ブクログ大賞が始まりました!
みなさんの投票で決まるブクログ大賞ですが、「ノミネートされている作品、読んだことないし投票しづらいなあ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。
前回、森見登美彦さん『夜行』に続き、2017年本屋大賞第2位、王様のブランチ ブックアワード2016大賞受賞もした、森絵都さん『みかづき』をご紹介します!ぜひ内容紹介とユーザーレビューなどを見て参考にしてください。
そもそも、ブクログ大賞のノミネート作品って、どうやって選んでいるの?
2016年5月1日から2017年4月30日の期間に発売された日本語刊行書籍の中から、ブクログでの登録数・評価数をもとに各部門のノミネート作品を選出しています。
ブクログ大賞小説部門ノミネート作品 森絵都『みかづき』
ブクログの登録者数:1791人 ★4.22
内容紹介
昭和36年、学校教育に不信を抱く千明から学習塾の立ち上げに誘われ、吾郎の波瀾の教育者人生が幕を開ける。昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたり奮闘する大島家を描いた、著者渾身の大長編!
\ おすすめのレビュー!/
昭和に塾を開いた夫婦のお話、という情報だけで読み始めたら、想像を上回る物語の分厚さ!章を重ねるたび、主人公の視点が変わり、時が流れる。
教育という大きな問題と親子三世代という長い時間を扱うストーリー。そのスケールの大きさと本の厚さにもひるまず、まったく飽きなく読めた。登場人物たちの個性や、個々の人生の波乱万丈さが絶妙でぐいぐい読ませられた。
朝ドラのような、ある家族を見守っていく気持ち。読後、始めの章を、あんなこともあったなぁ…と懐かしく振り返る感覚。読んでいて楽しかった。
前半は塾創設の情熱や激しさに魅了され、中盤は子育てや仕事の両立、夫婦の関係などに注目し、最後は引き継がれる想いや繰り返される人間の営みに感動。たくさんの人物が描かれているので、その時の読者の状況で、感じとるものが変わるかもしれない。
10年後読み返したら、また面白いかもしれない。
最後の章が好き。子どもの作文を通して成長が見られたり、母親が変わったり、実際の「教える教えられる」という現場の喜びが描かれていて嬉しかった。
タイトルの「みかづき」の意味は何度か登場するけれど、最後に大吾が語った言葉が一番胸に刺さった。
「欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽をつむのかもしれない
次回は塩田武士さん『罪の声』をご紹介します!お楽しみに!