こんにちは、ブクログ通信です。
本に関係しているさまざまなニュースや社会現象をふりかえってみたいと思います。前回の記事「2018年をふりかえる!本にまつわる10大・重大ニュース 上半期編」に続いて、今回は2018年下半期編をお送りします!
2018年7月 映画「カメラを止めるな!」話題沸騰
2018年6月23日に映画公開されました。公開当初の上映館数はたった2館でしたが、7月に入ってから映画を観た人たちの口コミが口コミを呼びました。7月25日にアスミック・エースとの共同配給になることで全国公開が決定。40館、100館と公開館数を増やし、数ヶ月にわたるロングラン上映になり、興行収入30億を突破。究極の低予算映画が全国的大ヒット映画に大化けし、いまなお話題をふりまいています。
12月5日に「カメラを止めるな!」映画DVDが発売されましたが、ファンブックも同時に発行されています。映画をより楽しむための一冊、ぜひご覧ください。
2018年7月 「平成30年7月豪雨」
台風7号と梅雨前線などの影響で、西日本を中心にとした集中豪雨が起こりました。河川氾濫、浸水、土砂災害が多数発生し、200人を超える死者が発生。「平成最悪の水害」と呼ばれるほどの大災害となりました。災害名称「平成30年7月豪雨」は、7月9日に気象庁によって命名されたものです。「西日本豪雨」と呼ばれることもあります。
西日本の書店にも影響がありました。本の入荷が一時的に途絶えるだけでなく、被災した書店の休業も相次ぎました。9月11日発表の「書店被災状況」(日本出版取次協会)では、書店の生々しい被災状況が報告されています。岡山県倉敷市の宮脇書店真備店は今なお休業中です。災害の恐ろしさを伝える写真集も複数発売されました。
2018年7月18日 第159回芥川賞・直木賞発表
7月18日、第159回(2017年度下半期)芥川賞・直木賞が発表されました。芥川賞は高橋弘希さん『送り火』が、そして直木賞は島本理生さん『ファーストラヴ』が受賞しました。
高橋さんは2014年に『指の骨』で新潮新人賞を受賞したデビュー作がいきなり芥川賞候補になって以来、4度目のノミネートで受賞を果たしました。島本さんは過去、芥川賞に4回、直木賞に今回を含め2回ノミネートされており、今回満を持しての受賞となりました。
2018年8月15日 さくらももこさん逝去
8月15日20時29分、さくらももこさんが乳がんのため逝去されました。8月27日に死去が発表され、日本中が大きな悲しみに包まれました。
訃報を受けて、さくらさんの作品の売り切れが相次ぐ(朝日新聞)ことになり、「人気エッセイ文庫版が初TOP10入り 漫画に次ぎ著書売上が増加」(オリコンニュース)しました。今は売れ行きも落ち着いてきているので、書店でも手に取ることができます。年末年始の読み物にいかがでしょう。
第13回講談社漫画賞少女部門を受賞し、アニメ化されお茶の間に親しまれた国民的漫画『ちびまる子ちゃん』は、12月25日にシリーズ最終巻が発売されます。誕生25周年記念で描いた第1話のセルフリメイクなど、単行本未収録の全7話を収録。こちらもぜひ手にとってみてくださいね。
2018年9月6日 北海道胆振東部地震
9月6日3時7分、北海道胆振地方中東部を震源に大地震が起こりました。地震の規模はマグニチュード6.7、震源の深さは37kmで、最大震度7が北海道で初めて観測された地震となります。苫東厚真発電所が緊急停止し大規模な停電が起きただけでなく、広範囲で大規模な土砂崩れが発生。死者41人、負傷者749人という大きな被害が生じました。やはり書店も被害を受け、休業する店舗が相次ぎました(新文化「北海道で震度7の地震、書店に被害」)。
2018年は大きな災害が相次いだせいで、「2018年 今年の漢字は『災』に決まる」(オリコンニュース)という12月12日の発表があったように、毎年恒例の行事でも災害が強調されることになりました。
2018年9月16日 安室奈美恵さん引退
