2021年もたくさんの本が発売されましたね。
今回は「ビジネス書」年間ランキングから、評価の高かった上位10位を発表いたします!
どんな作品がランクインしているのでしょうか?
※2020年12月1日~2021年12月1日の間に発売されたビジネス書が対象となります。
ビジネス書ランキング【評価数順】
1位 ラス・ハリス『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる』(単行本)
内容紹介
もしかしてあなたは、自信のなさに悩んでいるのではないだろうか?人前で話す、リーダーとして人を率いる、誰かをデートに誘うなどという時、尻込みしているかもしれない。ではどうするか。著者のラス・ハリスさんが、マインドフルネスと行動心理学から生まれた画期的な「心理療法ACT」で、自信のなさから逃れる道を示してくれる一冊。
プラス思考やプラスのイメージが大切で、不安に思ったりネガティブなことを考えたりすることは悪いことだと思っていましたが、恐れや不安が生じるのは当たり前で、それを受け入れることが大切という内容には、心が救われました。マインドフルネスの練習をして、自己受容の力を高めていきます。
2位 太刀川英輔『進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』
内容紹介
私たちは道具の発明を通して擬似的な「進化」を達成してきた。そこには必ず、私たちの本質的な願いが込められている。変異によって偶発的にアイデアが生まれ、それらのアイデアが適応によって自律的に自然選択されていく。「変異」と「適応」を何度も往復することで、変化や淘汰に生き残るコンセプトが産まれる。その結果、本質的な願いを具現化する「イノベーション」を起こせるようになる。
アイデア・創造性。なんとなく意味がわかるけど、曖昧だった表現に意味付けされていく感覚が心地よかった。生物学的観点から思考法に落とし込んでいく流れは見事。しっかりと腰を据えてワークなど取り組みたいが、全体量がすごいことになるのでいくつか保留。ワークの難しさや、xの決めづらさなどがあったので、感覚としては4.5の評価。
3位 古賀史健『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』
内容紹介
大ベストセラー『嫌われる勇気』のライター・古賀史健さんが、「取材」「執筆」「推敲」の三部構成で、書く技術・伝える心得の「ほんとうの核心」だけを教える!どうすれば、プロの「書く人」になれるのか?どうすれば、一人でも多くの人に届く「原稿(コンテンツ)」が作れるのか?「書くこと」「伝えること」で自分と世界を変えようとするすべての人たちに向け、その「答え」を導き出す。
ティーチングではなくコーチング、技術取得のための考え方を伝えることに注がれている。魂のこもった、まさに教科書。ライターに限らず、あらゆる職種に活かせる内容だと思う。
4位 田口一成『9割の社会問題はビジネスで解決できる』
内容紹介
貧困、難民、過疎化、人種差別、耕作放棄地、フードロス、地球温暖化……。社会問題を解決するビジネスしかやらない会社「ボーダレスグループ」。2007年に創業された同社は、いまやグループ年商55億円を超えている。その特徴は「自分はこんな社会問題を解決したい」という志を持った起業家が集まる「社会起業家のプラットフォーム」であることだ。「日々忙しく働いているけれど、自分の仕事は本当に社会を良くしているんだろうか?」。そんなモヤモヤを抱えながら日々仕事をする全てのビジネスパーソン必読の一冊!
ソーシャルビジネスを立ち上げた経緯、失敗から成功法則を見出し、それを広げるということを成し遂げている。その法則、方法をもったいぶらずに共有しているところにただただ感心。これからソーシャルビジネスを始めたいひとも、すでに始めている人も、始めないけど関心のある人におすすめ。
5位 山口周『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』
内容紹介
「ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか?」。本書の執筆のきっかけとなった筆者の疑問。行き着いた答えは「イエス」だ。ビジネスはその歴史的使命を終えつつある。さらに、21世紀を生きる私たちの課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられたままの「経済成長」というゲームに、不毛な延命・蘇生措置を施すことではない。私たちは現状をどのように受け止めた上で、未来に向けた第一歩を踏み出すべきなのだろうか?
