【前編】2000年代のライトノベル10選!~読み継がれる傑作選〜

こんにちは、ブクログ通信です。

近年、アニメ化・ドラマ化・映画化が相次いでいる「ライトノベル」。今でこそ幅広い年代に読者層が広がり、書店での取り扱いも増えているライトノベルですが、刊行から長い時を経てもなお語り継がれる名作が数多く誕生したのは、2000年代だといえます。

今回は、今読んでも色褪せない面白さの2000年代ライトノベルを、前後編で5選ずつご紹介いたします!メディアミックスも多数あり、ライトノベル以外の楽しみ方もいろいろです。純文学とは一味違う、個性豊かな魅力をぜひお楽しみください。

気になった作品がありましたら、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.川原礫『ソードアート・オンライン 1 アインクラッド』ラノベ界のマスターピース!

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)
川原礫『ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)
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あらすじ

謎の次世代MMO「ソードアート・オンライン(SAO)」。実はこのゲームは、クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは現実世界でも「死」を意味する過酷なデスバトルだ。SAO参加者の一人であるキリトは、単独で巨大浮遊城「アインクラッド」攻略に挑む。女流剣士アスナの誘いでコンビを組むことになったキリトは、思いもよらない運命に巻き込まれていくのだった。

おすすめのポイント!

個人サイト上で始まった本作は、ラノベ界における伝説的作品です。空想世界でのデスバトル、ハラハラする物語展開、魅力的な登場人物と3拍子揃った作品となっています。「剣と魔法の世界で暮らしてみたい」「仮想世界に興味がある」という人には、特におすすめです。ラノベではありますが精密な世界観としっかりした物語性が魅力の本作。子供から大人まで楽しめる、2000年代を代表するラノベです。アニメ・劇場版では美麗な映像と音楽を堪能できるので、ぜひ併せてチェックしてみてください。

川原礫さんの作品一覧

もうオッサンですが、頭空っぽにしてただただ楽しめる本を探してこの本を手に取り、ライトノベルだと思ってなめてました、と白状せざるを得ません。空想世界での戦い、ロマンス、暮らし、そして、構築、支配。子供の頃に夢想したようなことがこの小説の中に詰まっており童心、冒険心、空想世界への憧れといったしばらく忘れかけていたものを刺激してくる。キリトやアスナはじめ登場人物を通じて、読み手もその空想世界にいるような心地になり、読み終えると彼ら同様に異世界を堪能してきた(彼らにとっては命を懸けた戦いであったが)ような達成感すら感じる。兎にも角にも、おもしろかった!続編も買ってみようと思います。

たなたなさんのレビュー

2.井上堅二『バカとテストと召喚獣』読めば元気になるドタバタ学園コメディ

バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
井上堅二『バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
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あらすじ

男子高校生・吉井明久の通う文月学園は、学歴偏重主義を掲げ成績別のクラス編成が行われている。秀才ぞろいのAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備の超豪華設備。一方、明久のいるFクラスは学力最低レベルで、使えるのはちゃぶ台と腐った畳だけ。明久は憧れの存在・瑞希のために、上位クラスの教室を賭けて戦争を始める。しかし、戦いの方法は学園が開発した試験召喚獣を使うという危険なものだった。

おすすめのポイント!

召喚獣を使って学園内戦争を始めるという、なんとも斬新な切り口の本作。2007年1月から2015年3月まで刊行されました。第8回「えんため大賞」の編集部特別賞受賞作で、「このライトノベルがすごい!」作品部門ランキングにおいて、6年連続でベスト10入りを果たした人気作です。とにかく明るくポップな学園コメディで、読んでいるうちに笑いが止まらなくなります。ラノベならではの軽さ、自由さ、むちゃくちゃぶりを、ギュッと濃縮した作品です。頭を空っぽにして楽しめます。

井上堅二さんの作品一覧

上限点数なしのテストでクラス分けが決まる学校の、最低クラス(←バカの集まり、ただし体調不良で無得点の瑞希をのぞく)のバカ、明久が主人公の話。召喚獣とか、おもしろいアイデアだと思います。秀吉推し。あの可愛さで男は反則。

lily-yuyuさんのレビュー

3.谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』社会現象を巻き起こした存在感を放つ傑作

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
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あらすじ

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」——入学早々から個性的すぎる挨拶をした涼宮ハルヒ。クラスの中で孤立していたハルヒに話しかけたのは、「ただの人間」のキョンだけだった。やがて、ハルヒは「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的として新クラブ「SOS団」を発足させる。

おすすめのポイント!

