こんにちは、ブクログ通信です。
近頃、恋愛もので「胸キュン」というワードが流行っていますが、大人になると胸キュンだけのラブストーリーでは、物足りない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、30代大人女子におすすめしたい恋愛作品10選をご紹介いたします!【小説編】、【マンガ編】を5選ずつまとめましたので、ぜひこの機会に読んでみてくださいね。
1.東野圭吾『秘密』(文春文庫)

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あらすじ
妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美と、平凡だが幸せに暮らす主人公・杉田平介。だがある日、直子と藻奈美を乗せたバスが転落事故を引き起こし、直子は命を落としてしまう。一方、奇跡的に意識を取り戻した藻奈美だったが、その体には何故か死んだはずの妻・直子の魂が宿っていた。平介が失ったのは、妻なのかそれとも娘なのか——。
おすすめのポイント!
東野圭吾さんの名が世に広まるきっかけとなった不朽の名作です。映画では広末涼子さん、ドラマでは志田未来さん主演で映像化もされました。ジャンルとしてはミステリーチックな本作ですが、突如不思議な現象に見舞われた夫婦の複雑な心境を描いた、いわばラブストーリーの側面も持つ一作です。娘として青春を取り戻した妻に、嫉妬や疎外感を覚えてゆく主人公に対し、夫への愛は確かなものの真意が掴めない妻のミステリアスな描写が、衝撃のラストに拍車をかけます。
初めての東野さん著書。もっとシリアスな事件簿的な物語かと思ったけど、読みやすくてすぐにストーリーに引き込まれた。
2.尾形真理子『試着室で思い出したら本気の恋だと思う』(幻冬舎文庫)

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あらすじ
路地裏のセレクトショップに訪れるのは、年下に片思いする文系女子や不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれた広告代理店OLなどなど、恋愛下手な女性たちばかり。そんな彼女たちにオーナーは、自分を変える運命の一着を探してゆく。やがて彼女たちは、強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合ってゆき——。
おすすめのポイント!
コピーライターとして数々の有名広告を手がけてきた、尾形真理子さんによる短編恋愛小説です。人前で話すことが苦手で「書く」仕事を志した尾形さんならではの、女性の共感をがっちりと掴んだ5つのラブストーリーで構成されています。洋服選びにより新しい自分に気づいてゆく登場人物を通じて、女性の「可愛くなりたい」という思いを後押ししてくれるような作品です。甘ったるすぎないサラリとした読み応えなので、何度でも繰り返し読みたくなる作品です。
各話の最後にその話の締めの一言が気持ちいい。どれもなんとなく自分の中で言語化できていない気持ちだったりその話で感じたことだったりがうまく言い表されている。特に「ちゃんと欲しがる女ほど、欲しがられる女になる」は素晴らしかった。私は男ですが何故だかこれに凄まじく共感してしまった。一言が先にあってそれをベースに話を作ったのか、話をベースに一言を作ったのか気になる
3.新海誠『小説 言の葉の庭』(角川文庫)

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あらすじ
靴職人を目指す高校生の孝雄は、雨の日の午前は決まって学校をサボり、庭園のベンチで靴のデザインを構想していた。そんなある日、庭園で謎めいた年上女性の雪野と出会った孝雄。梅雨の間、会う機会が増えていった二人は、お互いのことを知る内に自然と恋に落ちてゆくが……。
オススメのポイント!
多くのアニメファンたちを魅了した、映画『秒速5センチメートル』や『君の名は。』で監督を務めた新海誠さんの小説です。アニメ映画として発表された本作は、『ダ・ヴィンチ』誌上で連載され単行本化されました。メインキャラ二人はもちろんのこと、脇のキャラクターたちの背景も丁寧に描写され、新海さんの繊細で巧みな技量が光る作品となっています。歳の差男女の切ないラブストーリーとしての完成度が高く、映画ファンのみならず、未視聴の方にもおすすめしたい作品です。
期待に違わず、素晴らしい本だった。映画の中の映像も美しかったけれど、文字に表した雨の情景や繊細な心の動きが、音が聞こえてきそうなほどにリアルで綺麗。大人になろうと背伸びするけれど、どうしようもなく幼く繊細な心を持った孝雄と、子供のように脆くて傷つきやすい大人の雪乃。生徒と教師、子どもと大人、男と女、希望と失望、雨と晴れ。様々な対比が、苦しいくらいに胸に迫ってくる。孝雄の作った靴は、雪乃にどんな未来を歩かせるのかな。
4.川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』(講談社文庫)

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あらすじ
「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。人と言葉を交わすことにも自信が持てず、誰もいない部屋でひとり校正の仕事をする「わたし」。そんな日々の中で、わたしは三束さんと出会った——。
おすすめのポイント!
川上未映子さんの初長編恋愛小説として話題になった本作は、大人の歳の差男女によるラブストーリーが描かれています。主人公は一人で仕事をしていることもあってか、都会の喧騒と相反した孤独を感じている女性です。そんな主人公がたまたま出会った中年男性と恋に落ちるのですが、男性は男性で主人公への見栄から本当の事を隠し、別の意味での孤独を抱えています。不器用な二人の恋愛を通じ、「恋愛とは何か?」という根本的なテーマを問う一冊となっています。
図書館で本を探していると目に入ったこの本は、本のタイトルと絵柄が普段よく聴いてる曲のタイトルとジャケットが酷似していて、とても気になって借りました。(後から調べると、その曲はこの小説から影響を受けて作られたとのこと)その曲は本当に夢の中で空中浮遊するような優しさを持った曲できっとこの本もそのような本に違いないと思ったんですが、その直感に間違いはありませんでした。この話に出てくる冬子は、僕のメンタリティそのもので本当にびっくりしました。そして聖という女の存在がふわ〜とした話に良いアクセントになっていました。この本を心の底から5つ星評価する人に出会ってみたい。
5.いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫)

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あらすじ
「トリツカレ男」と呼ばれるジュゼッペは、何かに夢中になると寝ても覚めてもそればかり。そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りのペチカに恋をした。悲しみに凍りつく彼女の心を、ジュゼッペはもてる技でどうにか温めようとするが……?
おすすめのポイント!
ホラーのような独特の表紙が目を引きますが、内容は真逆の至ってピュアな男のラブストーリーとなっています。何をするにも夢中で取り憑いてしまう主人公が少女に恋をし、彼女にあらゆる手を尽くしてアプローチしていく中で、彼女の心を動かしていきます。相手への一途な思いにただただ純粋に答えようとするという、ドロドロした展開のないスッキリとした読了感が楽しめます。ページ数も多くなくサラッと読み進められるので、疲れた時の癒しにおすすめしたい作品です。
この手の話に弱い。なぜだろう。愛する者のために、人知れず、自分の利益を考えず、労力を惜しまない姿に心が打たれる。それはつまり、現実の世界では滅多に見られない貴重なあり方だから、なのだろうか。それとも、そうありたい、と願う姿だからだろうか。
今回は、30代大人女子におすすめしたい恋愛小説をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね!
【マンガ編】もお楽しみに。