ブクログ大賞が始まりました!
みなさんの投票で決まるブクログ大賞ですが、「ノミネートされている作品、読んだことないし投票しづらいなあ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。
前回はスティーヴン・ワインバーグさんの『科学の発見』をご紹介しました。さて、ノミネート作のラストは、今年1月にNHK「クローズアップ現代+」で紹介後、一大ベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』をご紹介します!ぜひ内容紹介とユーザーレビューなどを見て参考にしてください。
そもそも、ブクログ大賞のノミネート作品って、どうやって選んでいるの?
2016年5月1日から2017年4月30日の期間に発売された日本語刊行書籍の中から、ブクログでの登録数・評価数をもとに各部門のノミネート作品を選出しています。
ブクログ大賞人文書部門ノミネート作品 ユヴァル・ノア・ハラリさん『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
ブクログの登録者数:1592人 ★4.35評価
内容紹介
国家、貨幣、企業…虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした。ではその文明は、人類を幸福にしたのだろうか? 現代世界を鋭くえぐる、50カ国で500万部刊行の世界的ベストセラー。
\ おすすめのレビュー!/
「虚構」に基づいて世界が構築されていると論じられていくと、なんだか空虚にも思えてくるけれど、人間が「こうだ」と信じている部分はほとんど虚構で、目に見えない抽象概念にどれほど寄りかかっているかを再認識させられました。
そう考えると、人間の想像力、見えない部分をカバーする能力というものは、本当に優れているんだと思います。
私たちは他者の存在、国の存在、また過去の人々が紡いでいった遺産の上でそれらの虚構を上手く引き継ぎながら、あるいは統率したり、馴染んだりしながら生きている…こう考えてしまうと、人の想像力の可能性の高さに驚きを隠せなくなる。筆者は虚構が作り上げる巨大なシステムを明らかにしようとしているのだろうと思います。
いろんな切り口から人の想像力について述べていて、ときには力強くも見えるし、ときには残酷で傲慢にも見える。
ただの人類史的な本ではなく、「人とは何か」ということまで考えさせられる骨太の内容です。
人文書ノミネート作品のご紹介はこれがラストです。次回からは海外小説部門ノミネート作の紹介です! アンデシュ・ルースルンド ステファン・トゥンベリさんの『熊と踊れ』をご紹介いたします。どうかお楽しみに!