40歳の誕生日を迎えた2017年9月20日、安室奈美恵さんが公式サイトにて2018年9月16日をもって芸能界を引退することを発表。9月15日に引退前日のラストライブが披露された翌日、9月16日に安室さんが引退しました。「第51回オリコン年間ランキング 2018」によれば、音楽ソフト総売上「アーティストトータルセールス」で総合1位を獲得。「年間DVDランキング」「年間BDランキング」においても、DVD/Blu-rayソフト「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」が双方1位。2種あわせて175.7万枚の売上で、有終の美を飾りました。
引退までの数ヶ月、安室さんは多くの女性誌の表紙を飾っています。9月12日発売のファッション雑誌『sweet』10月号が安室さんによる女性誌表紙発売、ラストになりました。
2018年10月1日 ノーベル賞生理学・医学賞を本庶佑さんが受賞
2018年ノーベル生理学・医学賞は本庶佑(ほんじょ たすく)さんとジェームズ・P・アリソン(James P Allison)さんが連名で受賞しました。受賞理由は、「免疫制御の分子の発見とがん治療への応用」。病気から進退を守る仕組みとなる免疫を利用し、新しいがん治療法の実用化に道を開きました。「本庶さん、和服でノーベル賞授賞式」(東京新聞)という様子も報じられています。
この受賞を受けて、本庶さんの著書『ゲノムが語る生命像』が多くの書店に並びました。生命科学/分子生物学の入門書として内容が優れており、ブクログでもユーザーレビューで高い評価を受けています。
2018年11月12日 大谷翔平さん、メジャーリーグ新人王に輝く
11月12日(日本時間13日)、米メジャーリーグの「ア・リーグ新人王」に、投打二刀流で活躍したエンゼルスの大谷翔平さんが選ばれました。日本人選手ではイチロー以来17年ぶり4人目の快挙!3月29日に開幕戦でメジャーリーグ初打席初球初安打、4月1日にメジャーリーグ初登板初勝利と、デビュー以来大谷さんが続けてきた活躍が大きな栄誉によって報われました。
シーズン終了後に右肘靭帯再建手術を受けた大谷さん。来年は治療に専念するため二刀流は封印、打者に専念することが報じられています。投手としての姿は来年見られませんが、打撃に専念したらどんな成績になるでしょう?期待が高まります。読書家で知られる大谷さんは(ブクログ通信「読書家、大谷翔平!その愛読書とは?」)、オフシーズンにどんな本を読むのでしょう?
2018年11月19日 日産自動車カルロス・ゴーンさん逮捕
11月19日、金融商品取引法違反容疑によって、東京地検特捜部がカルロス・ゴーン会長、グレッグ・ケリー代表取締役を逮捕。日産は内部通報をもとに、数か月にわたって内部調査を進めていたそう。その後、11月22日に開かれた日産取締役会において、ゴーンさんは日産会長職・代表取締役から解任され取締役に。26日、三菱自動車でもゴーンさんは会長職・代表取締役から解任され、取締役になっています。
日刊スポーツ「ゴーン容疑者、服役経験ある作家の著作差し入れ依頼」にあるとおり、ゴーンさんは東京拘置所内で服役経験のあるジェフリー・アーチャーさんの本を獄中で読んでいたそう。なお、2018年3月には『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』が発行されています。ゴーンさんが保釈されて以降は、これらの本が取り上げられることがあるかもしれませんね。
2018年11月24日 大阪万博、2025年開催決定
日本時間11月24日未明、フランス・パリの博覧会国際事務局(BIE)総会において、BIE加盟国による投票によってロシア・アゼルバイジャンを抑えて日本が開催国に選ばれました。大阪市によれば、2025日本万国博覧会の開催期間は2025年5月3日~11月3日の185日間。開催場所は、大阪「夢洲」(ゆめしま)とのこと。
大阪で日本万国博覧会が開かれるのは55年ぶり、2回目となります。大坂の万博といえばやはり、岡本太郎さんによる「太陽の塔」が著名ですね。テーマ館の一部として建てられたものが、万博終了後も引き続き万博記念公園にいまなお展示され、シンボルになっています。当時の熱狂は、さまざまなかたちで残されていることがわかります。2025年までに、過去開催された大坂万博を振り返っておきたいですね。
来年2019年はどんな年になるでしょうね?2019年話題になりそうなトピックの特集記事を公開予定です。お楽しみに!
参考リンク
2018年をふりかえる!本にまつわる10大・重大ニュース 上半期編(ブクログ通信)