物質的豊かさを追求し人々の幸福を目指す資本主義は、既にモノに溢れた現代では役割を終えている。GDPの増大を指標にして経済成長を目指すビジネスの進め方は、行き詰まっているとの指摘。これからは経済合理性ではなく「今日の充実のために夢中になれる仕事に取り組む」など、人間性に根ざした衝動により行動すべきと。そうなんだろうけど、富の偏在に苦しむ人たちには全く響かない物言いかと思うけど。アクティブに声を上げた人があるから世界は変わってきた。問題を生み出しているのは行動しない自分自身と認識し、いま、ここにいる自分から始めようと。そうですよね。
6位 清水ともみ『命がけの証言』
内容紹介
ウイグル人たちの「命がけの証言」に応えて、中国共産党によるウイグル弾圧を清水ともみさんがマンガで告発。描き下ろしの新作(「日本への『夢』を奪われて……アイトゥルスン・エリさん」)に加え、静岡大学教授・楊海英さんとの告発対談も収録。中国共産党の知られざる実態が明るみになる!
マンガ形式になっていて読みやすかった。以前読んだ小説の中に新疆ウイグル自治区の悲惨な状況に触れてあり、まるっきり知らんぷりしていてはいけないことだと思い手に取った本です。知れば知るほど、(この本の中の逸話はほんの氷山の一角でしょうが)見過ごしてはいけないことだと心の底から思う。じゃあ、何が出来る?と問われると困るけれどいろんな人にこの本のことを伝えたい。清水ともみさん、勇気を持って本を出してくれてありがとうございます。
7位 大西康之『起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』
内容紹介
「グーグルのような会社」を目指した彼の名は「起業の天才」ではなく、戦後最大の企業犯罪「リクルート事件の主犯」として人々に記憶される。「ベンチャー不毛の地」となった日本に必要な「起業家の資質」とは?「リクルート事件」の大打撃を乗り越え、1兆8000億円の負債を完済して株式時価総額で国内10位にまで成長した「奇跡の会社」は、どのようにして創られたのか。苦境に立つすべての日本人に贈る、歴史から葬られた「起業の天才」の姿に迫る。
引き込まれて一気読み。恵まれているとはいえない生い立ちから学生運動を斜めに見ながらの学生新聞広告営業、そして起業。私の周囲のリクルート出身者はだいぶ前に軒並み「卒業」しているが、彼ら彼女らの中にもこの本の中にあるどこか学生のサークルのような勢いが感じられたことを思い出した。時価総額7兆円企業となってもなお大企業病とは無縁な組織のあり方は、イノベーションを志向する成熟した大企業にとって学ぶところばかりだ。
8位 大津広一『ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考』
内容紹介
ビジネスには「会計数値を読み解く力=会計力」と「企業活動を考察する力=戦略思考力」が必要だ。「WHY?」「SOWHAT?」の2つのキーワードで、決算書をロジカルに深く読み解き2つの力を一度に身につけよう!人気ビジネススクール教授が教える「会計×経営戦略」のハイブリッド学習法。
具体的なサンプル企業のB/S、P/Lを用いたケーススタディや、インタラクティブな会話形式の中に思考プロセスのエッセンスを盛り込み、思考ロジックが自然と頭にインプットされるように工夫されている。「考えてから読む」ということがKey Word。これまでの知識の再整理にとても役立った。
9位 パク・ウンジ『フェミニストってわけじゃないけど、どこか感じる違和感について──言葉にならないモヤモヤを1つ1つ「全部」整理してみた』
内容紹介
仕事、家事、結婚、社会……。「気にしすぎかな」とずっと自分に言い聞かせてきたけど、いつまでも引っかかるこの感覚はなんだろう?モヤモヤとし続けている目の前の問題を整理して、ちゃんと考えられるようになる大切な一冊。ついに日本上陸!
文化は違えど同じ世代の価値観にとても共感できました。わたしも結婚とその先のことを考えたときに、自分だけ諦めなきゃいけないことが山ほどあるような気がして、今まではあまり感じてこなかった男女格差をひしひしと感じるように。でもぶつぶつ文句を言うのではなく、言葉と行動を変えていくべきですね、未来の女性達のためにも。
10位 平井一夫『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』
内容紹介
かつて世界にその名を轟かせた「ソニー」は、未曽有の危機に見舞われていた——。2012年3月期、5000億円超えの大赤字の中でソニー社長の重責を引き受けた著者は、どのようにして復活を果たしたのか?ソニー再生という難題に挑んだ「異端社長」の知られざる歩みを振り返る。
マネジメントする上で平井氏の考え方は非常に参考になる。特にチームを立て直す際に行う「メンバへのヒアリング」、「部下から選ばれる存在か」、新しい取り組みを行うときは「リーダーがしっかりと関与する」などはすぐにでも使えるメソッドである。節目節目で読みたい名書。
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