ブクログ大賞が始まりました!
みなさんの投票で決まるブクログ大賞ですが、「ノミネートされている作品、読んだことないし投票しづらいなあ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。
前回、村上春樹さん『騎士団長殺し』に続き、今回は芥川賞受賞でおなじみの村田沙耶香さん『コンビニ人間』をご紹介します!ぜひ内容紹介とユーザーレビューなどを見て参考にしてください。
そもそも、ブクログ大賞のノミネート作品って、どうやって選んでいるの?
2016年5月1日から2017年4月30日の期間に発売された日本語刊行書籍の中から、ブクログでの登録数・評価数をもとに各部門のノミネート作品を選出しています。
ブクログ大賞小説部門ノミネート作品 村田沙耶香『コンビニ人間』
ブクログの登録者数:6376人 ★3.63
内容紹介
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。彼氏なし。ある日、新入りの男性・白羽がやってきて、そんな生き方は恥ずかしいと突きつけるが――。「普通」とは何かを問う衝撃作。
\ おすすめのレビュー!/
たぶん私に合う本だな、と思い、読んでみたらその通りだった。
気持ち悪い、というのがこの本への褒め言葉だと思う。なんの間違いもない家庭で普通に育ったはずなのに、なぜか社会に適合できない36歳女性。決して馬鹿ではなく、だからこそ面倒を避けて「普通」に生きるために無機質に周りの人を真似ている、という気持ち悪い人物描写がたまらない。そして彼女に唯一正しい日常をもたらすのが、コンビニという無機質でマニュアル通りの世界、という舞台設定もとても皮肉で気持ち悪くていい。思えば私自身もずーーーっと、自分が普通じゃないことを考えて生きてきた。この本の主人公と比べると、もうちょっとだけ自分のおかしさに理由付けができて、もうちょっとだけ見栄とプライドと自意識過剰があったからコンビニ人間にならなかっただけ。この本を読んで、自分も排除されないように色んな人を真似してきたこと、色んな人の切り貼りなキャラクターになってることを思い出して少し気持ち悪さを思い出した。まっとうな人間が私に会うと、こいつやべえなって感じると思うんだけど、それはこの切り貼り感にあるんだと思う。とりあえず面倒だから、人見知りのオタクなんですいません、って言って片付けるけどね。
でも、意外とみんなそうなのかもしれない。意外とみんな何かのマニュアルに従って、誰かの真似をして、コンビニのレーンのように社会で整然と生きているだけなのかもしれない。
みんなコンビニの商品と一緒。期限が過ぎたり、列を外れたり、カテゴリ分けができなくなったら排除されるだけ。そうならない人は全部わかっていて上手くやる頭の良い人か、あるいは逆に何も考えなくて済んでる能天気で幸せな人たちなんじゃないかなあと思う。
という気持ち悪い考えを呼び起こしてくれる面白い本でした。
次回は新海誠『小説 君の名は。』をご紹介します!お楽しみに!