第22回手塚治虫文化賞最終候補10作品が決定!一挙紹介!

2018手塚賞候補作一覧紹介

朝日新聞社主催、第22回手塚治虫文化賞のマンガ大賞最終候補作品が発表されました!結果は4月下旬に朝日新聞紙面で発表され、6月7日に東京・浜離宮朝日ホールにおいて贈呈式が行われる予定です。

手塚治虫文化賞とは

日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念し、手塚氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設しました。

手塚治虫文化賞公式サイト

昨年刊行された単行本(シリーズ作品も含む)が対象です。書店員、マンガ関係者による推薦を参考に、8人の社外選考委員がポイント投票 (持ち点15点、最高5点は1作品のみに配点可)で上位10作品を選びました。以下、最終候補作品を紹介いたします。

第22回手塚治虫文化賞候補作

Ark Performanceさん『蒼き鋼のアルペジオ』(既刊 15巻、少年画報社)

手塚賞候補『蒼き鋼のアルベジオ』
手塚賞候補『蒼き鋼のアルベジオ』

突然、世界各地に「霧の艦隊」と言われる謎の超兵器を搭載した戦艦群が出現。人類はその艦隊になす術無く敗戦し、海上に出る事が出来なくなった……
その海戦から17年後、何故か「霧」の潜水艦イ401に乗り込んだ千早群像とその仲間達は、イ401の人体化(メンタルモデル)のイオナと共に、霧の艦隊に戦いを挑む……

少女たちが世界を滅ぼす。テレビアニメ・劇場アニメ化もされた人気作。

著者:Ark Performanceさんについて

石川考一さんがストーリーを、光吉賢司さんが作画を分担する共同筆名。光吉さん(壱号)と石川さん(弐号)の2人以外に共同作業する者がおり、その時々で異なる。公式ブログによれば、現在5人(2018年2月27日時点)。

参考リンク

Ark-Performance公式ブログ「Ark-Performanceて、最近どうなのよ?」

Twitter「Ark-Performance(壱号)」公式アカウント

Twitter「ArkPerformance(弐号)」公式アカウント

田中圭一さん『うつヌケ』(KADOKAWA)

手塚賞候補『うつヌケ』
手塚賞候補『うつヌケ』

パロディマンガの巨星がマジに描いた、明日は我が身のうつ病脱出コミック!著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!

「ユーキャン新語・流行語大賞2017」にもノミネートされた『うつヌケ』が手塚賞候補にもノミネート。

著者:田中圭一さんについて

1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の1983年小池一男劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌1984年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。1986年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。パロディを主に題材とした同人誌も創作。漫画家と兼任で、京都精華大学准教授を務める。

田中圭一さんの作品一覧

参考リンク

田中圭一さんTwitter「はぁとふる売国奴 LINE@はじめました!」

田中圭一さんInstagram

田辺剛さん『狂気の山脈にて』(文藝春秋)

手塚賞候補『狂気の山脈にて』
手塚賞候補『狂気の山脈にて』

ホラー小説界の巨星ラヴクラフト、その「コズミック・ホラー」のすべてが込められた生涯最大にして最恐の名作『狂気の山脈にて』。ハリウッド・メジャーが何度も映画化を望みながら、実現することができていない世紀の傑作を、「魔犬」「異世界の色彩」「闇に這う者」と、ラヴクラフト描きとして最高の評価を受ける絵師が、待望のコミカライズ!

