に就職活動をせざるを得なかった「就職氷河期世代」。1993~2004年に高校、大学等を卒業した人々を就職氷河期世代と定義し、雇用形態や所得、格差などを統計データから明らかにする。データから見える現実、講じ得る支援策とは。

著者:近藤絢子(こんどう・あやこ)さんについて

1979年生まれ。2001年東京大学経済学部卒、2009年コロンビア大学大学院博士課程(経済学)修了。Ph.D.。大阪大学講師、法政大学准教授、横浜国立大学准教授を経て、2016年より東京大学社会科学研究所准教授。2020年4月より東京大学社会科学研究所教授。専門は労働経済学。2023年に日本学士院学術奨励賞受賞。共著に『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』等がある。

近藤絢子さんの作品一覧

第8位 今井むつみ『学力喪失 認知科学による回復への道筋』

学力喪失 認知科学による回復への道筋 (岩波新書 2034)
今井むつみ『学力喪失 認知科学による回復への道筋 (岩波新書 2034)
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内容紹介

乳幼児は驚異的な「学ぶ力」で言語を習得できる。しかし学校では多くの子どもたちが学力不振に陥り、学ぶ意欲を失ってしまう。なぜ子どもたちはもともと持っている「学ぶ力」を、学校で発揮できないのか。「生きた知識」を身につけるにはどうしたらよいのか。躓きの原因を認知科学が明らかにして、回復への希望をひらく。

著者:今井むつみ(いまい・むつみ)さんについて

慶應義塾大学環境情報学部教授。1994年ノースウエスタン大学心理学博士。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。学力不振で苦しむ子どもたちの学力困難の原因を見えるようにするツール(たつじんテスト)や学習補助教材の開発にも取り組んでいる。著書に、『言語の本質——ことばはどう生まれ、進化したか』『ことばの発達の謎を解く』『親子で育てる ことば力と思考力』『言葉をおぼえるしくみ——母語から外国語まで』『ことばの学習のパラドックス』『ことばと思考』『学びとは何か——〈探究人〉になるために』『英語独習法』『学力喪失』ほか多数。

今井むつみさんの作品一覧

第9位 梶原麻衣子『「”右翼”雑誌」の舞台裏』

「“右翼”雑誌」の舞台裏 (星海社新書)
梶原麻衣子『「“右翼”雑誌」の舞台裏 (星海社新書)
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内容紹介

現代日本を代表する二大保守雑誌『Hanada』『WiLL』の歴史は2004年、『週刊文春』黄金期の編集長・花田紀凱の『WiLL』創刊によって始まった。第二次安倍政権の有力な「応援団」として存在感を示し、政界にまで影響力を与える異例の雑誌はいかにして作られたのか。創刊直後から13年あまり編集部に所属した元編集者が、自らの体験に基づき舞台裏を明かすとともに、両誌が右派言論に、ひいては日本の言論界に与えた功罪を分析する。

著者:梶原麻衣子(かじわら・まいこ)さんについて

1980年埼玉県生まれ。埼玉県立坂戸高校、中央大学文学部史学科東洋史学専攻卒業。IT企業勤務後、月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経て現在はフリーの編集者・ライターとして活躍する。

梶原麻衣子さんの作品一覧

第10位 岡野八代『ケアの倫理 フェミニズムの政治思想』

ケアの倫理 フェミニズムの政治思想 (岩波新書 2001)
岡野八代『ケアの倫理 フェミニズムの政治思想 (岩波新書 2001)
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内容紹介

身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは、自身の経験を語る言葉を奪われ、言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた。男性の論理で構築された社会のなかで、女性たちが自らの言葉で、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を第一人者が詳説する。

著者:岡野八代(おかの・やよ)さんについて

同志社大学グローバルスタディーズ研究科教授。政治学、政治思想。著書に『法の政治学』『シティズンシップの政治学』『フェミニズムの政治学』『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』。共著に『憲法のポリティカ——哲学者と政治学者の対話』。訳書にアイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』、エヴァ・フェダー・キテイ『ケアの倫理からはじめる正義論』等がある。

岡野八代さんの作品一覧


新書大賞(しんしょたいしょう)とは

2008年に創設された中央公論新社が主催する新書に関する賞。1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。
https://www.chuko.co.jp/special/shinsho_award/