アガサ・クリスティー作品5選!~ミステリーの魅力が凝縮されたポアロシリーズ名作選~

こんにちは、ブクログ通信です。

アガサ・クリスティーはイギリスを代表する推理小説作家の一人であり、「ミステリーの女王」と称される世界的なベストセラー作家でもあります。代表作『そして誰もいなくなった』は約1億部を売り上げ、史上最も売れた本の一つです。作家としての偉大な功績の数々を称えられ、1971年には大英勲章第2位(DBE)を授与されました。

初めて読む人にもおすすめの名探偵ポアロシリーズから5作品を紹介いたします。
出版から長い時を経てなお愛され続ける名作の数々を、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか?

アガサ・クリスティーの作品一覧

1.アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』名探偵ポアロ初登場作!ミステリーの醍醐味が詰まった一冊

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 1)
アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 1)
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あらすじ

アーサー・ヘイスティングズは、旧友の招きでスタイルズ荘を訪れていた。ところが、到着早々事件が起こる。屋敷の女主人・エミリーが毒殺されたのだ。スタイルズ荘にはエミリーの夫や前夫の連れ後など、何人もの怪しい人間が滞在している。そんな中、調査に乗り出したのはヘイスティングズの親友・エルキュール・ポアロだった……。

おすすめのポイント!

名探偵ポアロの初登場作品です。登場人物が多く、「みんな怪しい」というミステリーの王道シチュエーションで繰り広げられる作品ですが、意外なストーリーと結末が用意されており、約100年も前の作品とは思えない面白さです。ミステリーの醍醐味を味わえる、歴史に残る名作といえるでしょう。シリーズ最終作『カーテン』と同じ、スタイルズ荘が舞台になっている点にもご注目ください。

ポワロシリーズ1作目。こういう一つ屋根の下で起こる遺産を巡るトラブルは古今東西同じなのですね。登場人物の名前の呼び方がちょこちょこ変わるのは読みにくかったです。ヘイスティングスは問題児だ。法律の裏をかく発想は流石。ミスリードもしっかりしていた。みんな事件と関係ないことでも隠し事が多々あり、それもこちらを混乱させる。古典的で面白かったです。

クロワッサンさんのレビュー

2.アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』豪華列車で繰り広げられる名探偵のエレガントな推理劇

オリエント急行の殺人 ((ハヤカワ文庫―クリスティー文庫))
アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人 ((ハヤカワ文庫―クリスティー文庫))
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あらすじ

真冬の欧州を横断して走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も異なる多様な乗客が乗り込んでいた。大雪のため立ち往生した車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体なって発見される。捜査に乗り出したのは、偶然乗り合わせていた名探偵ポアロ。ところが、すべての乗客には完璧なアリバイがあった……。

おすすめのポイント!

1934年に発表された長編推理小説で、何度も映像化されている古典ミステリーの金字塔です。アガサ・クリスティーの代表作の1つとして世界的に有名な作品でもあり、アガサ・クリスティー自身のお気に入り作品としても知られています。雪に閉ざされた列車内で繰り広げられる推理劇は、クローズドサークル・ミステリー好きには堪らない世界観だといえるでしょう。豪華列車で旅しているようなエレガントな気分も味わえます。一冊で何度も楽しめる不朽の名作です。

アガサクリスティーは流石だと感じられずにはいられない作品であった。数多くの人物が登場するが、キャラクターがそれぞれはっきりとしていて登場人物を忘れることがない。たくさんの伏線が散りばめられておきながら最終的には見事に全て回収しつつ、読者全員が驚くであろう結末を描かれたことに感嘆した。また、アームストロング誘拐事件が当時話題を呼んだ誘拐事件をモデルに書き上げられたことを知り、社会性も含めた素晴らしい作品であると感じた。

ゆうきさんのレビュー

3.アガサ・クリスティー『ナイルに死す』伏線回収の巧みさに圧倒されるエンタメミステリー

ナイルに死す (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 15)
アガサ・クリスティー『ナイルに死す (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 15)
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あらすじ

美しき資産家のリネットと若き夫サイモンは、ハネムーンに出かけていた。豪華客船でナイル河を遡っているとき、幸せ絶頂の二人の日常は暗転する。突然、一発の銃声が轟いた。サイモンのかつての婚約者が、銃を携えて同じ船に乗り込み二人をつけ狙っていたのだ。嫉妬に狂った女の凶行と思われた事件は、やがて意外な展開を見せるのだった……。

おすすめのポイント!