田辺さんの書き込みと登場人物の描写は、大変ラヴクラフトの世界観とマッチしています。ラヴフラクト入門としてもオススメの作品です。

著者:田辺剛さんについて

1975年、東京都生まれ。2001年デビュー。受賞暦として2001年に『砂吉』で「アフタヌーン四季賞 準入選」、2002年『二十六人の男と一人の少女』で第4回エンターブレインえんため大賞佳作、2017年「異世界の色彩 ラヴクラフト傑作集」で文化庁メディア芸術祭第20回審査委員会推薦作品。

田辺剛さんの作品一覧

野田サトルさん『ゴールデンカムイ』(既刊12巻、集英社)

手塚賞候補『ゴールデンカムイ』
手塚賞候補『ゴールデンカムイ』

著者:野田サトルさんについて

2003年に読切「恭子さんの凶という今日」でデビュー。2006年読切「ゴーリーは前しか向かない」で第54回ちばてつや賞ヤング部門大賞受賞。2014年から連載開始した本作『ゴールデンカムイ』は2015年度「コミックナタリー大賞」第2位、「このマンガがすごい! 2016」(宝島社)オトコ編第2位、「マンガ大賞2016」大賞受賞など各方面から高く評価されてきた。

野田サトルさんの作品一覧

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野田サトルさん公式Twitter

「野田サトルのブログ」

おざわゆきさん『傘寿まり子』(講談社)

手塚賞候補『傘寿まり子』
手塚賞候補『傘寿まり子』

ベテラン作家の幸田まり子は自分の家で息子夫婦、孫夫婦との間で住居問題が勃発。老人の自分には居場所がないことを感じ一人家出を決意。街中のネットカフェで暮らし始めるが……?

80歳の主人公が直面する高齢者問題。やがて先鋭化してくる社会問題をコミカルに描く本作は、多くのメディアで話題になっていました。

著者:おざわゆきさんについて

1964年生まれ、愛知県名古屋市出身。少女漫画誌「ぶ〜け」でデビュー。2012年、父のシベリア抑留体験を元にした『凍りの掌 シベリア抑留記』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。2015年、『凍りの掌 シベリア抑留記』と母の戦争体験を元にした『あとかたの街』で第44回日本漫画家協会大賞受賞。本作『傘寿まり子』で「このマンガがすごい!2018」オンナ編6位。

おざわゆきさんの作品一覧

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おざわゆきさんTwitter

鳥飼茜さん『先生の白い嘘』(講談社)

手塚賞候補『先生の白い嘘』
手塚賞候補『先生の白い嘘』

原美鈴は24歳の高校教師。生徒を教師の高みから観察する平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者、早藤の登場により揺らぎ始める。二人の間に、いったい何があったのか?―男と女の間に横たわる性の不平等をえぐる問題作、登場!

「女の叫び」をあらわにするかのような衝撃的内容。問題提起を促す作品です。

著者:鳥飼茜さんについて

1981年生まれ、大阪府出身。2004年、「別冊少女フレンドDXジュリエット」でデビュー。2010年、初連載作の『おはようおかえり』で「このマンガがすごい!2014」オンナ編第9位。2015年、『おんなのいえ』で「第39回講談社漫画賞」一般部門ノミネート。

鳥飼茜さんの作品一覧

石黒正数さん『それでも町は廻っている』(全16巻、少年画報社)

手塚賞候補『それでも町は廻っている』
手塚賞候補『それでも町は廻っている』

女子高生、嵐山歩鳥は商店街の喫茶店「シーサイド」でウェイトレスのバイトに明け暮れる。ある日マスターの磯端ウキが、メイド喫茶に改装すると宣言。メイド喫茶が何なのか分からないまま、歩鳥はメイド服を着せられて─。主人公たちの面白おかしい日常の出来事が描かれる、コメディ。

2005年から2016年までの長期連載で、第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2010年にテレビアニメ化もされた実力作です。

著者:石黒正数さんについて

1977年生まれ、福井県福井市出身。2000年、「ヒーロー」でアフタヌーン四季賞秋の四季賞を受賞しデビューに至る。第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した、本作が代表作。ほか、『木曜日のフルット』『外天楼』や、作品集『ポジティブ先生』などの著作がある。『月刊アフタヌーン』にて新連載「天国大魔境」を開始。

石黒正数さんの作品一覧

参考リンク

石黒正数さん公式Twitter

石黒正数さん公式ホームページ「おかんの家4」

石塚真一さん『BLUE GIANT』(全10巻、小学館)