本作を読んだことがない人でも、「涼宮ハルヒ」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。本作は狭き門で知られる「スニーカー大賞」受賞作です。ラノベ界で最も成功した作品と評されることも多く、深夜枠のアニメ版が大ヒット、書店での売り切れ続出など、社会現象を巻き起こしました。天真爛漫なヒロイン・ハルヒが魅力的で、一度読んだら忘れられない存在感です。ハルヒの起こすドタバタ劇と、それに振り回される登場人物たちの掛け合いにグイグイ引き込まれます。予想の斜め上を行く展開に、ぜひ振り回されてみてください。

谷川流さんの作品一覧

ほぼ全編、まるで読者に語りかけるような主人公の一人称で物語が進む、独特な作りの小説です。それがとてもユニークで面白かったです。読んだのは10年以上前ですが、アニメや漫画の中の世界にどんなに憧れてもそこに行けない現実や、特別な存在になれない自分に、絶望したり、諦めてしまったりした登場人物の心情にすごく共感したのを覚えています。特に、そんな当時の若者たちの叫び?を凝縮したようなプロローグは、面白いし読みやすいし緩急は鮮やかだしで、見事な完成度だなと思います。たった4ページですがこの作品の魅力がつまってるので、未読の人にはぜひここだけでも読んで欲しいです。

静かなるむくむくさんのレビュー

4.和ヶ原聡司『はたらく魔王さま!』異彩を放つ庶民派異世界ファンタジー!

はたらく魔王さま! (1) (電撃文庫)
和ヶ原聡司『はたらく魔王さま! (1) (電撃文庫)
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あらすじ

世界征服まであと一歩のところで勇者に敗れた魔王サタン。逃げ延びてたどり着いた先は、なんと異世界『日本』の笹塚という街だった。魔力の存在しない世界で魔王にできることといえば、日本征服の足掛かりとしてアルバイトに励むことだけ。一方、魔王を追ってきた勇者エミリアは、力が回復するまでの間やむなく携帯電話会社の契約社員として働き始めるのだった。

おすすめのポイント!

ラノベの定番「異世界転移もの」ですが、「日本から異世界へ」ではなく「異世界から日本へ」という新鮮さが光る人気作です。世界征服をもくろむ魔王が六畳一間のフリーター暮らし、聖剣の使い手である勇者がテレアポ契約社員という、なんとなく悲哀を帯びた設定につい感情移入してしまうこと必至!庶民的な魔王と勇者というギャップを楽しめます。異世界から日本にやってきたキャラクターたちが、日本社会をどう生き抜くのか、世界征服がどうするのか、ついつい先が心配になり読み進めてしまう個性派作品です。

和ヶ原聡司さんの作品一覧

地に足付いた魔王様の物語であり、主題は日常なのだろう。実に良い生活感である。ややストーリーラインが弱いが(終盤にかけての展開に意外性は少ない)、とにかく魔王様の所帯じみた行動が秀逸で、掛け合いのテンポの良さ、センスの良さはずば抜けている。異世界に適応する過程を省略したのも良い判断だと思う。異文化交流も面白いテーマだが、そこに固執すると主題を見失うし、テンポが悪くなる。魔王様の心境の変化など、フォローされていない部分も多いが、この辺は後の巻に期待できるだろう。よくまとまったこの巻を見るかぎり、作者さんはかなりの腕前をお持ちのようだし。

clamamusさんのレビュー

5.雪乃紗衣『彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く』大人女子も魅了する中華風の歴史物語!

彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く (角川文庫)
雪乃紗衣『彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く (角川文庫)
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あらすじ

彩雲国の紅秀麗は、名門紅家直系の長姫でありながら貧乏暮らしをしている。官吏になることを夢見た秀麗だったが、彼女に与えられた仕事は貴妃として後宮に入り、王の教育係をするというものだ。金五百両の高給と引き換えに、秀麗はからっぽの後宮に入内し、即位間もない昏君・紫劉輝の教育にあたるのだった。

おすすめのポイント!

架空の国・彩雲国を舞台にした中華風歴史ファンタジーです。本編と外伝を合わせ20冊以上刊行されており、2022年2月時点での累計発行部数は668万部を突破しています。2006年から2期にわたり放送されたアニメ版は、いまだ根強い人気を誇る名作です。ライトノベルの中では珍しく高齢の女性からも人気がある作品となっています。主人公・秀麗の芯の通った性格に、誰もが魅了されることでしょう。ドキドキハラハラの展開と胸キュンを楽しめる、女性にもおすすめのラノベです。

雪乃紗衣さんの作品一覧

小学校からずっと好きだったシリーズです。ラノベ版がボロボロになってきたところ、こちらの新装版が出たので買い直すことにしました。そして、これを機に読み返してます。青春時代に夢中になっていましたが、大人になった今でも面白く、また新たな発見もあり、あっという間に読み終わってしまいました。ラノベ版も美麗イラスト&挿絵でしたが、こちらの表紙も美しく、見ているだけで楽しいです。今後も楽しみです。

かっぱさんのレビュー


今回ご紹介した作品は、今でも新たなファンを増やし続けている傑作揃いです。時代を経てもなお面白い、ラノベ界のレジェンド的作品ばかりなので、ぜひ一度読んでみてくださいね!
後編】もお楽しみに。