本作は、ポアロシリーズの最長編として知られています。エジプト行きの船上で巻き起こる銃殺事件、愛憎渦巻く人間関係、そして名探偵ポアロによる華麗な推理劇と、ミステリーの醍醐味がめいっぱいに詰まった傑作です。読み終わったときにその意味が分かる、タイトル緻密に張り巡らされた伏線と巧みなトリックに、きっとあなたも騙されるはず。「ミステリーの女王」の圧倒的筆力を堪能できる作品です。

異国のラブロマンスを読んでいるようだった。エジプト旅行をしている、とまではいかなくても空気感は十分伝わってくる。ミステリーだということを忘れそうになった頃、事件は起きる。資産家のリネット、夫のサイモン、元恋人のジャクリーン。この三人を中心に物語は展開するが、いつもどおり意外な真相が待ち受けていた。読み終わって思うのは、愛は恐ろしいってこと。

あくらさんのレビュー

4.アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』大胆なトリックで世界中を熱狂させた伝説的傑作

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)
アガサ・クリスティー『アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)
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あらすじ

深夜にかかってきた一本の電話。シェパード医師が駆けつけた先で目にしたのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿だった。容疑者と思われる氏の甥は行方がわからず、事件は早くも迷宮入りになりそうな気配だ。ところが、最近この村に越してきた変人の正体が名探偵ポアロだと判明し、事態は新たな局面を迎える……。

おすすめのポイント!

アガサ・クリスティーの名を一躍有名にした、稀代の傑作です。大胆なトリックと予想を裏切る真相に、ミステリーファンの間で大論争が巻き起こりました。本作は出版されてから約100年もの月日が経っていますが、時代を超えてもなお色褪せない魅力がたっぷり詰まった作品です。世界中のミステリーファンを熱狂させた伝説的作品でもあります。アガサ・クリスティーといえば本作、といっても過言ではない作品なので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

本当にびっくりした。先の読める展開ではあったが、シェパード医師の曖昧な(曖昧風な)記憶がとても自然に描かれていて、読み返せば不審さに溢れてるのに一読では分からない!ポアロと出会った時に初めて交わされた会話の中に既に伏線が隠れていて、そういうことか~と。恨みや妬みだけでなく、愛とお金のために人は人を殺すことがあるとアガサ・クリスティーの本を読むと改めて思う。

2131532番目の読書家さんのレビュー

5.アガサ・クリスティー『カーテン』著者の死後出版された、異色のポアロシリーズ最終作

カーテン(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 33)
アガサ・クリスティー『カーテン(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 33)
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あらすじ

親友ポアロの招待を受けたヘイスティングズは、懐かしきスタイルズ荘を訪れていた。かの有名な名探偵ポアロも、今や老いて病床にある。彼はヘイスティングズに、五件の殺人事件を示した。一見何のつながりもなさそうに見える過去の事件だったが、その陰には真犯人Xが存在するというのだ。しかも、そのXはこのスタイルズ荘にいるのだという。

おすすめのポイント!

アガサ・クリスティーの全盛期に執筆されながら、彼女の死後に発表されるよう手配されていた作品です。数々の難事件を解決してきた名探偵ポアロの晩年が描かれ、ポアロシリーズ最終作となっています。本作では、シリーズ前編を通して描かれたポアロの飄々とした様子は鳴りを潜め、老いと病に侵された哀愁帯びた姿が印象的です。世界中で愛された名シリーズを締めくくるのにふさわしい傑作といえるでしょう。ぜひ、ポアロシリーズの他作品と併せてお楽しみください。

クリスティーのガイド本で興味を持って読んでみました!確かに、ポアロ・シリーズでも最上位の極上のミステリー、でしょう。ポアロ最後の事件は穏やかですが独特な緊張感を維持しつつ進んでいきます。あの人がXか、いやコイツも怪しい…。衝撃的なラストまで、一気に読みたい気持ちを抑えつつ、ワクワクしながら毎日少しずつ読み進めて。残念ながら最後の事件は終了してしまいましたが、まだまだ元気なポアロが登場する読んでいない作品が残っていますので、どれから読もうか楽しみです。

kazさんのレビュー


アガサ・クリスティー作品は、出版から長い年月を経ているにも関わらず、色褪せない魅力を秘めています。
普段ミステリーは読まないという人も、ぜひこの機会に世界的名作の数々を手に取ってみてはいかがでしょうか?