手塚賞候補『BLUE GIANT』
手塚賞候補『BLUE GIANT』

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」。努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。

マンガ大賞2016で第3位、2017年には第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した名作です。

著者:石塚真一さんについて

1971年生まれ、茨城県出身。2001年、『This First Step』で第49回小学館新人コミック大賞一般部門に入選。ロッククライミングの体験から描いた『岳 みんなの山』で、2008年に第1回マンガ大賞、2009年に第54回小学館漫画賞一般向け部門、2012年第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。現在は『ビッグコミックオリジナル』で『北狼 ラストハンター』、『ビッグコミックオリジナル増刊』で『そんでよし!』を執筆中。

石塚真一さんの作品一覧

参考リンク

ぽけまん「石塚真一」

作:LF・ボレさん、画:フィリップ・ニクルーさん『MATSUMOTO』(原正人さん訳、G-NOVELS/誠文堂新光社)

手塚賞候補『MATSUMOTO』
手塚賞候補『MATSUMOTO』

日本のマンガ界が真剣に対峙することを避け続けた「日本犯罪史上最悪の凶悪事件」を、フランス人の作家がバンド・デシネ作品として描き出した!事実に着想を得、かつて実在した宗教団体のテロ事件をめぐる真実の物語、その衝撃の問題作が遂に邦訳化!

日本犯罪史上、最大最悪のテロ事件が漫画化。翻訳を介して、その恐るべき内容が読者に突きつけられます。

作:LF・ボレさんについて

1967年オルレアン生まれ。本名はロラン=フレデリック・ボレ。 BD(バンド・デシネ)の原作者でジャーナリスト。 近代オーストラリアの誕生を語った『テラ・アウストラリス(南方大陸)』(Terra Australis)が、 批評家たちから高く評価されアメリゴ・ヴェスプッチ文学賞を受賞。『デッドライン』(Deadline)、『XIIIミステリー』(XIII Mystery)など、40冊以上の単行本を刊行している。

翻訳:原正人さんについて

1974年、静岡県生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士前期課程修了。BD(バンド・デシネ)翻訳者。訳書にニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』(飛鳥新社)、ホドロフスキー&メビウス『アンカル』(小学館集英社プロダクション)など。

参考リンク

原正人さんTwitter

原正人さんブログ「BDな日々」

原作:白井カイウさん、作画:出水ぽすかさん『約束のネバーランド』(既刊7巻、集英社)

手塚賞候補『約束のネバーランド』
手塚賞候補『約束のネバーランド』

母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。エマ・ノーマン・レイの三人はこの小さな孤児院で幸せな毎日を送っていた。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた。真実を知った彼らを待つ運命とは…!?

第3回次にくるマンガ大賞コミックス部門2位、『このマンガがすごい! 2018』オトコ版1位、第63回小学館漫画賞少年向け部門、「マンガ新聞大賞2017」大賞、「漫道コバヤシ漫画大賞2017」グランプリなど受賞歴多数。各所で話題の人気作、堂々の手塚賞選出です。

作画:出水ぽすかさんについて

1988年生まれ。2016年11月、『出水ぽすかアートブック ポ~ン』(パイインターナショナル)を出版。漫画家として、イラストレーターとして様々な仕事に関わる。2012年に「グリコ ポッキークリエイターズ」イラスト部門優秀賞受賞。

出水ぽすかさんの作品一覧

原作:白井カイウさんについて

出生年などは非公表。2015年『少年ジャンプ+』に読切作「アシュリー=ゲートの行方」(作画Rickeyさん)原作を担当、デビュー作となる。2016年、出水ぽすかさんと二作目の読切作品となる「ポピィの願い」を『少年ジャンプ+』に発表。

参考リンク

出水ぽすかさんTwitter

出水ぽすかさん公式サイト「ぽすかのくさむら」