こんにちは、ブクログ通信です。
秋川滝美さんは、2012年4月よりウェブ上で小説を公開し、執筆活動を本格的に開始しました。2012年10月に『いい加減な夜食』でデビューを果たします。小説投稿サイト「アルファポリス」にて連載されていたオンライン作品『居酒屋ぼったくり』は、書籍化され、大ヒットとなりました。
今回は、そんな秋川さんの作品の中から、老若男女を問わずおすすめの人気作を5つ紹介いたします。
温かみのあるストーリーと個性豊かな登場人物が魅力の秋川ワールドに、ぜひ足を踏み入れてみてくださいね。
1.秋川滝美『居酒屋ぼったくり』下町の居酒屋で過ごすひとときのような温かくて楽しい雰囲気の大ヒット作

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あらすじ
東京・下町の小さな商店街にある居酒屋「ぼったくり」。そこは、亡き両親から店を継いだ美人姉妹が切り盛りする店で、真心こめた料理と酒が客を楽しませている。店の中では、客の誰かが抱える小さな困り事を、姉妹と常連たちが旨い酒と美味い飯を味わいながら、知恵を出し合って解決してゆくのだった。
おすすめのポイント!
著者の代表作にして、メディアミックスもされている大ヒット作です。人情に厚く頑固な一面を持つ姉・美音と、天真爛漫で楽観的な性格の妹・馨が切り盛りする、下町の居酒屋を舞台にした連作短編集となっています。インパクトのある店名と裏腹に、常連客に愛されるにぎやかな店内は、いかにも居心地が良さそうで一度行ってみたくなるお店です。四季折々の料理やお酒の描写も目に楽しく、軽い気持ちでサクサク読めるのが魅力の作品だと言えます。美味しいものと人との交流を描いた、居酒屋の雰囲気を存分に味わえる一冊です。
心がほろっと暖かくなる物語。タイトルは昔から気にはなっていたのですが、ついに読める機会ができました。居酒屋「ぼったくり」屋号が物騒ですが、ついた理由を知るとなんと心が暖かくなる内容でした。常連さんがみんな優しさに溢れていて、すごく癒されます。そして、料理やお酒の紹介や豆知識などあり、かなり満足いく作品でした。また、1話完結なのでちょっとした時にも読みやすいのがいいです。シリーズのものなので少しずつ楽しんで読んでみたいと思います。本当に心がホッと暖かくなりました。
2.秋川滝美『ソロキャン!』大人だからこそ味わえるソロキャンプの楽しさが詰まった一冊

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あらすじ
ステーキにカレー、ローストビーフ……。一人で楽しむ絶品料理とお酒、そして焚き火が与えてくれる最高の癒し時間、それこそがソロキャンプの醍醐味だ!アラサーOLの千晶は、日々仕事でのストレスを溜めていた。子供の頃は頻繁にキャンプを楽しんでいたことから、ストレス解消と癒しを求めて久々にキャンプを始めることにするが……。
おすすめのポイント!
子供の頃からキャンプ慣れしている主人公が、ストレス解消のために一人で行くキャンプ「ソロキャン」を始めるというストーリーです。社会現象にもなったソロキャンの醍醐味がギュッと詰まった物語となっています。ソロキャンに関するノウハウやキャンプ道具の選定基準など、本格的なキャンプ入門書とも呼べそうな充実の内容です。一緒にキャンプしている気分になれる楽しさもあります。キャンプに興味があるけれど実際にやってみる勇気が出ない人は、ぜひ本作で疑似体験してみてはいかがでしょうか?
少しお節介で他人に干渉されがちの主人公千晶。子供の頃から楽しんでいたキャンプを思い出し、再びキャンプへの憧れや楽しみを取り戻すストーリー。美味しそうな料理を作る姿が安易に想像でき、読み手をキャンプ場へと案内してくれる。読み終わった時には、キャンプに行きたくなる。そんな1冊。
3.秋川滝美『深夜カフェ・ポラリス』深夜、疲れ切った孤独な客を迎え入れる不思議なカフェの物語

