1月24日、『隣の家の少女』で知られる作家、ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)さんがガンで亡くなりました。71歳でした。ご冥福をお祈りします。
The Washington Post”Horror writer Jack Ketchum dead at 71″(2018年1月25日)
経歴:ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)さん 1946年11月10日-2018年1月24日)
ホラー作家として知られる。ボストンのエマーソン大学で英文学を専攻。卒業後は俳優、教師、営業、ライターなど様々な職業を経験するが、ヘンリー・ミラーの出版エージェントをしていたことはよく知られている。1981年『オフシーズン』で作家デビュー。1994年”The Box”で、ブラム・ストーカー賞短編賞を受賞して以来、多くの受賞歴がある。2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞。
代表作:『隣の家の少女』
60年代にアメリカで起きた実在の「シルヴィア・ライケンス事件」を元にした作品。少年は、隣の家に引っ越してきた少女と仲良くなりますが、その少女が理不尽な暴力を受けることを知ります。そして少年は、狂気と暴力が地下室で行われていくのを、ただ眺めるだけ─。スティーブン・キングさんも絶賛し、映画化もされた作品です。
ただし、当然読み手を選びます。読んでいて気分が悪くなる人もいるでしょう。ケッチャムさんはお構いなしに、人に内在する悪の可能性を描き、それが私たちの日常と地続きであることを示しているかもしれません。露悪的な暴力ポルノと捉えるか、モダンホラーと考えるかは、読み手にゆだねられることでしょう。いずれにせよ極端な評価が生まれるほどに突き抜けた作品で、後世に残る一作であることは疑いえません。
映画はDVD化され、購入可能です。映画は小説より表現がマイルドだ、という評も。上記の本が怖くてためらう方は、映画から入るのもいいかもしれません。
ケッチャムさんの作品は読み手を選ぶのでしょうが、それぞれの読み手から然るべき評価を受ける日が続くことを願っています。
参考リンク
ジャック・ケッチャムさん公式ホームページ “jackketchum.net”
ジャック・ケッチャムさん公式Twitter