第90回アカデミー賞が発表されました!
日本人の辻一弘さんが、「ウィストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」の特殊メイクで、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したことが大きく報じられていますね。メイクアップ部門では日本人初とのこと(残念ながら辻一弘さんに関わる書籍は、現時点で発売が確認されていません)。
日本人受賞のニュースもめでたいことですが、その傍らで―最多13部門でノミネートされていたギレルモ・デル・トロさんの監督作「シェイプ・オブ・ウォーター」が作品賞・美術賞・作曲賞・監督賞の4冠に輝きました!
第90回 #アカデミー賞:監督賞 『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ #HIHOnews pic.twitter.com/qfTVLgY1Nf
— 映画秘宝 (@eigahiho) 2018年3月5日
冷戦時代のアメリカで、政府の研究施設に掃除婦として勤めるイライザ。声を出すことができない彼女の、規則正しく、変わることのない、孤独な日々。そんな彼女が機密扱いの「実験」に気づく。そこで出会ったのは、南米で捕獲された、半魚人にも似た奇妙な生き物。イライザは、その生き物と言葉を介さず、交流し始める―。
「シェイプ・オブ・ウォーター」は、第90回アカデミー賞では最多13部門にノミネート。第75回ゴールデングローブ賞でも最多の7部門にノミネートされ、うち監督賞・作曲賞の2部門で受賞しています。他にもベネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞。英国アカデミー賞でも最多の12部門ノミネートなど、多くの賞を席巻しています。
今回、「シェイプ・オブ・ウォーター」をより良く知るための本をご紹介します。
映画で描かれなかった登場人物達の内面―文庫版『シェイプ・オブ・ウォーター』
映画「シェイプ・オブ・ウォーター」は一つの作品として完結していますが、この文庫版『シェイプ・オブ・ウォーター』は登場人物の内面や背後関係が繊細に描かれており、映画を観たかたでもより楽しめ、理解を促進させるような小説になっています。
主人公イライザや、敵役にあたる研究施設の警備主任ストリックランドの過去。印象的なラストシーンにおける、各登場人物それぞれの想い。この小説を読んだあと、映画をもう一度観たくなってしまいます。
「シェイプ・オブ・ウォーター」の作品世界に迫るー美麗なメイキング本
デザインから撮影、音楽に至るまで、『シェイプ・オブ・ウォーター』のフィルムメイキング全過程を記している素晴らしい本です。
アカデミー賞&ゴールデングローブ賞を勝ち取ることに貢献した、多くのスタッフへの取材も行っています。アレクサンドル・デスプラさんが手がけた豊かな音楽と、インタビュー。更には、ガイ・デイヴィスさんが手がけたコンセプトアート、マイク・ヒルさんによるフィギュア、プロダクション・デザインを担当したポール・デナム・オースタベリーさん、衣装デザインを担当したルイス・セケイラさんらの紹介とインタビュー。などなど、多くの関係者に迫っています。
さらに、映画で語られていない登場人物の来歴を、デル・トロさん本人が語っているのも必見です。映画ネタバレも含んでいるので、既に映画を観たかたにおすすめの一冊かもしれません。一度映画を観ただけでは気付くことのない、細かな描写も網羅されています。3000部限定の本なので、早めの入手が望まれます。プレミアム価格がついてしまう前に、ぜひ。
怪物的な存在への偏愛―ギレルモ・デル・トロさん本人を知る本
ギレルモ・デル・トロさんの住処「荒涼館」に蒐集された、古今東西の奇妙奇天烈な物品たち。それらを公開した特別展 “At Home with Monsters” が海外の美術館で開催されていました。この本は、その展覧会の公式ガイドブック翻訳版となっています。日本での開催予定はいまのところありません。こちらも3000部限定。ぜひ早めに入手を。
ギレルモ・デル・トロさんの過去の映画作品も、この機会にぜひご覧くださいね。