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あらすじ
シングルマザーの美和は、喘息もちの子供の入院に付き添う日々を送っていた。子供のこと、仕事のこと、厳しい経済状況。立ち向かうべきことが沢山あるのに、疲れ果てて動けなくなりそうだ。そんな時、一軒の小さなカフェを見つけて……?(『夜更けのぬくもり』)。他4編を収録。深夜営業の小さなカフェを舞台にした珠玉の短編集。
おすすめのポイント!
心身ともに疲れ切ってしまい、ご飯を作る気にもなれない。そんな夜は、きっと誰にも一度は経験があることでしょう。本作は、そんな夜にそっと寄り添ってくれる、小さなカフェの物語です。メニューはなく、明るい女性店主がお客の様子を見て何を出すか決めるのだといいます。店主と客たちのやり取り、ぬくもりを感じさせる店内の様子が温かな筆致で描かれ、読むと心の奥まで温かくなる作品です。忙しい毎日で疲れたとき、人生で立ち止まってしまったときは、本作を開いてみれば、きっと元気がもらえますよ。
深夜から朝にかけてやるカフェ、迷った人たちが吸い込まれるお店。店主の鋭い勘で出されるメニューにみんな癒される。そして立ち上がれる、優しいお話しでした。
4.秋川滝美『ひとり旅日和』思わぬ出会いや温かな交流も魅力!秋川流、一人旅のススメ

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あらすじ
人見知りで要領が良くない日和は、職場で怒られてばかりいる。社長から気晴らしに旅へ出るよう勧められるが、日和にはひとり旅など無理だ。しかし、旅好きの同僚に後押しされる形で熱海へ日帰り旅行を敢行する。ひとり旅の楽しさに目覚めた日和は、やがて遠くまで足を延ばすようになって……。
おすすめのポイント!
「一人旅に挑戦してみたい」と思う全ての人に贈る、一人旅のススメとも呼べる作品です。人見知りで要領が悪く、一人旅なんて夢のまた夢だった主人公が、ふとしたきっかけで一人旅デビューを果たし、徐々に本格的な一人旅へとステップアップしてゆきます。始めは日帰り、やがて県外、遠方までと少しずつレベルが上がってゆくので、一人旅初心者でも真似しやすそうな点も魅力です。全国各地を日和と一緒に回っているような気分になれる楽しい一冊です。
人見知り女王と自負する主人公がひとり旅を通じて人とのコミュニケーションを学びつつ成長していく話。各地色々な所へ旅に出かけており、様々な風景やパワースポット、グルメなどの紹介もほどよくされており、読者の「行ってみたい、旅してみたい」という気持ちを盛り上げる。
5.秋川滝美『いい加減な夜食』苦労人×財閥トップのじれったい関係にも注目のお仕事小説

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あらすじ
女子大学生の佳乃は、ハウスクリーニングのバイトをしている。ある日、バイト先の豪邸で、ひょんなことから主のために夜食を作ることになった。慌てた佳乃が出したのは、賞味期限切れの食材を寄せ集めて作ったいい加減なリゾット。しかし、なぜかそれが主に気に入られ、屋敷の夜食係として引き抜かれることになって——。
おすすめのポイント!
「いい加減な夜食」をきっかけに始まる、コミカルで美味しいラブストーリーです。財閥の総裁を務める超ハイスペックな男性と、苦労人の女子大学生との、じれったくて胸キュンな恋愛模様を楽しめます。お互いに想い合っているのにすれ違ってしまう2人の姿がもどかしく、結末が気になりついついページをめくる手が早くなってしまうことでしょう。読み終わった後は思わず笑顔になってしまうような爽やかな作品です。
文庫版の書き下ろしが読みたくて読み返しました。「いい加減な雑煮」住み込み二度目の正月後、焼き餅にお茶漬けの素をかけて美味しいなーの話。相変わらず食べ物の話を書くと、読者は食べたくなります。
秋川作品は、孤独や辛さを抱える人にそっと寄り添う温かなストーリーが魅力です。
美食もたくさん登場するので、より心が満たされることでしょう。
まだ読んだことがない人は、ぜひ一度手に取ってみてくださいね!